『熱欲』by堂場瞬一
熱欲警視庁青山署の刑事として事件現場に舞い戻った鳴沢了。前作からの流れで、異動させられ生活安全課に。しかし担当する事件は、DV(ドメスティック・バイオレンス)と悪徳マルチ商法。これまで扱ってきた殺人事件とは勝手が違い戸惑う。無関係に見えた二つの事件が捜査線上で繋がった時、鳴沢了の長く熱い夏が始まった。NY市警の旧友との邂逅、関係者の怪死、ちらつく中国系マフィアの影。鳴沢は一歩ずつ事件の核心へと近づいていく。鳴沢了シリーズ第三弾。中断してたシリーズを再開させたずーっと気になってたんだよね、鳴沢了シリーズ。堂場作品がやたらと映像化されているから…早く読まなきゃと思って。このシリーズの『讐雨』は坂口憲二氏による鳴沢了で映像化が決定している。讐雨鳴沢はちょっと私としては「人間」っぽさがなかった。でも今回の第3弾でちょっと鳴沢「らしさ」というものが見えてきたかな。ものすごく真面目で使命感が強いけど、真面目がゆえに弱さももってる。自分を「罪人」としてどこか罰してるのかしら?(なぜ「罪人」かというのは前作2作品に)朴訥なんだけれど、意外と惚れっぽいよね?