読むべき漫画について考えている。
読み捨てられるはずの漫画が、記録となり、新しい評価がされている。
日本の漫画がいつの間にか物語や文学作品のような様相を示している。
体裁は漫画だが、内容は文学、もしくは人の心や営みが描写されている。
そんな日本は、源氏物語、発祥の地でもある。
作家が考えうる様々な要素は全て源氏物語に描かれている。
スポーツ万能で、イケメンで、学力優秀で、オカルトもあり、ドロドロした人間関係もある。
まるで、フランスのバルザックの人間喜劇のようでもあるが、源氏物語の方が書かれた時代が古い。
そんな国で書かれる漫画は、物語や文学になってしまった。
漫画の価値は、20世紀に変換した。
読み捨てるものではなく、残されるべき文学作品となった。
明治大学「マンガと戦争展」 記録として残される漫画と読むべき漫画について
単純に発行部数が多くシリーズが続いたものは名作である。
漫画全巻ドットコムの歴代発行部数ランキングによれば、以下の順位となる。
1位『ワンピース』3億2086万部
2位『ゴルゴ13』2億部
3位『ドラゴンボール』1億5700万部
4位『こちら葛飾区亀有公園前派出所』1億5650万部
5位『名探偵コナン』1億4000万部
6位『ナルトNARUTO』1億3500万部
7位『美味しんぼ』1億3000万部
8位『スラムダンク』1億2000万部
9位『ドラえもん』1億部
10位『鉄腕アトム』1億部
どれもすごい作品である。
発行部数を見るとワンピースが異常な部数であることがわかる。
ドラえもんの約3倍である。
多くの漫画が書かれる中で、発行部数より、その内容が興味深いものが存在する。
その中で、最近、気になった漫画がある。
『栄光なき天才たち』という漫画である。
この漫画を読んであまり知られていない天才たちの姿を知ることができた。
ある意味、歴史に埋もれたというか、あまり知られていない人が取り上げられる。
漫画の体裁をとってはいるが内容は伝記でもある。
原作者は、初代が伊藤 智義(いとう ともよし、1962年4月24日 - )さんで、東京大学在籍中にヤングジャンプの青年漫画大賞原作部門で佳作受賞、準入選受賞し、すぐ作品化された。
昭和59年-集英社ヤングジャンプ「第11回青年漫画大賞原作部門」佳作受賞
昭和60年-「第13回青年漫画大賞原作部門」準入選受賞
昭和61年-ヤングジャンプ誌上にて「栄光なき天才たち」執筆(~平成3年)
その後、原作者が、新山藍朗さん、矢吹明紀さんと変わっていくが、『栄光なき天才たち』のシリーズとして様々な人物、組織が取り上げられている。
海外の方もいるのだが、日本のあまり知らない偉人を知ることができるのが嬉しい。
佐藤次郎 国を背負うテニスプレーヤー
木場の新田橋 過去と現在と洲崎パラダイスをつなぐ橋
川島雄三さんの『洲崎パラダイス』など、今見ても古臭くない。
ものすごく感覚が現代に通じている。
アドリブというか、役者に演技をさせてないような場の空気を切り取った感覚が伝わる。
切っても切れない男と女のくされ縁。天才監督・川島雄三の代表作!/東京洲崎遊廓の入口の飲み屋を中心にして、娼婦や、そこに出入りする男たちの姿を描いた芝木好子原作の“洲崎パラダイス"より「屋根裏の女たち」の井手俊郎と「東京の人」の寺田信義が共同で脚色、「風船」の川島雄三が監督、「愛情」の高村倉太郎が、撮影を担当した。出演は「続ただひとりの人」の新珠三千代、「火の鳥(1956)」の三橋達也、「雑居家族」の轟夕起子、「しあわせはどこに」の芦川いづみ、「悪魔の街」の河津清三郎、「燃ゆる黒帯 花の高校生」の牧真介、植村謙二郎など。