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カテゴリ:事故
3月28日
ここの市民病院は、建ってから6年ぐらいだと思う。 山の手の、見晴しの良い病院だ。家からタクシーで、2700円。保険会社の手配で、第一タクシーがチケットを持って来たので、実費は出さない。 受付では、保険証の提示を求められた。自分の保険で診察や治療を受け、健康保険の費用だけを持とうというのだからガッチリしている。これだと保険会社の負担は僅か一割というわけだ。痛い分は、一割で済まないよ。 眼科の検査は早かった。わけのわからない目薬を注して視力をぼやけさせ、視力テスト表を片目で読ませる。目薬なしで「上」「右」などと言わせて、なるほどこっちの眼はもう一つの眼よりかなり悪いなどと判断するのなら兎も角、わざとぼやけさせた目で見させてなにが判るというのだろう? いつも私の眼がどれだけいいかも知らずに、事故の後先をどう比較するというのだろうか? 例えば、縫い糸ぐらいの太さの糸を六、七本合わせてかぎ針で編んで、一本も掬い落とさずに編めるとか、雨の日に電車の中で文庫本を読んでいて、電車が駅に入ってもそのまま読み続けられるとかした目が、今はパソコンの画面の字も右目は見えないというようなことを、ドクターは理解できなければいけない。 機械の穴からレンズを通して現れる小さな光の方向を手で示すのでも、最初は左から始まって左上、上、上右、右、右下、下、と順番に移動するのだから、まったくの盲目かバカでないかぎり判る。 それでも先生は、「右の眼の奥の方に、小さなキズがあるような気がします」と言った。 「もう少し詳しい検査が必要ですので、キホク病院へ行ってください」 と、また紹介状を書いて、予約日を決めてくれた。 うちの家伝薬をつけていれば、予約日までにかなり良くなっているのではないかと思ったが、事故は事故、治療は家伝薬の無い人と同じにしなければならない。 耳鼻科は、2時間余り待たされた。ここの検査は、「音が聞こえて来たらボタンを押す」という検査で、これもなにが判るのかわからない。時々、キーンという不思議な金属音がするのは何故かと思うだけで、耳が聞こえなくなったのではない。 でも、耳鼻科の女医さんは、1週間分の飲み薬を出してくれた。 最上階のレストランで、定食を食べた。へんな目薬のせいで景色はよく見えなかったけど、黄色い菜の花畑だけはよくわかった。
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