本務校の所属が動き、現在のところで総合演習を持つようになってから、学生を連れて観に行くようになった会。それまでは萬狂言夏公演とぶつかることもあり、自分の好みで選んでいたのだが、現在は、夏休み前の学外学習ということでこちらを優先させている。主催は全日本郷土芸能協会。
各地に伝わる民俗芸能で、地域学習の一環として子どもたちが活動しているところを、各地から集めて発表会・セミナーを行う。セミナーは今年で4回目、在日外国人学校の子ども達の発表を入れるのは2回目となる。
今回も各地域の子どもたちの発表を楽しく拝見する。神に奉納するようなタイプのものもあるけれども、子どもたちのひたむきな姿に思わず拍手や感嘆の声が漏れる。
“各学校の特色を”なんてオカミは言うけれども、それと矛盾するように教員の強制異動はどんどん激しくなっている。特色を維持できないようにしているのがオカミだろうに。そうした中で、継続して活動を続ける学校というのは並々ならぬ地域のフォローがあることだろう。
たとえば、あるクラブ活動の指導力に優れた教員がいて、クラブ活動を盛り上げていっても、数年で異動があるので、その後が続いていかない。クラブならば、その教員にとって次の学校があるけれども、地域と密着した芸能ならば、異動先で続けるというわけにもいかない。今回の発表の中にも、大人の伝承者が皆無という中でなんとか血脈を保っているものもあった。
神楽好きの佐藤としては、北海道でありながら近世初頭の形態を保っているという「松前神楽」、広島県尾道の、いかにも荒神系の剣舞を含む「御調(ミツギ)神楽」と、珍しい神楽が2つ並んだのが興味深かったが、それ以外も小中学生のみんなの活き活きと活動している姿が良かった。
会場内で上演中に携帯電話で話をしているババァを発見。小声ではあるけれども、それでも聞える。しかも、その時の舞台上では、死者の回向に関するものが進行中だったりして、驚いた。周りの人が注意しないので、思わず苦情を言いにいった佐藤。子どもたちも沢山来ているのに、こういう非常識オトナがいると困る。