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カテゴリ:本
忙しい大人のための読書会が開かれた。
課題図書は、直木三十五氏の「ロボットとベッドの重量」だった。 前回が、芥川龍之介氏の「羅生門」で、芥川賞、直木賞との関連で直木三十五氏の作品が取り上げられた。 ロボットのSF作品と言うより、主人公と妻の愛憎関係をロボットを使ってエロス、嫉妬を表現したエンターテイメント作品である。 作品の持つ力は、それほど強くはない。 描写の粗さも感じる。 今回の読書会は、その作品より、読書会に参加していた女学生に小説世界と現実の交差を感じた。 その日の読書会に参加していた、19才の女学生の存在が文学的だった。 その女学生は、太宰治の「女生徒」を読んで感動して、読書会を探して当時、ちょうど「女生徒」を取り上げた読書会に参加したという。 そこでさらに、「女生徒」の内容に共感される。 女生徒【電子書籍】[ 太宰治 ] そう言われた「女生徒」がどんな話なのか、読んでみることにした。 読んで分かるのは、太宰治氏がどうやって、この女生徒の視線や意識の流れを手に入れたかが凄く気になった。描写が上手すぎる。 あまりにも、女生徒の心の移り気な気持ちが表現されている。 調べると、『1938年(昭和13年)9月に女性読者有明淑(当時19歳)から太宰のもとに送付された日記』(ウィック)を題材にしているとわかる。 更に調べると、女生徒は、母子家庭で、現在の練馬区辺りに住んでいた。 現実の女学生と不思議な一致を感じた。 読書会を通して、19才の女学生の住んでいる場所や生い立ちを話の流れで聞いていたが、この「女生徒」の主人公と重なる点がいくつかある。 場所や家庭環境などである。 太宰治氏の「女生徒」を現代の練馬区の誰かに結晶化させると、彼女の存在につながるのかも知れない。 東京都杉並区高円寺 「羅生門」 忙しい大人のための読書会 in コクテイル書房 https://plaza.rakuten.co.jp/genesisi001/diary/201708120000/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.08.29 11:44:27
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