川柳で人生を二倍に生きる

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  川柳に三柳節が冴える予後

  　5月19日、川柳250年協賛・公募ガイド社川柳セミナーが、新宿区・コズミックスポーツセンター大会議室で行われた。　・川柳の基礎知識（定義、形式、歴史、俳句との違い、作句の過程など）　・事前投句の選評・添削講座　・即吟川柳会（添削講座、句会形式、互選互評の３種）という３ステージで行われ、３時間以上喋りっぱなしの三柳。出足は、声がかすれ、立っているのがやっとのように、フラフラとしていたが、講義が進むにつれて、声に張りが戻り、しだいにエンジン全開となった。不安に思って付き添った私にとって、現役で講義をする三柳の姿は久しぶり。その様子を見て、少し安心した。「この人は、川柳をやっていれば元気になれる…」　　そんな中、読売日本テレビ文化センター錦糸町の「尾藤一泉川柳道場」の面々が参加。古い者でも１月に川柳を始めたばかり。三柳の講義を聞いてもらいたいと誘ったのだが、何の何の、６つの課題のうち四つでご褒美をもらえる作品を作り、三人参加して三人がお土産を持って帰るという戦果。センスの良さに胸を撫で下ろす。　この日は、一泉の切り口とは異なる、三柳の川柳世界に触れられて、また新しい発見があったことだろう。　私の講座では、単に句会で抜けるような句会作家を養成するつもりはない。川柳というものを通じて、社会と関わりを深めていくその方法を楽しみながら学びたい。川柳の将来は、いかに社会と関係を持っていくかであり、開かれた川柳でなければ、狂句が辿った道をもう一度川柳が辿ることになるだろう。　　　川柳発祥250年。大きな川柳の転機に差し掛かっている。　

  2007年05月20日

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  子を伴に罪埋め合わす祭りの灯

  　今日は、読売日本テレビ文化センター・錦糸町川柳道場に、角川の「野生時代」の取材があり、おおいにライターが川柳を満喫した。「予想以上に面白い…」という評価は、リップサービス半分としても嬉しい。　今週末も川柳の行事で埋まっているカレンダーに、子供が淋しそう。　教室を終えてから、博柳先生から拝領の三社祭の中若衣装で、娘をお祭りへ。　…と、いっても、実は川柳250年実行委員会が事業の成功を祈願して奉納した、祭り提灯の取材が目的。暮れなずむ町へ、車を走らす。　本日は、祭りの行列があり、夜は各町会で神輿の周回。近づくに連れ、祭囃子が心地よい。　まずは、三社様えお参り。　三体の神輿が、祭りの灯に照らされて眩い。　　　　　　　　　娘も、江戸の祭りの雰囲気にご満悦。　さて、川柳250年の提灯を探すと…　　　ありました。三社様拝殿と浅草寺本堂の間の目立つ位置に「川柳二百五拾年」の提灯。　　初代川柳がこれを目にしたら、さぞ喜ばれることだろう。　私が写真を取っている間に、娘はチョコバナナ2本とかき氷を平らげ、金魚2匹をゲット。こちらも満足そう。　私も、川柳250年という年に、こんな形で三社祭を訪ねられた事は、一生の思い出となるだろう。　川柳家の皆様のご健勝を祈った。

  2007年05月18日

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  川柳250年実行委員会

  　5月14日、午前10時30分より東京都北区・栄町会館において川柳250年実行委員会が行われた。　北海道から、斎藤大雄委員、八木柳雀委員、仙台から雫石隆子委員ら総勢17名の出席により、川柳250年事業の進捗報告と今後の具体的進行について討議を行った。　　　回を重ねるに連れ、各地での実績が積上げられ、川柳250年事業の認知も大きく高まった。　議事録は、右のとおり。　有意義な討議に、快き疲れを覚えた。　討論の後は、前田会長ご推薦のワイン研究会。　　　　　　　薀蓄を聞いての試飲は、また格別の味。　　　　　　前田先生精選のワイン「レ・グラーヴ・ド・ブリニヤック　ＡＣボルドーシペリエール　赤2000」、「レ・グラーヴ・ド・ブリニヤック　ＡＣボルドーシペリエール　赤2003」、「シャトー・デュ・ムーラン　ＡＣ　サント・クロワジュモン　白2001」、「ラウル・クレルジェ醸造　ＡＣ　ボジョレ　赤2004」、「ラウル・クレルジェ醸造　ＡＣ　ブルゴーニュ・グラン・トルデネール　ピノ・ノワール種とガメイ種の混醸、軽快　赤2000」、「ラウル・クレルジェ醸造　ＡＣ　アロース・コルトン　赤2000」、「バレラ・ザランツ　赤2000」を並べ、前田先生の薀蓄を伺い、一同、大川幸太郎氏の音頭で乾杯、事業の成功を誓う。雫石先生お土産の仙台名物・焼蒲と、前田先生ご推奨？のアンパンを肴に、7種のワインを試す。園遊会級というワインには、一同、一口試そうと次々手が伸びる。はじめは、前田先生秘蔵の高級ワインの味を楽しんだが、ひとまわりする頃には南米産の「やや下品…」というワインも美味しく感じられるようになり、自分の舌のいい加減さを知った。飲むほどに和み、いいアイディアが浮ぶ。実行委員会の議事に加えて、ワイン会の雑談アイディアも採用とする。　　　川柳を通じての楽しみは深い…。

  2007年05月18日

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• 大江戸せん柳展　好評…！

  　川柳250年・大江戸せん柳展が、都営地下鉄大江戸線・上野浅草駅で開催されているが、人だかりが切れないほどの盛況。川柳への興味が広がっている。　東京都交通局のホームページの「沿線おでかけ情報」でも取り上げられ、三社祭とともに、取り上げられている。　昨年の今ごろは、「川柳250年といっても、ただ0250年過ぎただけではないか…」とか、「やりたくても時間もないし、お金もないし、人も出せないから…」と消極的であった川柳界も、台東区の発祥の地の誇りを胸にした方々と、川柳がほんとうに好きな人々の応援によって、今日のような脚光を浴びる状態にまで広がってきた。　川柳は、難しいことを言わず、文芸性の高いアートの部分から、大衆の共感をベースとする公募川柳まで幅広く、これが、大きな特徴になっている。歴史的に見ても、似たようなことが検証される。このことについては、学術的に『川柳総合大事典』歴史編で論を展開するつもりだが、なによりも川柳に関心の目が向けられることが多くなり、一川柳家としても嬉しい。　これも、応援して頂いている皆様のお陰であり、また、このブログを覗きに来ていただいている方々の励ましがあったからだと、心から御礼申し上げるしだいです。　今後とも、よろしくお願い申し上げます。

  2007年05月16日

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  公募川柳　最優秀賞 10万円 ＜男と女のフォト川柳＞

  　川柳250年で元気な川柳が、ＥＤに悩む男女を応援するため、写真のイメージと川柳のコラボレーションで読む＜男と女のフォト川柳＞コンテストを行います。　　　　　　嬉しいことに、川柳250年協賛し、川柳を文化として発信することにご支援を頂きました。　川柳には、＜末番句＞という男女の情愛を描いた作品も古川柳時代からあり、また、近代以降には＜情念川柳＞と呼ばれるような男女の内面を描き出す作品もあり、男女をテーマとした表現には、新古くからの歴史と、多くの作品から「得意中の得意」なものをもっています。　おしむらくは、＜バレ句＞と呼ばれる過激な性描写を行った作品もあり、これが、川柳の品格を貶めたこともありますが、本来の世帯人情を描く川柳の目は、男女の情愛にも極めて健全な、しかも鋭く、洒落た作品を多く残してきています。　公募川柳という分野が定着した今日、新しい川柳の目で「男と女」という基本的テーマについて、もう一度見つめなおし、今日のコトバで五･七･五の十七音である川柳に仕立てあげてみるのも面白い試みです。　今回は、課題として複数の「写真｣が提起されており、その各々から得られるイメージや男女の関係を作品にします。もちろん、自前の写真に作品を附けることも可です。　写真と川柳のコラボレーションは、かつて、漫画と川柳で行われた表現の相乗効果をもった関係が得られるでしょう。　明日から募集がはじまります。　作品選考には、川柳家として尾藤一泉が加わり、公募川柳といっても「おふざけ」や「ちゃかし」で終ることのない川柳本来の伝統を生かした「良い」作品を選ぼうと思っています。　いわゆる技巧的に「上手い」作品より、新たな視点で「男女」を捉えた個性的作品を期待します。　最優秀賞には、懸賞として10万円がいただけるそうです。　次のホームページからアクセスしてください。　　＜ドクター川柳＞　　＜川柳250年＞　　＜バイエル製薬＞　　

  2007年05月15日

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  大江戸せん柳展はじまる

  　都営地下鉄・大江戸線の上野御徒町駅コンコースで、＜大江戸せん柳展＞がはじまりました。　川柳250年事業に協賛した行事で、川柳発祥の地の誇りをもって、台東川柳人連盟（大川幸太郎会長）と川柳250年実行委員会の共同で行われたもの。　　コンコースに掲示された川柳作品は、新堀・阿部川川柳会句会での作品。　「猛烈」大川幸太郎選、「もったいない」近藤良樹選、「もつれる」尾藤一泉選、「貰う」内田博柳選の４題。川柳漫画家・木内紫幽師の絵入りの作品もあり、世帯人情を切り取った川柳の内容的面白さに花を添え、通る人々の目を惹いていた。　　写真を撮っていると、通りがかる方々が声をかけてくれる。「これって、ホントに可笑しいですねぇ…」とか、「そうそう、この川柳のとおり本物は使わないのよねえ…」とか、もっとも嬉しいのは「川柳って、いいねえ！」と言ってくれること。　川柳の元気は、コンコースを通る方々の笑みになり、またひとつ、川柳の楽しさが発信できた。　今年は、川柳250年ということもあり、発祥の地・台東区の川柳史跡の紹介も写真入で行った。　こちらにも目を向けてもらえると、もっと嬉しくなる…。　

  2007年05月15日

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• ドクター川柳＜Ｗｅｂ句会＞　3・4月入選発表

  ドクター川柳＜Ｗｅｂ句会＞ 3・4月入選発表 玄武洞評 三月・四月課題　　○ ゆるい　　　△ さくら○　伸びたゴムくらいが心地いい夫婦　　　　　千里香△　戦争を知らぬさくらが咲く故国　　　　　　　さくらつきこ 「ゆるい」という形容詞題では、〈読み込み〉してしまうと句の広がりが阻害されます。また、「さくら」のような名詞題では、〈読み込み〉しないと、題から離れてしまいがちです。「延びたゴム」の句は、解りやすいコトバで一見平凡ですが、年を経た夫婦の情愛を適切なメタファで捉え、コトバ以上の深みが感じられます。「戦争を知らぬさくら」は、既に戦後生れが主流になっている社会を、日本的精神と桜の関係を背景に、意表をついたサクラの発見でした。○　定年の日から自転がもどかしい　　　　　　迷留△　諳んじるものあり櫻と雪の嵩　　　　　　　　菅原孝之助○　天皇の頬のゆるまる平和かな　　　　　　　山田海猫△　水面に枝垂れ桜が鬼の相　　　　　　　　　日向○　横向きに夕餉囲んでいる絆　　　　　　　　だっ平△　散り際も立派ですねと掃除する　　　　　　カラリ○　遅れてもなんくるないさうちなんちゅ　　　さくらつきこ　「定年の日」は自嘲。題と思いが重なり佳。「諳んじるものあり」は「櫻」を「はな」と読ませ、雪国に棲む作者の感性。「天皇の頬」は、国民の心情を天皇に象徴したもの。逆説的表現が面白い。「水面に」は、本来「美しいモノ」という概念を逆手に、作者の発見がある。「横向きに」は、現代社会の絆を視覚的に捉えた佳句。「ゆるい」という題と響きあう。「散り際」は、散った後の始末をする作者のボヤキ。人生、散り際が立派であれば、他人に迷惑をかけないとは言い切れない。「遅れても」は、沖縄方言を上手く取り入れた。＜外フシ＞○　ゆるやかなカーブで母は知恵をくれ　　　なごみ△　花屋台ドネルにチヂミ国際化　　　日々楽人○　先頭を拒みつづけて渡り鳥　　　さくらつきこ△　埋められた人も見ている夜の櫻　　　迷留△　花吹雪分別作業の腕を止め　　　とむちゃん○　はちまきが抜けてしまったプラカード　　　だっ平○　寒暖のゆるさにぼける気象庁　　　青山南△　ふるさとの二十歳のままに咲くさくら　　　だっ平△　華やかに咲けば頬打つ世の冷気　　　海光○　信頼も売ってしまった不二家節　　　日々楽人○　米朝のゆるいカク帯しめなおす　　　齊藤冨士男△　葉桜にまだ覚めやらぬ浪花節　　　　とむちゃん△　九条の国に今年も咲くさくら　　　さくらつきこ○　張り詰めた気持ちゆるんだ合格日　　　まるこ○　見通しが悪いときには譲るふり　　　遊牧民草○　鈍行の駅の櫻をめでる旅　　　迷留○　倦怠期ゆるい絆を締めなおす　　　松谷柚子坊 △　お花見を陰で支える桜守　　　彦兵衛△　さくら咲く傍で携帯花盛り　　　染谷さくら△　命日を前にさくらの定期便　　　青山南△　遅桜僕にテンポを合わせてる　　　文彦△　桜にもライトアップの夜勤あり　　　千里香△　枝垂桜花といのちの重さゆえ　　　遊牧民草△　花吹雪向こうに母の姿見る　　　日々楽人△　花開く時計狂わす温暖化　　　花咲爺△　潔い散りざまが好き桜好き　　　小吉△　花見酒腹を吐き出す無礼講　　　齊藤冨士男△　一年の早さを思い知るさくら　　　勲　選考が遅れましたことお詫びいたします。二か月の課題をまとめて発表いたします。佳作以上九作品の作者には、川柳書籍をお送りします。外フシは、初代川柳時代の用語で「選外佳作」を示します。いい句がありましたので、掲載します。佳作との差は、技術的な問題もありますが、発想面でやや平凡で類想が多いと思われる句でした。

  2007年05月06日

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  フジテレビ　〔とくダネ！〕　に博柳さん登場？

  　フジテレビ朝の番組〔とくダネ！〕で、川柳が取材されていたが、どうも、台東川柳人連盟の内田博柳幹事長が出演するらしい。　　　　　　5月9日、8時からの番組だが、9時から9時15分頃より川柳が扱われると漏れ聞く。　川柳250年の節目の年に、メディアが川柳に興味を示していることは事実だが、実際に開催中の250年行事の一部が取材され番組になるのは初めて。　その中で、博柳先生がどのようなことを発信したのかは未確認情報だが、川柳発祥の地の誇りを大いに語ったようだ。　川柳が＜文芸＞として芸術の域を目指すのも大切な道程だが、もうひとつ、＜生活の中の川柳＞という、庶民共感の場としての川柳の存在を忘れることができない。＜サラ川＞などを川柳ではないと決め付けてしまう川柳家もいるが、川柳の裾野と表現の視野を拡大するためには、江戸期からの川柳のひとつの本質である＜横の詩＞＝共感媒体としての側面も大切にしなければならない。

  2007年05月04日

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  青写真どおりに進む風の向き

  　川柳250年行事の新しいチラシが出来た。　　　　　　実行委員の先生方には今日発送だったが、直接持ち込んだ＜可有忌＞が最初の配付となった。　　いよいよ５月。陽射しも強くなり、川柳250年の幟が風に靡く。　　　　　　呉陵軒可有こと木綿居士の法要につづき、川柳人協会会長・竹本瓢太郎先生の挨拶が嬉しかった。　今年は、川柳界にとって特別の年。東京には、川柳、可有、花久という川柳の三恩人がいる。この川柳250年を機会に、さらに川柳を広めよう。今年は、多くの250年関連行事が行われる。できるだけ多くの行事に参加し、川柳を盛り上げようではないか…。　このコトバによって、川柳250年の風は、さらに順風となり、川柳界から社会へ発信する力がより強くなった。川柳を愛しむ心は同じであり、利害を超えたところで一致している。一時期は「一泉の傘下云々」などというデマが飛び出し、川柳250年事業自体についての賛否があったが、もはや、そんなちっぽけな問題は消えた。　今後の川柳を思えばこその、川柳250年行事であり、これを成功させていくことが川柳の発展につながるということでは、全くの一致をみた。初代川柳の墓前での話は、腹に何も無い川柳家同士の思いであり、さすが、きやりという周魚の遺鉢を継ぐ先達であると見直し、江戸っ子だなあとも思った。　　　　　　台東区では、各地に川柳250年の幟が立ち、菊屋橋公園前では、大川幸太郎先生がしげしげと幟を見ているところに出逢った。自らが骨を折り、建立した柄井川柳顕彰碑の脇ではためく幟は、大川先生にとっても感慨深いものがあるのかもしれない。　また、今年は、一つの川柳のモニュメント＜川柳発祥の地＞記念碑が建立される。　費用は、これから浄財を集めなければならない。　どうか、川柳を愛し、川柳を楽しんでいる方々に篤志の基金をお願いいたしたい。それぞれが少しずつでも、川柳で楽しませてもらっている方々からの力が合わさると、夢のようなことでも実現することが出来るだろう。　　皆様からのお力添えをお願い申し上げます。　

  2007年05月03日

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• ホッとした首から下がもう他人

  　　　ホッとした首から下がもう他人　三柳の退院で家人は胸をなでおろした。　緊張から解かれた体がいうことをきかない。疲れがドッとでたようだ。　昨日一日、仕事ができる状態に無く、今日もパワー60％程度。頭も重い。　久保さん、ゴメンナサイ。　編集は、もう少し時間が要ります。　できるだけ、頑張ります。

  2007年04月30日

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  川柳の名を知らぬなし かっぱ橋

  　5月11日、フジテレビの「とくダネ」（8：00～）で、川柳が取り上げられるという。　目で識る川柳250年展の打合せにテプコ浅草館に向かうと、テレビクルーが取材をしている。なにげなく見ていると、街の中の川柳作品を写しているではないか。　かっぱ橋公西会商店街は、おりしも＜平成万句合＞の幟で飾られた川柳の街。前回の川柳ギャラリーの作品が残っている店も少なくない。　　　　　　　　テプコ向いの「カナリヤ」は、川柳家の可愛い店主が経営する化粧品店。新子が好きという彼女は、今川柳に夢中だが、突然の取材に少し驚いた様子。　　　　　　　　カメラは、「浮世床」を自認する床屋さんへ。ここには、年中台東川柳人連盟の川柳作品が飾られている。　　　　　　　　また、薬屋さんにもカメラは向かう。コンドームの販売機と万句合のポスターが並んでいるのは少し恥ずかしいが、いかに街に川柳が浸透したかがわかる。　打合せのため、カメラ取材を見ているわけにはいかないが、川柳の街をカメラは巡ったようだ。　テプコ浅草館館長とスタッフの方々にお目にかかり、夏の川柳展の打合せ。　地元発祥の文芸に、大きな期待を寄せてくれた。　これらの報告を持って龍宝寺の初代川柳墓前へ。　私と博柳さんは、もう「川柳の人」ということで随分地元に知れ渡った。出会う人で会う人が川柳250年に声援を投げかける。この盛り上がりを初代に手を合わせて報告。　墓所にも、嬉しそうに風になびく初代川柳の幟が立った。　　　　　　　　家に帰って、仕事を始めると、さっきのテレビクルーが取材したいという。　あれあれ、仕事着に着替えて手を石膏などで汚しているところへ、カメラがやってきた。　一応、鏡に向かって髪を整え、応対に出ると・・・、なんと、取材したいのは私ではなくて、朱雀洞文庫の『誹風柳多留』の原本であるという。　犬も娘も、明るいライトを持ち込んだ撮影班に興味津々。　戸の隙間から覗き込む。　　　　　　　　残念ながら、イッセンさんはお呼びでなかったが、我々が誇りにも思う川柳という伝統文化がテレビで紹介されることは何より。　いよいよ、川柳250年もメディアの視野に少しずつ入ってきたようだ。　　　　　　　　

  2007年04月28日

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  サイレンが賽の河原を迂回する

  　サイレンが賽の河原を迂回する　本日午後、約一ヶ月に及ぶ入院を終えて、尾藤三柳が自宅へ還りました。　この間、本人にとっても家人にとっても、日常茶飯とは園の遠い生活を強いられ、多くの方々にご迷惑をお掛けするとともに、多くのご心配を頂きました。　お陰をもちまして、無事復帰することができ、ありがたく思っています。　仕事上では、病室にパソコンを持ち込んだとはいえ、多くの面で遅れを生じることになり、併せて、一泉の仕事も遅れ遅れになってしまい、親子してご迷惑をお掛けすることになってしまいました。　この場をお借りし、ご厚情に感謝いたしますとともに、深くお詫び申し上げます。　　　　　　　川柳家でもある仏師・大川幸太郎師が三柳の病気治癒に制作してくださった円空仏も、病室から大切に三柳自身の手で持ち帰られ、応接室の仏像群の仲間入りを果たした。　川柳250年は、文芸の時間的節目であると同時に、曲がり角を迎えつつある文化としての川柳にとって大切な時期で、三柳ともども、すこしでも発展に貢献していきたい。　このたびのいのち拾いは、きっと大きく活かされることになるだろう。

  2007年04月28日

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  今、川柳をはじめたい方へ　公募ガイド川柳セミナー

  　川柳250年の今年、「川柳をはじめたいが…」という方へ朗報。　5月19日、公募ガイド社が、川柳セミナーを開催。尾藤三柳を講師として招聘、初心から応用まで、1日で川柳家を養成する川柳入門セミナーが行われます。　　　参加希望者は、事前に課題を提出しておくと、先生から直接の講評が得られます。　尾藤一泉川柳道場、川柳アカデミー、および公募ガイドの各セミナー受講者には特別割引があります。一泉までお知らせください。申込時に添えて出すと大幅割引となる「受講証」をお送りします。　また、「＜ドクター川柳＞で見た」と言うだけでも、500円の割引になります。ご利用ください。　詳細は、こちらのページで。　

  2007年04月27日

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  平成万句合　電波に乗る

  　　一昨日から、台東ケーブルテレビで、平成万句合の広告が流れている。今週いっぱいつづく模様。　嬉しいことに、川柳の発祥に触れ、川柳250年のことと、台東区が川柳発祥の地であるという解説も加わり、７万世帯のモニターに川柳がお目見え。　川柳という文芸の発祥を知るとともに、多くの方々が地元発祥の文芸に興味を持ってくれるだろう。　今や、全国的文芸である川柳だが、一部の川柳人による吟社継承の世界だけでは、柳誌への自作の活字化と句会での入選くらいしか楽しみはないが、文化として発信され、一般社会と共有されると、その価値は俄然おおきなものへと変わっていく。　今日、公募川柳では多くの若い参加者が多くいる。それらが川柳の中心となってきていることを認めようとしない既成柳界が、我こそ川柳の本道と思っていて、新川柳の勃興とともに消滅していった柳風会のようになることは、柳界で育ってきた私にとって耐えられない悲しみである。　なんとしても、これらの若い勢力を柳界に導き、興味と遣り甲斐のある川柳に変えていかねばならない。　2007年、川柳250年の節目は、川柳界にとって、おおきな試練を求められているのかもしれない。

  2007年04月23日

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  世代交代　川柳が変わる

  　川柳250年事業に関連して、古い川柳人を訪ね歩いている。　今日は、台東区の役所関係と学校関係を回った後、石田きみさんを尋ねた。　長く、台東区で千草会を継承してきた大先輩だ。　　私の目的は、古い川柳の話を聞くことと、川柳史料の発掘であるが、真摯に川柳と取り組んできた方の話は興味深い。　いろいろな話の中で、句会における句風が変わったという。　それは、私も感じていたことであるが、もともと伝統川柳に育ったきみさんの口から聞かされると、やはり別な実感をもって感じられた。　　　　　　　　　きみさんは、山路星文洞の薫陶を受けたひとりで、新川柳世代では第３世代（六大家の弟子）に相当する。この頃までは、確実に川柳という文芸の目的が伝わっていた。句会で抜けるための川柳ではなく、自己表現としての川柳だ。ところが、最近ではコトバが先行し、内容よりも難しい用語のられるが主流になってきた感じているという。だから「もう着いていけない…」と溜め息をもらしていた。　選者レベルの低下は、表面上のコトバに引っかかり、それが主流になっているためと思うが、きみさんの言葉を借りれば「しなやかな川柳が減った」ともいう。　新しいものは、古き良きものを殲滅して生み出すのではなく、古いものを大切に財産としながら、さらに新しい切り口を獲得せねばならないと、改めて感じた。

  2007年04月23日

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  踊る川柳250年　

  　4月19日、台東川柳人連盟に主催よる、富士を見る浅間神社‐忍野八海吟行が行われた。　あいにくの天気で、富士山は雲の中であったが、満開の桜を見ることができた。　驚くべきことは、前日の大雪で、現地は真冬を思わせる雪景色。　桜に雪が積もるという珍しい光景を目の当たりにした。　　　　　　　バスにも「川柳250年」の幟。すれ違う旅行者が、覗き込んでいた。　　　　　　　　温泉につかった後は、鐘山苑の大広間で昼食。美味しい料理と昼間からのビールは直ぐに回ってくる。挨拶もそこそこに、川柳250年のヨコ看板を前に舞台で踊りが始まる。　川柳発祥の地の誇りを胸に、今年にかける台東川柳人連盟の気合は凄い。　　生涯現役を貫く下町の職人を中心とするメンバーは、単に句会で楽しもうという川柳ではなく、川柳を通じて楽しもう、楽しみの輪を社会へ広げようと、大きな目的をもって取り組んでいる。　わたしなどは、そのパワーに押されっぱなしで、ビール３杯で沈没してしまった。　これが、地元で川柳250年を担う江戸っ子の面々である。　　

  2007年04月23日

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  新堀で翁の影がでかくなる

  　「忙しい、忙しい」と言っているうちは、まだまだ余裕がある。　もう、忙しいと言っていることもできぬほど、目が回る。　取りこぼしも多くなってきた。　何より、川柳史料の山が机の周辺だけでなく、事務室の中を食み出し、生活空間まで出た。　女房は諦めているが、三柳が退院してきたら、整理してないと不愉快なセンセイなので、こっぴどく怒られそうだ。　それも『川柳総合大事典』ができるまで…、とか、川柳250年が終るまで…、とか自分に言い聞かせては来たが、史料を探す時間が増え始め、作業効率が落ちているのは疲労だけではない。　片付けないと、仕事にならなくなってきた。　外へ出る機会も増えている。これも、自分の仕事の時間を減らす要因だが、台東区のみなさんをはじめ、川柳250年に積極的な方々から依頼をうければ、何をおいても飛んでゆかねばなるまい。　ここ連日、合羽橋周辺、旧新堀端をいったりきたりして、周辺の学校を回る。　川柳発祥の地元で、都の旧跡に初代川柳の墓が指定されているににもかかわらず、学力とは無縁の地域史は、あまり顧みられていなかった。　金竜小学校、蔵前小学校では、川柳の発祥の地を近隣にもつという事が興味深く受け取られた。とても新鮮であったらしい。ぜひ、今年の時間の中で、川柳について触れ、地元の誇りとしたいと言うことと共に、言語力養成の契機としても＜平成万句合＞に参加したいという。嬉しいではないか。　　途中より、地元の川柳家で仏師の大川幸太郎先生が加わり、三筋小学校OBとして、現在は都立白鴎高校付属中学となった同校舎を訪ね、中学生に川柳を説く。　　　　　　　ここでも、川柳発祥の地と筋向いの地理関係もあり、川柳250年に参加したいと言う。　写真は、校門前に立てられた旧小学校の記念碑を感慨深そうに見る幸太郎師と、台東川柳人連盟の内田博柳氏。　この二人をはじめ、台東区の川柳家により、街中が川柳の色に染まってきた。　「時間がない」「人がない」「金がない」などという理由で、もし、この川柳250年の事業をはじめていなかったら、こんな盛り上がりはなかったし、地元の生徒でありながら、川柳を知らぬまま卒業してしまったろう。　確かに「お金がない」というのは否めない。　事務局を預かって、金の遣り繰りはギリギリだが、毎日のように基金は集まる。一人一人の額は小さくとも、川柳250年に協力しようと言う方々の気持ちを最大限に生かせるよう、なんとか、これらの基金を大切に使いたい。　昨日から、朝日信用金庫・千束支店でも「三社祭」にちなんだ川柳展がはじまった。　地元を読んだ川柳は、地域へ川柳の面白さを伝える。　待ち合い室で、キャッシュディスペンサー室で、おもいおもいに川柳を楽しんでいる人をみると、句会で抜けた抜けないと喜んだりがっかりしたりしている句会川柳の虚しさと反対に、川柳を通じてのコミュニケーションや共感、連帯感というものが生れ、川柳を作った側も、それを読む側もともに楽しむことができ、ひとつの川柳の在り方として、やってよかったという満足感が生まれてくる。　　　川柳ばんざい！　誇りをもって五・七・五

  2007年04月18日

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  祝・川柳発祥250年切手

  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　オリジナル切手を作りました。　　　　　　　　　　川柳250年の喜びを手紙に載せて届けたいと思います。

  2007年04月13日

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  朱雀洞　選考の貌　爺の貌

  　いよいよ尾藤三柳の体調は回復。　検査によって、心配された肺癌や肺炎はまったく無く、現在最終の血糖値の経時的変化を１時間ごとに血を採られて、これが安定していれば、明日にも退院できるとのこと。　ただ、仕事上のIT設備を病室に充実させ、孫の守という邪魔される時間の無い入院は、けっこう気に入った様子。仕事の消化が早い。　ついでに、かねてより気にしていた白内障の手術もこの機会にやってしまえないかと、眼科へ行って交渉中とのこと。　　　　それでも、孫が見舞いに来ると、選考していた葉書を手に持ったまま、婚に良く相手をしているのを見ると、やはり、入院で一人になるのは淋しいようだ。　「川柳公論」の編集が一連の騒ぎで遅れ、これもまた、私の作業如何に掛かってきた。　次々殖える川柳関係の仕事には、川柳250年と言う特別な年という事を考えてみても、「川柳職業人宣言」などはするまでもなく、25時間川柳を泳いでいる今の私には、脱サラを覚悟して、本当に良かったと感じられる。残念なのは…仕事量が収入に結びつかないことである。　今のところ、女房は「貴方の好きなことをやればいい…」と理解をしてくれているが、問題は、川柳だけでは食べられない現実である。　もう少し、執行猶予を頂きたいものだ。

  2007年04月12日

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  川柳の野火　下谷浅草焼き尽くす

  　＜平成万句合＞が3月1日にはじまり、少しずつその情報が広がっている。　「公募ガイド」や「川柳マガジン」といったメディアが、一般の川柳投稿者へ広く伝えてくれている。　台東区のかっぱ橋本通り公西会商店街さんでは、３月からフラッグによって、この行事を宣伝していたが、いよいよテプコ浅草館をはじめとする数ヶ所のお店に「投句箱」を設置、買い物客や投稿マニヤに、募集をはじめた。不特定多数に向かう、一般会場での募集は、それだけ川柳を社会へ浸透するのに良い機会である。　札幌の北海道立文学館でもポストが置かれたという。　地域振興と川柳雅協力し合うという発想は、とても有効な互恵行事である。　アノニミティをひとつの特徴とする公募川柳は、古川柳の性格と重なる庶民性をもつ。　また、台東川柳人連名を中心に、台東区の川柳家が元気。　寄ると触ると、川柳を広げる戦略打合せに余念が無い。それぞれの得意な場所、人脈を駆使して、川柳は野火のように台東区内へ広がる。　　　もはや、川柳250年をお願いして歩く時代は過ぎ、台東区の各団体、商店などから、ポスターの要請や川柳展の開催要請が舞い込む。　事務局は、火の出るような忙しさになっているが、嬉しい悲鳴である。

  2007年04月12日

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  川柳で江戸を訊ねる万歩計

  　読売日本テレビ文化センター主催による川柳250年協賛「川柳で辿る江戸・東京」の第１回が「江戸の行楽地・飛鳥山と関八州の総社・王子稲荷」を中心に開催された。　飛鳥山は、ほぼ葉桜になってきていたが、遅咲きの八重は満開の木もあり、残り花を楽しみつつ、江戸の行楽地として今日に残る飛鳥山などを、古川柳や新川柳の作品をナビにしながら、ウォーキングを楽しんだ。日も穏やかで、風も無く、絶好の行楽日和。　　　王子は、一泉の生れ育った地であり、幼少時から遊びまわった所を、川柳で案内した。　飛鳥山―音無川―王子権現ー扇屋・海老屋―石神井用水―日光御成り道―王子稲荷と、距離的には１万歩弱。各地で古川柳の披講・解釈と、新古の江戸風景を堪能した。この周辺には、まだ「江戸」の雰囲気を残す景観も残る。　最後に、名物の葛餅をいただいて、耳からも目からも、そして口からも満足。　初めて川柳に触れた参加者から「川柳は面白い」と身を乗り出されると、解説する私の言葉も更に熱がはいる。　ご興味のある方、いっしょに歩いてみませんか。

  2007年04月12日

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  へん翻と春風になる八右衛門

  　ママが、「面白いから犬と一緒に外に出てみろ、外に出てみろ…」とニヤニヤ背を突く。　　さっきまで、洗濯をしていたのだが、物干から降りてきて嬉しそうである。　犬と一緒に外へ出ると、3階の物干一面に「川柳250年」の幟がはためいている。　壮観である！　実は、きのう私がせっかくの幟に醤油をこぼしてしまい、洗濯させていたものだが、これを干していたのだ。　それでなくても娘の友達からは、「あまねちゃんの家は変なうち」という評判がある、玄関に目立つ幟を立てていたところだが、ベランダに並べられた幟は、娘の友達ばかりでなく、通りがかる多くの人の目に留まり、それぞれ振り返ったり、二人連れは指をさしたりまでしている。　これは効果的だった。　失敗から生まれた面白さ…。　今日一日は、乾いても取り込まないでおこうかな…。　あまりのも愉快なので、写真をとってしまった。

  2007年04月10日

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  レオナルド・ダ・ヴィンチを堪能する「“受胎告知”が明かす創作の秘密」は、とても面白かったが…！

  　一昨日のＮＨＫ総合テレビの番組・レオナルド・ダ・ヴィンチを堪能する「“受胎告知”が明かす創作の秘密」は、じつにに面白かった。　画面も繊細でディティールまで見え、レオナルドの作品を満喫した。　　　絵画と科学と宗教と絡めた立体的な分析は、レイナルド作品の秘密を解き明かす鍵であり、それを実に上手く見せてくれた。レオナルドのファンとして大きな拍手を送りたい。　しかし、１点だけ大きな問題があった。　ルーブルで「モナリザ」を模写したことがあるという斎●●郎先生という画家さんが出てきて、モナリザの再現模写をしてみせ、その段階をディティールも含めて示した。　ところが、見ていて驚いたのは、その先生が行っている模写の方法は、近代以降の油絵具の使い方であり、また、描き方も、レオナルドの技法とは全く異なるものであった。　模写は、単に結果が似ていればそれでいいが、この番組の大きなテーマは、レオナルドの絵画技術の秘密を解き明かそうと、わざわざ「モナリザ」の段階的再現まで見せているので、もし、子の番組を見て、「ああ、レオナルドはあんな風に描いていたんだ…」と思ってしまう画学生や絵画ファンが居ると、大きな誤解を生んでしまう。　斎●先生のとった技法は、現在の硬いチューブ絵具を用い、絵具を重ねながら輪郭を探っていく方法を取っていた。また、画面に近寄って写した再現の段階段階のマティエールは、明らかに可塑性のある硬い絵具を用いて、筆跡の凹凸を残しながら描いていった。　レオナルドは、けっしてあんな乱暴な絵具の用い方をしない。　多くの下絵と描きかけの作品があるので、レオナルドの技法は予想が付けやすいはずである。　すなわち、イタリアのテンペラ技法から入っているレオナルドは、精密な輪郭のデッサンを下絵とし、まず、全体にある程度暗い色塗り、人物の肌の部分を除いて、さらに暗い色で周辺のトーンを落とし、肌の部分の明暗を薄い絵具でモデリングしていく。　ある程度正確な明暗のモデリングができた時点で、陰に透明性の暗い色を指などで微妙に重ね、光の部分には明るい色を薄く足していき、この段階で最初の輪郭線から解き放たれ、次第に独特のスフマートが行われているはずだ。　レオナルド作品を近くで見れば明らかだが、現在のチューブ絵具を用いた場合のような筆跡は見られず、全体としてとてもフラットに仕上がっている。さらに良く見ると、レオナルドの指紋らしき跡も確認され、「神が与えた道具」である人間の指先で、微妙な絵具のコントロールを行っていたと考えられる。　したがって、今回の再現模写は、これを真に受けると、とんでもない誤解を生む。　すぐにＮＨＫへは、感想と意見を入れたが、この番組スタッフの中に、古典絵画技法と近代絵画技法の違いを知っている者が一人も居なかったことが惜しまれる。　古典技法の再現模写では、絵具自体から工夫しないとなかなか簡単に巨匠の技法を真似できない。　　単に、結果だけを目的とする「お勉強」のための模写と、今回の再現模写の性格が違うことを、絵画に興味を持っている方々には知っていただきたい。　そんな点で、唯一、珠に疵がある番組だった。　　う～ん、やっぱ、惜しい。

  2007年04月09日

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  台東区　街もメディアも五七五

  　4月5日付の《台東区民新聞》が届きました。　川柳250年記念、平成万句合の募集記事が大きく取り上げられています。　　　　　　　『川柳総合大事典』の編集追い込みと、三柳の入院、娘の入学など、私生活でも波乱万丈の時間を過ごしている私のところへ、多くの方々から、問合せ、激励、中には電話で万句合に参加しようとする方など、多くの電話が掛かり、嬉しい悲鳴です。　台東区関連では、下谷浅草で知らない人は誰もいないと言うほど有名な＜博柳＞センセイの携帯番号が載せられ、私の負担も少し軽くなりそうですが、大いに街が川柳という十七音で賑わっています。現在、郵便局、銀行ロビーの４ヶ所で＜川柳展＞が行われています。　これにあわせ、メディアがこれを取り上げたことにより、いっそう川柳への興味が増すことでしょう。　　　誇りを持って五・七・五　　川柳250年　というキャッチフレーズとともに、川柳発祥の地は燃えています。　同じ日の新聞紙面に、台東川柳人連盟会長・大川幸太郎先生の「江戸を抹殺した明治」の記事が出ていました。川柳でも、江戸を抹殺することにより新川柳の新しい展開があったわけですが、東京に代々住んでいる私にとっては、江戸の川柳にも捨てがたいものがあります。大川先生の記事をしみじみと読みました。

  2007年04月09日

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  病室の窓わがままで陽が映える

  　ご心配をお掛けしています。　三柳の退院は、病状の治療法方に決定的なものが無く、本人の自然治癒力に頼るばかりで、何時退院できるか判りません。　＜生涯現役＞を看板にしている川柳家として、レギュラーの仕事も多く抱えているため、予備のパソコンとプリンタを病室に持ち込み、LANで事務所のホストコンピュータと繋ぎ、ほぼ事務所と同じ仕事ができるようにしてやりました。意識の回復は順調で、倒れて担ぎ込まれたときの周囲への迷惑など忘れ、自分だけが世界の中心のように、遅れた仕事について、周人の責任のようにのたまう程、「いつもの我侭な三柳」に戻りました。　　　　　　　家人としては、また、胃の痛む思いをすることがあるのでしょうが、元気な姿で居てくれることがなにより有り難いです。　写真は、さっそくパソコンに向かう三柳と、めずらしく「おいしい」と言いながら病院食に舌鼓をうっているところです。　多くの方々にご心配をいただき、厚く御礼申し上げます。　逐次、ご報告して参りたいと存じます。今後とも、よろしくお願い申し上げます。　

  2007年04月09日

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  夢だけを詰めて眩しいランドセル

  　いよいよ、娘が小学生。　入学式の途中に出会った同級生の息子は大学を卒業したというから、何と晩生な出発か。　　夢ばかり詰めて眩しいランドセル　　　一応、人並みに「パパ」を演じる。　午後は、川柳教室・尾藤一泉川柳道場へ。　さらに、江戸東京博物館の館長・竹内誠先生への訪問。　　　　竹内先生は、江戸の専門家。よく川柳に通じており、2時間の面談中、まったく話が尽きず、専門の川柳研究家を自負する私にとっても、川柳周辺の江戸学、および川柳の解釈・提供方法という面で、多くの示唆を受けた。お話を伺っていた学ぶものがある方は、人生にとって大切な「先生」である。　川柳界には、多くの先生がいるが、なかなか学ばしてもらえる内容をもつ先生は寡い。　そんな点で、この2時間は、あっという間に過ぎた。　川柳学会において中村先生からご紹介を受けてのアポイントであったが、江戸発祥の川柳という文芸が250年になったことに、とてもご興味を示され、江戸の川柳作家についても調べていきたいと仰られ、江戸における川柳の位置づけについて、また、別の角度から多くのご教授を頂いた。深く御礼申し上げたい。　夜は、三柳の見舞いに…。　我侭…というより、仕事をする上で必要な個室がやっと提供され、病室を移っていた。　まだまだ、体の機能が安定せず、医者も対処療法だけのその場しのぎの段階で、手放しで安心できるとは言わなかったが、すでに立って階下のコンビニに好きなものを買いにいけるまでに回復した。　今日は、脇屋川柳先生がお見舞いに来たということで、本人は、殊のほか嬉しそうであった。　　　　孫の入学式に出て、写真を撮れなかったことを悔やんでいたが、ランドセルを背負って見せに来た孫に目を細めていた。　私は、本日見舞いをサボって原稿書きに集中したお陰で、レギュラーの原稿を終えることができた。やっと、『川柳総合大事典』に集中できる。　台東の博柳センセイが、どんどん川柳250年の行事を周辺に広げ、台東区での川柳熱は、発祥の地の気概とともに、高まっている。私も、脚を引っ張らぬよう、少しでも追いついていきたい。　みなさまに御礼申し上げるばかりです。

  2007年04月07日

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  先生とよばれて馬鹿になりきれず

  　昨日は、三柳の緊急入院とラジオ収録ということが重なり、三柳の様態が安定したことから、ホッとしたのか、私のほうが帰ってから何も出来ず、死んだように眠ってしまった。　余計なことをブログに書き込んだので、多くの方々にご心配とご迷惑をお掛けしてしまった。　　この場を借りて、多くのお心遣いに感謝申し上げますとともに、ご心配をお掛けしてしまったことをお詫びいたしたいと存じます。ありがとうございました。　お陰をもちまして、三柳のほうは、多少の我侭が出るほどに回復。レギュラーの川柳選句も消化しており、家人としてもホッとしています。　私の方では、ＦＭラジオで川柳の話をしてほしいという依頼があり、川柳250年を周知する絶好のチャンスと、現在の仕事量も顧みず、二つ返事で引き受けてしまっていただけに、キャンセルするわけにもいかず、徹夜に近い看病と帰ってから収録までは事典の編集作業を行い、久しぶりの二日続きの徹夜をしてしまった。　依頼をいただいた番組は、残念ながら東京圏では聞けないそうだが、ＦＭラジオの井門宗之パーソナリティーによる＜今週のおれ～仕事や人生のキャリアをデザインしてみよう♪～＞という番組で、パーソナリティー自身がいろいろなテーマに挑戦するというもの。それで「川柳が作れるようになりたい」ということで、私が呼び出された。　4月中、4回にわたり放送されるという。国会前から半蔵門への桜を見ながら、ＪＦＮのスタジオへ入った。　　　　　　　　　　　短い時間の番組であり、川柳を体系的に語るような構成は望めないが、川柳の楽しさが少しでも伝われば…ということで、眠い目を見開き、崩れかける思考をシャンと整えながら、約1時間半の収録を行った。　パーソナリティーの井門さんは、30歳になったところ。「もっと大人になりたい」ということで、いろいろなテーマに挑戦しつづけるという。　見かけは、「今時の若いもの」―私が年を取った証拠か―　で、シャベリも〈お調子者〉のようだが、実際に打ち合わせにはいると、リスナーの心を常に気遣う立派なオトナ。いかにリスナーに元気を与え、楽しい時間を持ってもらうかということに心を砕く。話していて、ずっと年下でありながらも、学ぶべき大きなものを持った人物であると嬉しくなった。こういうヒトと仕事ができるのは何よりも嬉しい。　また、川柳を作れるようになるよう、4回に分け、川柳の概要の解説やコトバのトレーニングの「上五捜し」などクイズを行ったが、そのたんびに「今年は川柳発祥250年です」と弾んだ声でマイクに向かう彼の姿を見て、目を細めながら、在り難く思った。　最後に、平成万句合の課題「太陽」に井門さんにも挑戦してもらった。スタジオ内での＜３分間吟＞である。　　　太陽の欠片を配るアプローズ　　宗之　わずか、1時間ほどの間に、見事川柳としての一句を得た。　パーソナリティーのコトバは、リスナーにとって太陽の欠片であり、ピースとしてコトバに太陽を載せてリスナーへ。川柳作家・井門宗之の誕生である。　僅か十七音に、ニンゲン社会の本質を切り取る川柳という文芸。この句には、ラジオパーソナリティー井門宗之のある一断面が描かれた。こういうものが川柳であり、句会や大会で抜けたとか大賞をとったなどといっている競吟では、ホントウの川柳の良さは中々得られない。ニンゲンそのものの一断面を十七音に切り取って、はじめて川柳という文芸に価値が生じる。　彼が、収録後「いやあ、今回の川柳は面白かった…」と言ってくれたことが、私にとっては大きな収穫であったが、井門さんの声を聞いたリスナーが、同じように思ってくれることを願う。　ついでに、もうひとつ井門さんを褒めてしまうが、どこぞの放送局のアナウンサーと違って、川柳作品の披講が実に上手かった。これに感激した。川柳は、活字で作品を見る場合もあるが、本当の良さは、耳から入ってくるもの。十五世川柳もよく仰ることだが、江戸川柳の良さは、江戸語の耳から入る調子にあるということと重なり、披講しだいで、句はよりよく聞こえてくる。某放送局では、あまり感情を入れないように単調に読むことを良しとしているようであるが、私は、個人的見解として句の内容に合った感情移入による披講も重要と考えている。　今日は、そんな意味でも彼の披講を惚れ惚れと聞いていた。　収録を終えると、もう一本撮りたいという。　外は、突然の雷雨。白雨に前が見えないような天候の中、私も何も見えぬままキングレコードに連れて行かれる。内容について何も明かされぬまま、「相手は24歳の美人だ」ということだけで来てしまった。　ここで依頼されたのは、インターネット放送の収録。「女の子が川柳を作って待っている」という。恐る恐る案内された先では、突貫工事で事務室の一角で撮影準備が行われていた。映り込む場所以外は、道具倉庫といった雰囲気。丸テーブルと二つの椅子が置かれている。車に積載していた川柳250年の幟を取りだすと、「イイ、イイ。これいけますよ」と和解スタッフがテーブルの後ろの柱に貼り付けた。　彼女は、片方の椅子に腰掛け、イメージの中に入っている。　　「彼女が川柳を作って来たと言ってますから、コテンコテンに批評してやってください。あとは、彼女が流れを知っていますから、適当に答えてやってください」　とだけ言われ、カメラが廻り出す。　どうも、この番組のタイトルは「Cafe De Uemura」というらしい。また、彼女は「キングレコード所属のウエムラカナでーす」というので、「カナさん」というらしいことがわかった。番組が進み、空いた椅子に座らせられる。　「今日は、川柳家のビトウ・イッセンせんせいをゲストにお迎えしてまーす」　と、よく判らないまま、カメラはどんどん廻る。大勢の人前に立って講義や講演という準備した話をすることには馴れている私も、よく判らないまま、可愛い女性の前に座らされ、とてもチャーミングな眸で見詰められると、ドキドキ…としてしまい、舞い上がりそう。　川柳について概略を問われ、「川柳」が250年前にこの文芸の元を作った人の雅号であったことなどを話したが、打ち合わせも無く、「わたし、川柳を作ってみたんですけど、これってイイでしょ」と出された句が、　　腹減った　口を開けば　腹減った　　花菜　であった。カメラの回っている本番中。川柳の批評では百戦錬磨のはずの私も、…コケタ。　初めて、作ったというものであり、とりあえず「五・七・五」という定型の器に収まっている。良くとれば、上五と下五を同一にし、調子を整えている。やや「開けば」に説明調の臭いが強いが、　　「いかがですう～」　と見詰められると　　「良い句ですねぇ」　としか言いようが無かった。　　「そうでしょー。わたしも、そう思ってたんです･･･」　と返され、何時もの辛口は、どこかへ往ってしまった。井門さんへは、「そこまで言いますか…」と言われるほど突っ込んだし、○○川柳会会長とか理事長なんていう肩書きだけでヘボな句を作っている川柳作家には、とても厳しい論理的批評をしていたが、私にも弱いものがあることに初めて気づいた。　シンガーソングライターという花菜さんは、さすがにリズム感のある句を作った。内容は、川柳的に見れば、まだまだ捻りが足りないということもあるが、感性が優れていて、川柳の文芸性について少し踏み込むと、すぐに理解した。そして、「川柳って面白そう…」と言った。　その一言で、私は満足だった。　ついでに、川柳250年の話題も番組内に加えていただき、私としては大きなお土産をもらった。　　　　　　　　二日続きの徹夜後のシゴトとしてはとても辛かったが、花菜ちゃんの笑顔を間近に見られた役得は全ての疲れを吹っ飛ばした。写真を見ると、我ながら　鼻の下が伸びている。　三柳が、どんな状態になっているのかということも、一瞬忘れてしまった出来事だった。　植村花菜さんの新しいアルバム「しあわせの箱を開くカギ」　を聞いて、オジサンも若い娘の音楽を学ばねば…と改めて感じた。ありがとう。　この二つの収録で感じたことは、製作スタッフの若いこと。エネルギーがあり、何かを作り出そう！　リスナーを楽しませよう！　自分達のモノを発信しよう！　という創造力に充ち溢れていることだ。　それに引き比べて、川柳界のなんと老いた世界であることか。　肩書きが欲しいとか、選者になりたいなどという狭い了見だけで、自分達の真の姿を発信しようとか、川柳の楽しさを広めようとかいうことには心を向けない世界。私は、つくづく若いことの素晴らしさを感じた。私も、もう若いとはいえない。何か出来るうちに、何でもやっておかねばいけないと思った。　

  2007年04月05日

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  川柳家　尾藤三柳 緊急入院

  　昨夜、「川柳公論」主宰・尾藤三柳が一時意識不明となり緊急入院した。　　いつもより早く自室に戻って眠りについた三柳は、4日０時過ぎ、突然意識が混濁、目を開けたままうわ言を始めた。不審に思った家人が、話し掛けても反応が無く、いびきのようなうわ言を続けたため、急遽119番。即刻駆けつけた救急隊員にも状況がつかめず、大きな体格ということもあり、三階から搬出するのにはしご車まで到着。真夜中の一時期、尾藤三柳事務所周辺が騒然とした。　　　　　　すぐに、掛かりつけのＴ大学病院に運ばれ、救急外来で処置された。　原因は、持病である糖尿病の薬により、血糖値が極めて低くなりすぎてしまったことによるものと判明。適切な病院の処置によって、1時間後、意識は回復した。　ここ2週間ほど、重症の風邪により体力を消耗、食事の量と薬の量のバランスが崩れたためと思われる。検査の結果、炎症反応が強く、肺炎を併発している可能性が高いため、そのまま入院となったが、寝てから以後のことは、何も覚えていないという。　ただ、夢の中で、機械がうなりをあげている中を彷徨っていたという。「ちょうど、チャプリンの映画の一場面のようだった…」とは、意識が戻ってからの感想だったが、ポツリと「新子が脚を引っ張りに来たみたいだった」と、先日亡くなられた時実新子さんのことを語った。三柳にとって、同い年であり、同じ昭和50年に新しい川柳の旗を振るべく立ち上げた東西の僚友である新子氏。その一人が先に亡くなられてしまったことを、心の深くで強く意識していたようだ。　　　　　　意識がしだいにしっかりしてきて、私ども家人は、ホッと胸を撫で下ろしたが、先日ある人から電話を頂いたときの「三柳先生は川柳会の長老…」という言葉を思い出した。三柳は、川柳界において「若手」として歩んできたが、何時の間にか社会での印象は「長老」になってしまったようだ。　現在『川柳総合大事典』の編纂作業を行っているが、私は体力で編集をしている程度であり、その内容については、まだまだ三柳の＜監修＞・＜校閲＞なくして世に問うものはできない。　川柳発祥250年の記念すべき日も近い。　もう少し、現役で我々をリードしていてほしいと、つくずく感じた。　

  2007年04月04日

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  『川柳総合大事典』第一回配本　＜川柳用語編＞出来

  　ほんじつ、『川柳総合大事典』＜川柳用語編＞の見本が届きました。　苦労した甲斐があり、その重みをしばらく手に受けて楽しみました。　　　　　　　発行日は、3月30日となっていますが、現在印刷製本中とのこと。発売は、少し延びそうです。　川柳250年記念出版ということで、出版社にも無理をいい、また、自分の処理能力を超えてしまっているため、発刊予定については、各方面にご迷惑をかけておりますが、現在の川柳知識の体系付けがあるていど行われるので、これからの川柳指導の大きな指針になるだろうと思われます。　門前の小僧も30年という耳学問を、忘れないうちに活字化するという機会を得て、大いに満足しています。体調の悪さも、出来した本を手にすると、すこし楽になるような気がします。　多くの川柳家先達にもお力添え頂いた結果であり、この場を借りて、まず御礼を申し上げます。　次は、＜人物編＞の編集中ですが、資料に当たれば当たるほど新事実が出てきて、なかなか筆が納まりません。どこかで、限をつけることを考える時期に来ています。あとは、三柳の見識に下駄を預けるべきなのかもしれません。　いずれにせよ、今日は、うれしい・うれしい一刻を過ごしました。　　門前の道あしあとに花ひとつ

  2007年03月31日

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  川柳250年幟

  　川柳250年の幟ができています。　川柳250年関連行事において、使いたいという要請があるところへ、お送りしています。　　　　　　我家の玄関にも立ててみました。　本日は、とても風が強く、「川柳250年」が翩翻と翻るのを見て、いよいよ川柳の風が向かい風から追い風になるのを感じました。　私事ですが、夜なべが続いて体調を壊し、節々が痛む風邪に悩まされています。　しかし、今ここで、倒れるわけにはいきません。　たとえ、倒れたとしても、竜馬の口癖のように「前向きに倒れる」よう心掛けたいとおもっています。　仕事量は、完全にオーバーワーク。　頭が火照って、60％の処理能力で何とか進んでいます。　「ふあうすと」の中川一先生から「矢車」3号に六厘坊の写真があることを伺い、本日、これを入手しました。明治の雑誌は、通常1冊1000円程度ですが、このたびは、所蔵している号も含めて6冊を28000円で購入しました。大阪の市立図書館まで見に行くことを考えれば、六厘坊に逢うのには安い買い物だったかもしれません。　私が見ていると、また、半分破れかけた古雑誌に大枚を出したことで、女房は大いに呆れていましたので、「お前にも何か買ってやろうか？」と言ったら、「私より逢いたい人に会えて満足でしょ。それでいいんじゃない…」と、半分はこの道楽を認めているようでした。　『川柳総合大辞典』の充実と「目で識る川柳250年展」の充実のため、昨年から今年にかけて随分使いました。今のところ、それに見合う収入がないのが玉に瑕ですが、やれる時にやっておかないと悔いが残りそうで、流れに身を任せているばかりです。何時の日か、結果が出てくれれば、それでよいとも思っています。　それにしても、しんどい…。

  2007年03月30日

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  台東区が川柳でいっぱい

  　川柳が興って250年の今年、発祥の地・台東区では、街中に川柳が浸透している。現在、初代川柳が居住していた浅草地区では、1月の東京東信用金庫・三筋支店、3月からはじまった合羽橋中央通り公西会商店街の〈平成万句合〉募集とフラッグによる川柳250年の飾り付けに続いて浅草四郵便局、台東千束郵便局で台東川柳人連盟による川柳展が行われている。　　　また、初期川柳作家の中心的地域であり、また、『誹風柳多留』の版元、花屋久次郎の店があった下谷地区では、住友信託銀行・上野支店と世界湯において、同じく台東川柳人連盟による川柳展が行われている。　　　窓口業務の待ち時間に、風呂上りのくつろいだ時間に川柳を楽しみ、にやりとしているところを見ると、川柳を展示する苦労は一気に吹き飛ぶ。　　　　　　　　　　　　人間社会の一場面を切り取った川柳のユーモアは、別に川柳を嗜むことがなくても、共感を誘っている。　　これらの展示は、場所と内容を変えながら「川柳イヤー」と位置づけた今年いっぱい、各地各所で行われる。川柳250年の行事は、発祥の地・台東区を中心に多くの団体・企業に後援され、盛り上がってきた。　どうぞ、みなさん、川柳の楽しさを味わい、また作句にもご参加ください。

  2007年03月27日

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  川柳250年　川柳公論表彰句会

  　川柳公論表彰句会が昨日、東京都北区王子の北とぴあで開催された。　「川柳250年」の今年、大きな集まりとしては最初の行事で、例年の公論句会とはまた一味異なった雰囲気ですすめられた。　　　　　挨拶に立つ三柳の口からも、川柳250年の歴史と誇りが語られ、また、短話「川柳の５つの危機」においても、これまで川柳が遭遇した試練とそれを乗り越えてきた「川柳」という文芸の根づよさについてしみじみと触れられ、今日川柳があることの愛おしさを改めて感じた。　「川柳公論」における今年の表彰は、創作部門の＜極北賞＞は北海道の櫟田礼文さん（写真右）、課題部門の＜蒼塔賞＞は、東京の山口早苗さん（写真左）が受賞した。　　　　　　　　　　　　　　　当日の句会では、埼玉の佐藤美文氏が病気療養のため急に選者を交代したが、新潟から「柳都」主幹で川柳界における大きな指導者・大野風柳氏（写真左）や先日の川柳学会で「川柳の国際化」の基調講演を行った速川美竹氏（写真中央）が選に立ち、独特の披講で会場を盛上げた。風柳氏は、披講に先立ち、川柳の句調の変遷と選者の重要性、また、指導者を育成する必要性について触れられ、川柳250年という節目であり、転換点でもあるような今日の川柳界を総括した。佐藤美文氏の代選として選者という大役を仰せつかった私（写真右）は、この場を借りて「川柳250年」事業への皆様の協力に感謝した。　　　　　　　　　　　懇親会には、台東区（川柳発祥の地）で川柳を広めている台東川柳人連盟の会長・大川幸太郎氏と内田博柳氏、藤井未成氏が仕事を追えて駆けつけ、「川柳250年」への期待と、地元台東区での川柳の盛り上がりについて挨拶があった。これからの川柳250年中央行事では、このご三方を筆頭に地元川柳界には、大きなご負担をかけることが予想され、改めて力添えをお願いするしだいである。　　　　　　　　　　　　　また、来賓挨拶に立った松井文子氏からは、私に対する過分な評価をいただき、立って伺っているのが恥ずかしい思いがしたが、この小さなブログから発信される川柳に対する思いの一片をしっかりと受け止めておられる方が居るのだということを再認識し、心強く思うとともに、この大きな事業をやり遂げなければならないという使命感を感じた。　川柳をもっと社会に発信したい。ひとりでも多くの方に川柳への興味を持ってもらいたい。また、ひとりでも多くの方に川柳を楽しんでもらいたい。…という思いから、この川柳250年という事業が川柳界にとって大きなチャンスと思い、賛同いただいた方々の多くの支援を受けながら、力不足を囲い実行委員会を結成し今日に至っている。願わくば、川柳への愛情と誇りをもつ方々の更なるご支援と、実行委員に参画していただき、川柳を大きく発信していく輪のひとつになっていただきたい。　改めて、このブログに興味を持たれた方々に「川柳250年」への参加をお願いするしだいである。　ぜひ、私にメールでお知らせください。　

  2007年03月22日

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• 3月21日　川柳公論表彰句会で「川柳5つの危機」講演

  　川柳250年を記念して、＜川柳公論表彰句会＞が3月21日に行われます。　川柳250年を振り返り「川柳の五つの危機」というテーマで主宰の尾藤三柳の柳話が行われます。　この川柳節目時期に、のみなさまのご参加をお待ちいたしております。日　時　：　2007年3月21日（春分の日）正午開場会　場　：　北とぴあ　http://www.doctor-senryu.com/04_kyousitu/hokutopia.html　　　　　　　　JR京浜東北線、地下鉄南北線、都営バス、電車　　　　　　　　とも王子駅前下車徒歩2分会　費　：　2000円（記念品）　＊発表誌別1000円宿　題　：　各3章（表現自由）　　　　「家　内」 　　新潟　・　大野 　風柳 選　　　　「喜　色」 　　本社　・　尾藤　 一泉 選　　　　「多　彩」 　　東京　・　成田 　孤舟 選　　　　「留　意」 　　東京　・　速川 　美竹 選　　　　「木　綿」 　　本社　・　山本 忠次郎 選特別課題：1章　　　　「先　祖」 　　本社　・　尾藤 　三柳 選席　題　：　３題当日発表　各2章（極北賞、蒼塔賞作家ほか選）〆　切　：　午後2時　賞　　 ：　各題特選・秀逸・お楽しみ賞短　話　：　「川柳五つの危機」　尾藤 　三柳　　句会終了後、別階にて懇親会（6000円）を開催します。

  2007年03月19日

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  <平成万句合>募集　合羽橋は大賑わい

  　3月5日より＜平成万句合＞の募集がはじまった。各吟社・地域を募集拠点として、川柳作品を一般から募集、十五世川柳号を継承した脇屋川柳氏を選考委員長に、尾藤三柳氏、大野風柳氏、斎藤大雄氏など名の日本を代表する選者が作品を選考する。　課題は「太陽」で、応募は自由。各取次（作品を集める場所・各吟社、協賛商店街など）のポストに、作品と住所・氏名・年齢を書いて応募するだけ。応募は、無料です。懸賞として、特選句には10万円、優秀賞には5万円、佳作賞1万円などのほか、募集の地域ごとの特別賞（かっぱ橋本通り公西会では＜かっぱ賞＞など）があり、ジュニア作品にも奨励賞がある。　商店会挙げてこの行事を応援する、川柳発祥の地に近い＜かっぱ橋本通り公西会＞では、スーパー・武蔵屋、森本ふとん店、萬藤仮店舗およびテプコ浅草館に投句箱がおかれ、一般からの作品を集めている。　　　　　　このほか、インターネットサイト「川柳250年」の投稿フォームや公募ガイドにて携帯電話からも応募できる。　主催は、川柳250年実行委員会。締め切りは、6月25日。発表は8月20日、表彰式は、8月25日の川柳250年式典会場にて行われる。

  2007年03月19日

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  川柳250年会長・吉住弘氏　台東区長に当選

  　2007年3月18日、台東区長に立候補していた川柳250年会長・吉住弘氏は、「住んで良かった街に」を掲げてに再選を果たした。　台東区の文化事業にも深い理解を持ち、同所発祥の川柳についても積極的に支援していた。　記念行事のひとつ、「川柳発祥の地」記念碑建立では、揮毫をいただく予定になっている。　　実行委員一同より「おめでとうございます」を心から申し上げます。　　　　　　　　（東京新聞より転載）

  2007年03月19日

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  哀悼・・・現代川柳の巨星　時実新子　没

  　哀悼　　現代川柳の雄・大きな柱であった「川柳大学」主宰・エッセイストの時実新子女史は、本日10日午前5時15分、肺ガンのため亡くなられた。享年78だった。　本名・大野恵美子。昭和4年1月23日岡山生れ。　県立西大寺高等女学校卒後、17歳で時実雅夫と結婚。　昭和29年、25歳より川柳をはじめ、《神戸新聞》（椙元紋太選）などに投句の後、昭和32年より川上三太郎に師事。13年間川柳研究社に籍を置く。　昭和38年の処女句集『新子』以後、『花の結び目』、句集『月の子』、『時実新子壱萬句集』などを発表。　昭和43年、三太郎没後は、「川柳ジャーナル」創立に参画、昭和49年にここを脱会して、翌昭和50年5月、「川柳展望」を創刊・主宰。同時期、東京では尾藤三柳が「川柳公論」を創設・主宰し、東西で同時の新しい川柳の台風として話題を呼んだ。　昭和62年の『有夫恋』で文壇デビュー。ベストセラー作家に名を連ねる。　川柳界のカリスマ的存在は、異色の存在感があり、その作品も女流川柳に大きな影響を与えた。　　平成8年には、「川柳展望」を主宰が飛び出し、「川柳大学」を創刊するなど、驚かせることもあったが、その存在感は年をとっても変らなかった。　私が最後にお目にかかったのは、川柳公論30周年記念大会の席上（写真）であり、いまだ矍鑠としていたが、昨年、川柳250年を翌年に控えた7月、川柳250年事業に参画をお願いしたときは、喜んで受けていただいたが、その年の10月、体調が悪くなったので、私を外して欲しいという丁寧な私信をいただき、私にとっては、これが最期のお言葉になってしまった。　決して女の情念だけを曝け出す作品ばかり作っていたわけではない。それが、外からは目立っただけで、川柳家として社会を見据える目は、句会だけを渡り歩いている川柳作家と異なり、真の文芸精神を備えていた。　　平成７年１月１７日　裂ける　は、阪神大震災の時の句であるが、時事の中に「その時」の作者の心の揺れが結晶している。　なかなか、言えそうでいえない句。　川柳250年を、一緒に越えて新しい時代へ行きたかったが、残念でならない。　大きな川柳の柱が一本倒れてしまった。大きな柱が少なくなってしまった今日の川柳界で、新子さんの死は、失ったもののあまりの大きさに、ポッカリと穴だけが残ってしまった。　　新子さんのご冥福を祈るとともに、これまでの有形無形の目に見えぬ大きな指導に対し、心から感謝の意を表したい。　　悼　ピリオドがひとつ　埋まらぬまま明ける　　　一泉　

  2007年03月10日

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  川柳の雪崩に埋まる雪不足

  　久しぶりに二日連続の徹夜。といっても１日目は3時間ほどソファーでうとうとしていた。　１日、ゆっくりと寝たが、時間不足はいなめず、今日も徹夜になりそう。　遊んでくれないパパを、娘が恨めしそうに写真を撮った。　二台のパソコンの画面で、原稿と資料および編集画面を比較しながらの編集作業。　４冊の事典の編集という、これまでにやったことの無い仕事量と、気を使う事実調べに釘付けになってしまっている。やってもやっても仕事が次から次から出てくる。　　　　　　　それでも、一冊目の＜用語編＞を入稿。　とりあえずホッとしたが、これに掛かりきりになっているうちに、レギュラーの仕事がすべて後手後手になってしまった。関係諸氏には、この場を借りてお詫びいたします。　自分の遣り甲斐と娘の満足は一致しない。娘のためにも時間を割かねばならないと思いながらも、外との約束を果たすということが中心になり、遊んでもらえない子供は子供なりに傷ついてしまいそう。　遊ばないのは、お前が嫌いだからじゃない。　もう少し、パパに時間を貸して欲しい。　川柳250年の事業が成功し、川柳がもっと社会に広く興味がもたれるようになったら、パパはあまねとゆっくり遊ぼう。それまで、少しの辛抱をしていてほしい…。

  2007年03月07日

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  オリックス・マネー川柳　大賞決定…

  　　　　　オリックス・マネー川柳の選考委員会が三田NNビルの同社で開催された。　85098句という応募数は、かつての＜サラ川＞の　69863句（平成5）や＜遺言川柳＞の60000句（平15）を大きく上回っており、手元のデータだけからの私見であるが、公募川柳では最多の集句を集めたのではないか。　川柳発祥250年という節目の年に、このように多くの方が川柳行事へ参加していただいたことは、単に選者という立場だけでなく、一川柳家として嬉しさが倍増する。　さて、マネー大賞・賞金20万円の行方を選考委員一同、真剣な討議が行われた。結果は…　　　　　　　　　　　　↓　言いたくてたまらないのですが…、発表は3月9日ということで、お楽しみに。　さすがに、多くの集句があった分、昨年よりもレベルが上がり、さらに激戦になった。そこで、去年のように大賞作品がすんなり決まらなかった。　今年は、ボーナスや宝くじ、ネット株、年金、お年玉、へそくりといった「マネー川柳」おきまりのテーマの他に、2007年問題のひとつである「団塊」という切り口や、政治がらみの「美しい国」、「北の核」、「談合」、「そのまんま」など時事作品も多くみられた。　また、スポーツがらみのテーマでは、ダントツに「松坂」の句が多かった。「イナバウアー」も人気で、マネー川柳として明るいテーマを提供してくれたが、今年の大賞は、その中から身近でありながら迫りつつある新しいテーマの句が選ばれた。　特徴的だったのは、候補に上がった作品のほとんどが50代の女性作家の作品で占められ、熟女パワーを見せ付けられた感があった。　女性が元気な国は、繁栄すること間違いナシで、景気回復基調の今後の経済情勢に期待したい。小泉改革の成果が、新政権に受け継がれて、花開くようになれば、社会を映す鏡である川柳もいよいよ絶好調になるだろう。　川柳250年にご協賛をいただき、このマネー川柳という機会で、川柳250年を社会に向けて大いに発信していただいたＯＲＩＸ社に心から御礼を申し上げたい。　応募くださった、たくさんの皆様にも、この場を借りて深く御礼申し上げますとともに、今後とも川柳への興味を深めていただけますよう、お願い申し上げます。　

  2007年03月01日

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• 川柳250年　川柳公論表彰句会　開催

  　川柳公論の句会が行われます。　本年は、川柳発祥250年を記念して、尾藤三柳主催の「川柳250年の意義」という講話があります。　川柳250年をともに祝うため、ご参加ください。　川柳250年記念品、グッズ、書籍なども即売いたします。日　時　：　2007年3月21日（春分の日） 正午開場会　場　：　北とぴあ　　　　　　　　JR京浜東北線、地下鉄南北線、都営バス、電車　　　　　　　　とも王子駅前下車徒歩2分会　費　：　2000円（記念品）　＊発表誌別　1000円宿　題　：　各3章（表現自由）　　　　「家　内」 　　新潟　・　大野 　風柳 選　　　　「喜　色」 　　埼玉　・　佐藤　 美文 選　　　　「多　彩」 　　東京　・　成田 　孤舟 選　　　　「留　意」 　　東京　・　速川 　美竹 選　　　　「木　綿」 　　本社　・　山本忠次郎 選特別課題：1章　　　　「先　祖」 　　本社　・　尾藤 　三柳 選席　題　：　３題当日発表　各2章（極北賞、蒼塔賞作家ほか選）〆　切　：　午後2時　賞　　 ：　各題特選・秀逸・お楽しみ賞短　話　：　「その日の八右衛門」　尾藤 　三柳　　句会終了後、別階にて懇親会を開催します。

  2007年02月26日

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  種火から江戸が燃えだすカワヤナギ

  　午前中は病院の待合で、久しぶりに他人の句集に目を通す。　『川柳総合大事典』の編纂・編集に明け暮れ、監修者・三柳からの苦言をいちいち調査しなおし、また、一旦は終了とした後に追加項目を頂き、単なる書籍の編集業務とは異なった、複雑な作業が錯綜し、まったく余裕がなかった。　ご心配をいただき、メールや電話で健康に留意するよう指導されるが、おかげさまで、緊張感のせいか、体調は良い。多少問題があるとすれば、指一本でキーボードと闘うため、右の指から手首にかけて少し痛いのと、肩の凝りぐらいである。1年前の精神的鬱の各症状からすれば、断然の復帰といえるだろう。　もう3年になる担当医の先生も、「まあ、薬だけ続けましょう…」というだけで、診療は３分ほど。　　　　　　　　　　　川柳250年の東京都からの後援は、初めて台東区から後援の文書を頂いた時と同様、川柳という文化が認められたという実感が得られ、嬉しいものがあった。　いよいよ「平成万句合」などの本格的行事がスタートする。　　川柳発祥250年を発信するという小さな種火は、多くの方々のご理解とご協力により、川柳発祥の地・台東区を動かし、さらに川柳発祥の都・東京都をも動かした。　明治以降の新川柳は、全国のもとのなった。　この川柳の火の手が、日本中に燃え盛り、多くの方々の興味を川柳に向けられれば嬉しいと思う。　　種火から江戸が燃えだすカワヤナギ　　一泉

  2007年02月20日

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  特選賞金10万円ほか　「平成万句合」（公募川柳）の募集が始まります

  　　　　　　　　　　　　＜川柳250年 平成万句合＞　川柳という文芸のはじまりは、初代柄井川柳により行われた前句附の川柳評万句合でした。川柳発祥250年を記念して、川柳家および一般参加部門としての公募川柳を平成万句合と名づけました。参加費は無料。参加者の制約、応募句数の制限はありません。Webサイト上、専用用紙、官製ハガキおよび取次（協賛各社の投句箱）で応募できます。受賞、入選作品は『川柳250年の記録』という書籍で刊行され、全国の図書館、書店などにて検索、購入ができます。　　　募　　集：2007年3月5日～6月25日　　　　　　　　6月25日消印有効、6月25日投句箱締切、6月25日24時Web締切　　　発　　表：ウエブサイト上（8月25日）および『川柳二五〇年の記録』　　　表　　彰：2007年8月25日、川柳250年式典（第2部）　　　主　　催：川柳250年実行委員会　　　課　　題：　「太　陽」　（表現自由）　　　懸　　賞：　　１ 川柳250年 平成万句合　大　賞　　10万円 １句　　　　　　　　　　２ 川柳250年 平成万句合　優秀賞　　5万円 ３句　　　　　　　　　　３ 川柳250年 平成万句合　佳作賞　　1万円　　10句　　　　　　　　　　４ 川柳250年 平成万句合　奨励賞　　5000円　 10句（18歳未満）　　　　　　　　　　５ 川柳250年 平成万句合　入選句　　記念品　　200～300句　　　　　　　　　　６ その他協賛企業特別賞(かっぱ賞1万円ほか)　　　選考委員：（年齢順）　　　　　　　　選考委員長　　脇屋 川柳　（十五世川柳、川柳学会会長）　　　　　　　　　　　　　　　　　礒野いさむ　（全日本川柳協会常務理事・番傘川柳社主幹）　　　　　　　　　　　　　　　　　大川幸太郎　（全日本川柳協会常任幹事・台東川柳人連盟会長）　　　　　　　　　　　　　　　　　大野 風柳　（全日本川柳協会常務理事・柳都川柳社主幹）　　　　　　　　　　　　　　　　　尾藤 三柳　（日本川柳ペンクラブ理事長・川柳公論主宰）　　　　　　　　　　　　　　　　　斎藤 大雄　（全日本川柳協会常務理事・札幌川柳社代表） 　　　投句先・ごお問合せ：　　　　　　　　　　　＜郵便＞ 〒114‐0005東京都北区栄町38－2　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　川柳250年実行委員会「平成万句合」係 　　　　　　　　　　　＜Web＞ 　　　　　投句フォーム 　　　　　　　　　　　＜投句箱＞ 協賛各社が取りまとめて投句してください。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　取次（募集媒体）各社ごとに一定の入選率で選出され、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その中から各賞が決定します。　　　後　援：文化庁（予定）、東京都、台東区、台東区教育委員会、《東京新聞》、　　　　　　　浅草観光連盟、天台宗龍宝寺、（社）全日本川柳協会、読売日本テレビ文化センター　　　　　　　朝日カルチャーセンター、ときめきたいとうフェスタ推進委員会、　　　　　　　浅草ビューホテル、浅草酒販連合会、浅草菊屋橋飲食業組合、新葉館出版、ほか　　　協　賛：日本川柳ペンクラブ、川柳新聞社、合羽橋本通り公西会商店会、からくさ彫刻学苑、　　　　　　　ほろほろ忌川柳俳句会、たばこと塩の博物館、ＯＲＩＸ、栄久堂、青龍舎、　　　　　　　テプコ浅草館、玄武堂企画、ほか　川柳250年の祝賀に参加する意味でも皆様のご投稿をお待ちいたしております。　川柳250年の現代に、節目の名句として残るような作品を期待いたしております。

  2007年02月19日

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• 『川柳総合大事典』用語編－編集完了

  　『川柳総合大事典』の用語編の編集が2週間遅れで完了。　やっと本格的校閲段階となった。　執筆者から次々送られてくる原稿を他所に、一冊目を完成させることに重点を置いたので、2冊目以降は手付かず。大きな時間的試練が圧しかかってくる。　「川柳公論」174号が印刷を挙げて届く。　公論の発送も迫ってきた。　また、合間を見て川柳250年のチラシを主要吟社へ発送。挨拶状や各個事業案内、関連ニースなどの印刷で２台のプリンターがフル稼働。しかし、またインク詰まりの現象が現れて、ことごとく印刷速度を下げないと上手くいかないので、効率が悪い。これも合間を見て、ネットオークションで新機種を落札。　ともかく仕事が重なり、パニック直前の様相。何とかやっているのは、一つ一つ片すしかないという割り切りの心情で、これがサラリーマン時代のような部課長クラスだった場合には、責任を感じすぎて心療内科てき症状に悩まされたろう。　心療内科には通っているものの、忙しいおかげで気が張り、症状は全く出ていないのが救われる。　川柳250年の節目だからこそ、このような川柳知識の体系化が重要であり、このチャンスを逃したら出版社も、ポンポン売れるような書籍でない専門的学術の書を刊行しようなどとは決断していただけなかったろう。そんな意味でも、この事業には手を抜くわけにはいかない。　幸い、多くの方々が理解してくれて、執筆の労をとってくれている。また、編集委員会の参謀総長のおかげで、私の仕事も編集と執筆に集中できる環境ができている。手を合わせるしかない…。　明日は、病院。あさって、明々後日には来客予定。　取り急ぎ、最終のレイアウトの決定と校閲・校正に力をいれねば…。　　何時の日か、この愚痴ばかりのブログが、あの時は若くてよくやったなあ…と思えるようになることを願って、ともかく一歩前へ。　前へ。

  2007年02月18日

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  ニンゲンの貌で微笑む鬼の面

  　ＯＲＩＸ マネー川柳入選候補作品のノミネートが終わり、選者としての仕事は一息。　今日は、『川柳総合大事典』の写真資料整理と、「一泉川柳道場」錦糸町教室へ出稽古。二月目で気心も通うようになり、川柳を作るのが楽しくなってくるとともに、川柳の奥深さと難しさに気がつきはじめるころ。　踊りの会への出席で川柳教室を休もうと思ったが、朝早くに日本髪を結ってもらって、会場へ向かう途中で参加してくれたＹさん。教室が華やいだ雰囲気になった。　川柳が面白いというＹさんは、体育会系の人生を過ごしてきた半生を老いても続けられる文芸で振返りたいという。社会に好奇心を持ち、踊りや旅行会、水泳…と多くのことをこなすＹさんは多忙だが、好奇心旺盛の性格が川柳に向いている。　まだ、思いがコトバとして結晶せず、自分の作品を見てはがっかりしているが、物事を捉える角度さえ身につけてしまえば、これまでの多彩な人生が一気にコトバとして作品化するだろう。　　　　　　　　　　　まったく初めての方々に接するのは、私にとっても出し惜しみがなく川柳を伝えられ、スポンジのように吸収してくれるのを目の当たりにすると、日頃の疲れも吹き飛ぶ気がした。　わたしも、自らを磨いておかないと直ぐに追いつかれそうで、それもまた嬉しい。

  2007年02月16日

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  オリックス　〈マネー川柳〉 ノミネート作品発表

  　　　　オリックス〈マネー川柳〉 ノミネート作品が発表された。応募総数85,098句というのは、公募川柳史上でも最も多い記録ではないだろうか。　私も選考するにあたり、去年の５万句強と比べても格段の疲労を覚えた。およそ３ヶ月間の募集であるため、初代川柳が10日間に３万句を閲したことからすれば、足元にも及ばないが、同想句の多い中で、佳句を選び出す作業は、半端な句会の選句とはケタが違った。　この中から厳正なる審査の結果、マネー川柳大賞ほか各賞の受賞候補であるノミネート作品が決定した。事務局をうならせたかなりの力作ぞろいであるという。　また、皆さまからの一般投票により「ＭＯＮＥＹ広場賞」を選出することになる。　是非、投票に参加して頂いて、川柳250年における最高の一句をお選びください。　お一人さま５句まで、お好きな作品にご投票いただけます。　投票受付は2月28日（水）17：00まで。　　

  2007年02月15日

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  札幌雪祭りに川柳像

  　川柳250年事業の一環として、札幌・中の島川柳会の会長・八木柳雀氏（写真向かって右から二人目）のお骨折りで、川柳発祥250年を記念した柄井川柳像が作られた。　居ても立ってもいられず、雪の札幌を訪ねた。　　　　先遣隊の子供たちが見てきた時には、暖冬の影響で「のっぺらぼー」であったというが、柳雀さんの献身的な努力により、毎日のように雪払いと修復が重ねられ、三柳はじめ東京の柳人が訪ねた時には、きれいに化粧直しがされていた。　「川柳二五〇年」の旗が目立ち、通り行く人々の目を引き込む。　柄井川柳の雪像が、雪祭りで作られた事は、私たち川柳家にとっても誇りであるが、さぞ、海を渡った柄井川柳自信も満足なことだろう。　市民雪像の応募で120の限定中117番目で当選したという。川柳翁の応援と柳雀氏の執念がもぎ取った結果である。　北海道立文学館にも立ち寄り、秋からの「目で識る川柳250年展」の打合せを行う。　素晴らしい展示スペースを提供いただき、川柳発祥以来最高の川柳展示が行えそうである。　いよいよ、川柳の年も全国的に川柳を発信すべく整ってきた。　これを機に、川柳に関わる方々、川柳に興味ある方々は、自らの川柳を社会に向かって発信して欲しい。川柳が250年経ったことを胸に、誇りをもって川柳を広めようではないか。

  2007年02月11日

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  八右衛門殿にまみえる雪祭り

  　忙しい、忙しいとブログの更新が出来ないのは、日記を止めてしまう何時ものパターンに似ている。　「病気でもしたの」とか「家に何かあったの？」などとご心配のメールを頂き、嬉しくて、涙ぐんでいました。　単に忙しいことが主因ですが、なまけ癖もついたようです。　先日より開催された札幌の「雪祭り」に、初代川柳像が公開されています。　川柳250年事業の一環として・札幌中の島川柳会の八木柳雀会長を先頭に、地元の川柳家が協力して作り上げた市民雪像のひとつ。　　　娘が札幌を訪ね送ってきた写真。　あいにくの雨で、雪像の一部が溶けてしまったそうだ。「川柳先生ノッペラボウ」という電話に予想はしていたが、せっかくの力作で、表情も表現の重要な部分だけに残念。　「Oh！　サムライ」などという外人さんも多く興味を持ったようだが、「川柳発祥250年・初代川柳像」という看板に、多くの人が、川柳という文芸に、なにがしかの興味を抱いたことだろう。　このような形で川柳を発信した試みはなく、川柳史に新しい一行を加えた。　私も明日から札幌を訪ね、雪祭りの川柳像を取材するとともに、北海道立文学館を訪ね、川柳250年事業の目玉のひとつである「目で識る川柳250年展」の打合せをしてくる予定。　川柳という文芸の250年間を総括するとともに、今後の川柳の展開を広く紹介していきたい。

  2007年02月08日

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• 二三本腕貸しとくれ千手様

  　オリックスマネー川柳の締め切りが近づいた。　１日に6000句を選考して送るとその翌日に10000句が送られてくる。　宿題が溜まるばかり。　やっと区切りがついて時計を見ると午前四時。　むかしむかし、企業戦士だった頃、そんな無茶もしていたが、あの頃は「若かった」。　1日にどのくらいの活字をパソコンの画面上で追うのだろう。　眼の芯が重い。　三柳先生は、「川柳公論」の編集を優先している。　なんとか、早く用語編を入稿しないと・・・。　編集業務は、原稿を作っているだけではない。リスト作りなどの雑用も時間が取られる。　なんて、言ってはいられない。執筆者の先生方から、原稿が届くようになった。みんなが、よい本を作ろうと協力してくれている。川柳界にとって大切なこの事業を、川柳250年を契機に与えてくれた出版社のご厚意も大切にして、結果を出さねばならない。そんな大役を頂いた立場として、弱音を吐くわけにはいかない。なんとか、次の川柳発祥300年に繋げるための礎石を、皆のお力を借りて纏め上げねばならない。　三太郎の声が聞こえる。　　「前へ！」　坂本竜馬の言葉じゃないが、倒れるなら前向きに倒れたい。　その日が来るまで…。　

  2007年01月30日

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• 愚痴ばかり溢れきそうになるブログ

  　日記代わり、メモ代わりにブログをつけはじめて随分になるが、何か大きな話題が合ったときには調子よく書き込めても、ただ仕事に追われただけの1日では、何を書いていいのか分らなくなる意。　無理に書こうとすると、出てくるのは、　　愚痴ばかり溢れきそうになるブログ　といったところ。今日も朝からパソコンに向かい、この時間まで何をやっていたのかと思うと、時間だけが過ぎ去った気がする。　文書の処理をして手紙を書き、本の編集、川柳講座のまとめ…と、かなりやってはいるのだが結果が纏まってこない。『川柳総合大事典』の項目も書きつづけているが、まだまだ底が見えない。　キャパが足りないのだろう。　　それに引き比べて、博柳さんは、次々と目標を立て、実行に移す。おかげさまで引っ張られて、どんどん広がっていく。私のキャパも広げなくては…。　川柳250年の火は、発祥の地浅草新堀端から台東区へ広がり、いよいよお江戸の領域まで熱くなってきている。どんどん燃えるものをくべて、川柳250年の火を大きくしていきたい。

  2007年01月29日

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  息抜きを犬と娘に迫られる

  　朝から編集と川柳教室の出稽古、原稿整理に追われる。　　ちょうど、パソコンに飽きが来るころ、犬が用足しを迫り、また次に飽きてくるころ、娘がスケートをせがむ。　　　　　　　　　　　私にとっては、ちょうど良い気分転換。　四六時中川柳に浸かるのが夢だったが、実際にその状態になると辛い。　ニンゲン、何にしてもホドホドが一番なのかもしれない。

  2007年01月28日

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  川柳 トリプルヘッダー

  　たばこと塩の博物館主催「たばこと塩にまつわる川柳」の表彰式に出席。　最優秀賞は　　喫煙所思い思いの方を向き　　遊歩　であった。初めて作句したという遊歩さんは、たばこと塩の博物館の見学の際にこの催しを知り、帰りの駅のプラットホームでこの情景を目にし、その場で句を得たという。　表現技巧的には、技術やコトバを駆使しているわけではないが、作者のしっかりとした視線が、喫煙者が追いやられ隔離された風景を的確に捉え、現代の世情を見事に言語化した。川柳とは、単に技術を競う句会の句だけではないことが、この一句からも伺える。　遊歩さん、館長さん、選者・三柳を中心に受賞者の記念撮影。　　　　　　　表彰式が終わると、とんぼ返りで朱雀会へ。東海道五十三次を現代川柳で読むという課題。　日本橋から、提出される作品を三柳の捌きで宿ごとに一句を決めていく。　　日本橋　　カーナビの起点は今も日本橋　　　正治　を振り出しに、　　品　川　　飯盛りの灯りが滲む屋形船　　　早苗　　川　崎　　税の無い寄進で肥る大師様　　　正治　　神奈川　　アメリカが最初に愛でた袖ケ浦　　　一泉　　保土ヶ谷　頂上はマンションばかり権太坂　　　和美　　　…　と、ひと宿ずつ句が決まる。　俳諧の連句とは少し趣が違うが、同じ宿を読んでも各位の視点が異なり、それなりに面白い。　連続して候補に上がる人、一句もかすらぬ人など、一喜一憂。　掛川を前に今日は、日坂宿までで終える。正月の記念撮影。　　　　　　朱雀会を終えると、会場を変えて川柳公論の委員会。3月の川柳250年川柳公論表彰句会を前にしての打ち合わせ。　さすがに疲れて帰ったが、本日の記事を「川柳公論」に載せるための原稿作り。　一時期の「鬱症状」は、忙しさに紛れてどこかへ消えてしまった。また、持病の腰も、思ったより状態が良く、忙しさ様様といったところ。　その分、土曜日曜にかまってやれない家族の方が「ウツ」気味。もう少し、パパは川柳に時間を割かねばならないので、ガマンしていて欲しい。埋め合わせは、後日まとめて…。　　二〇〇七川柳三昧句三昧　ブログの愚痴も読んでいてくれる方が、励ましてくれた。　ブログに書くだけでも、いいストレスの解消法なのに、声をかけていただいたカタルシスは、いい句ができたときのように心地よいものがある。　　

  2007年01月27日

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