リニューアルした斉藤湯へいった。
http://www.saito-yu.com/
116-0014 荒川区東日暮里6-59-2
営業時間:14:00~23:30(最終入場23:00)金曜日定休
非常にすっきりした場所に生まれ変わっていた。
お約束の営業看板。わ・板 沸いた。裏面は、ぬ で、抜いた。お湯を抜いた。
浴室もモダンなデザインで、浴槽も、熱いもの、ジャグジー、炭酸泉、シルキーバスーと種類がある。
炭酸泉には、たくさんの効果がある。
壁には、説明書きがある。
炭酸ガスが吸収され、血行が促進される、関節痛、筋肉痛の原因となる乳酸の減少を早める効果、ph4.5の弱酸性、化粧水風呂、通常のお湯に比べて、3倍の保湿性、神経がリラックスし熟睡できるように、などの記載がある。
たくさんの効果が期待される。
また、露天風呂のシルキーバスは、装置で発生させたミクロ単位の超微細粒気泡がたっぷり含まれたお湯で、ミクロの気泡が体中をマッサージし乳化作用で毛穴の奥まで洗浄し、高い保湿効果があり、新陳代謝を活発にし、高い健康促進効果があると書かれている。
そして、江戸前ながらの熱い風呂と水風呂もあり、「なにも考えられない熱い風呂」と水とに交互に入ることで、強烈な血行促進が行われる。(年齢によっては危険な入り方だと思う。)
ブログには、熱い風呂が、熱くて考えを停止することで、ストレス解消になる、といった味のある説明がなされている。
http://www.saito-yu.com/blog/cat/post-22.html
確かにそうかもしれない。
4代目斉藤さんにお話を伺うと、リニューアルに伴い改めて銭湯の役割に注目したそうだ。
0歳から90歳までの世代の異なる様々な方が、集まる場所に必要なお湯を用意したとのこと。
異なる世代が来やすく、女性も来れる場所を考えたそうだ。
確かに、ライフスタイルが変わり、家に入浴施設が当たり前の中で、わざわざ銭湯に来るなにか別の価値がないと廃れてしまう。
銭湯が提供するコミュニケーションとしての場は、街のあらゆる世代にとっての第三の場(サードプレイス)になる。(サードプレイスは、仕事場、家庭以外の第3の場をいう。)
例えば、子育て中のママが来ることで、コミュニケーションが生まれ、大変な育児を助けるきっかけを地域のおじいちゃん、おばあちゃんからもらえるかもしれない。
核家族化が進み都市につながりのない若い夫婦の関係を助けることになるかもしれない。
温度の低いお湯にはそんな思いが込められている。
斉藤湯では、いままでの銭湯に見え隠れしていた機能を掘り起こし、風呂場や番台などのあり方を大転換させた。
その結果、目に見える形として新しい銭湯のあり方がデザインされた。
すべらないタイルや、お年寄りの腰の負担を減らす30センチメートル高さの椅子などや、シャワー文化の外国人の方のために仕切りのあるシャワースペースも、男性浴室には2つ用意されている。
シンプルなデザインされた空間には、込められた様々な思いが、形となって現れている。
年齢や他の国籍の方が銭湯を楽しみこの場所が、第三の場所として、湯と新しいコミュニケーションでくつろげる場が生まれた。
カウンターには生ビールサーバーがある。
今回、生ビールを飲みながら斉藤さんから、沢山の素敵なお話をうかがった。
カウンターには、5代目の若社長とそのお子様の6代目?の次の息子さんがお父さん、おじいちゃんを手伝っている。(6代目が後を継ぐかな?とのこと。判子の真ん中が6代目予定の斉藤さんの孫。)
昭和9年に創業し、日暮里にはほかにも斉藤湯があったが、ここだけは残す決断をされる。
銭湯絵の話をしていたら、先日、銭湯絵師の中島盛夫さんが来店されたとのこと。
http://www.saito-yu.com/blog/cat/post-28.html
色紙が書かれ、そこには、銭湯絵師の中島盛夫さん、庶民文化研究家の町田忍さん、銭湯消しゴムハンコ作家「十四三(としぞう)さんのサインがある。
カウンターの判子も銭湯巡りの判子と顔判子の2種類あった。
多くの観光客もたくさん訪れるようになった日暮里で、日本文化を紹介する役割もになっていくのだろうが、昭和9年から続く銭湯が、日暮里在住の方に、第三の場を提供していく役割は大きい。
お湯もすごいけど、新しい銭湯の試みに踏み込んだ変化を感じた。
浴室内に中島盛夫さんの銭湯絵はないけど、入口頭上に貼られた色紙に描かれた中島富士見る楽しみもある。
クリスマスに向けて飾りつけが行われている。これも、皆が集まりやすいとの願いが込められている。
斉藤湯 日暮里荒川区 東京銭湯