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カテゴリ:ハピネス
鯖の缶詰に種類があることを知った。 マルハの月花というシリーズは、旬の鯖を使っているそうだ。 そんなことを酒屋店主に伺う。 食べると、確かに違う。一般に売られている鯖缶はパサパサに思えてしまう。 これは、油の乗り具合も別格なしっとりとした美味しい鯖缶だった。
マスヤ(桝屋)という酒屋が、蔵前橋通りにある。 この酒屋では、歴史の中で重ねられたこだわりのつまみが置かれている。 酒も店主が自ら飲んだものが売られている。 酒も肴も全てこだわりがあり、面白いのだが、なによりも店主の語る昔の小岩についてが一番楽しい。
小岩がまだ、田んぼだった頃からこの店はあり、GHQ中隊が道路に車を止めて、コーラを飲んだ話から始まった。 当時の蔵前橋通りはコンクリート舗装で、路肩に車を止めて米兵が路上休憩をしていた。 千葉の駐屯地から皇居に向かって部隊が往来していた。
また、この店が、小岩村で唯一、車を持つ家で、当時、運転免許を取るために、皆がその車を借りて、運転試験場へ向かったそうだ。 試験場に車を持ち込むことが出来た人に免許が発行されたとのこと。
店の裏手には、防空壕があり、警戒警報では、みなそこに逃げ込んだそうだ。 過去には。店内に四斗樽が置かれ、酒を量り売りしていた。 大雨になると、用水路に鮒や鯉があふれて、子どもの絶好の遊び場になったそうだ。 子ども達は大雨で川が溢れることを楽しんでいたそうだ。
そして、小岩の大地主のことや、水害で江戸川区に文句を言いに行った頑固親父の話などを伺うと、小岩を作ってきた先輩方の活動が見えてきた。 この町で生きて、何かをしてきた人がいる。 その人たちのおかげで現在の小岩がある。 それに比べると、自分などまだ10年滞在の新参者である。
今まで、あまり、過去の人を知る機会がなかった。 この街で、時代の中で何かと格闘し、何かを作り上げてきた諸先輩方がいる。
中には、一時的に住んで、また、どこかへ行ってしまう方々もいる。 もし、ここに長く住むのなら、先人の努力や想いをもっと知り、おじさんから、もっと、引き出したいと思った。
マスヤ酒店の店主は、自分にとっての小岩のヒューマンライブラリーである。 過去と現在をつないでくれる。 よそ者にとって、小岩の町を知る媒介者となってくれる。 その話から、新しい小岩を見る視点を得ることができる。 小岩で世界を体験しよう(日本も含む)第1回~第104回 コイワタイムズ連載
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Last updated
2016.02.27 09:41:51
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