今日は宝生秋の別会第1日。高橋章さんの「清経<音取>」、三川泉さんの「遊行柳」、そして金森秀祥さんの「絃上<クツロギ>」の3番。どれもこれも味わい深い。生きてて良かった~。
「妙音院殿」とは藤原師長のことで、「絃上」の詞章では“雨の大臣(オトド)”。この名称については『源平盛衰記』巻十八曾の巻でも触れられている。海に沈んだ琵琶の話は『平家物語』の青山の琵琶のところでも登場する。
この妙音院殿の弟子の1人が二条天皇で、『文机談ブンキダン』には二条天皇が音楽にも優れていたことを詳述する。今日は、二条天皇について抱えている問題も終え、スッキリした気持ちで「絃上」を観るぞーっと意気込んでいたのだが、なぜかその原稿用紙(文字通り原稿用紙<満寿屋製だけど)は書きかけのままカバンに入っていた。
舞台鑑賞を終えて、「これではいかん」と反省し、ラストスパートで書き上げた。
シテ金森さんは予想以上に素敵な村上天皇の霊であったが、音楽説話を元にした舞台にしては囃子が……んー、やはり囃子は舞台の進行に重要だなぁと思った次第。
ちなみに、須磨にはこの「絃上」ゆかりの村上帝社という神社がある。