●阿修羅の国家破産掲示板より。悲観論である。
http://money.mag2.com/invest/kokusai/2009/12/post_145.html
先送りされた米国デフォルトとその先にある"潮目"
…そのような中、マーケットとそれを取り巻く国内外情勢を東京・国立市にある我が研究所でウォッチしていると、ここにきて一つの気になる情報が飛び込んできた。
去る24日、クリスマス・イヴだというのに開催された米連邦議会上院で、懸案であった連邦レヴェルにおける財政赤字の"上限枠"に関する引き上げが決議されたというのである。引き上げられた金額は約2,900億ドル。これで総額約12.4兆ドルが「上限」ということになった(12月24日付 米国ザ・ヒル・ドット・コム参照)。
「所詮、形式的に決められた上限枠なのだろう。大した意味など無いのではないか」--そう思われるかもしれない。しかし、侮ることなかれ。実際にはここでいう"上限枠"が引き上げられないと、これまで発行した米国債(既発債)の償還をこれから発行する米国債(新発債)によって賄うことができず、米国勢は支払い不能に陥ってしまうのだ。そう、これがデフォルト(国家債務不履行)である。だが、とにもかくにも今回、上限枠の引き上げは小幅ながらも実現した。その限りにおいて米国勢によるデフォルト(国家債務不履行)は遠のいたかのように見える…
…それでは米国勢が上記の様に自らの抱えるデフォルト(国家債務不履行)を完全に回避せず、この場に及んでも小幅の修正に終始した先には一体何が起こり得るのであろうか。--今回の修正によって"延命"した感のある米国勢が次に辿りつく先は実はもう見えている。それは、2010年2月という"潮目"のターゲットである。なぜなら現状のペースで財政赤字が拡大した場合、間違いなくこの段階でこの"上限枠"に達してしまうからである。そう、その瞬間に米国勢はいよいよ「真実の時(moment of truth)」を迎えることになるのだ…
●もうひとつ阿修羅国家破産掲示板より。
…次はハイパーインフレーションがやってくる
http://www.larouchepub.com/other/2010/3702next_hyperinflation.html
【1月15日 by John Hoefle】
危機はあらゆる心地よいプロパガンダにもかかわらず、弱まってはいない。 大きな金融に関するニュースのない次期である-主要銀行の閉鎖などの災厄は無い、しかしながら、悪いニュースは絶え間なく漏れてくる。住宅差し押さえ、失業率、更に経済は崩壊の道をたどり続けている。崩壊現象は世界的であることが明らかになるうにつれ、国際的な面では、国家デフォルトの脅威は中心的な問題になりつつある。
この終わりのない悪いニュースの持続はウォール街に対しワシントンのプロパガンダ・マシーンから流れてくる「回復」の呪文のごまかしを暴露するに十分に冷やかなものだ。もしもそんなに状況がいいのならば、なぜこういったものがそんなにひどいのか?
真実は、アメリカあるいは世界のの経済が直面している、問題のどれひとつとして解決はされていないのだ。却って「救済」の外観の下でさまざまな詐欺が行われてきているので、事態を更に悪化させているのだ。そのツケは回ってくる。
◆風呂の湯を節約
何が世界経済を崩壊に導いたのか? この神話は国際金融マフィアによって作られたのだが、アメリカの住宅市場のサブプライムの崩壊によって、信用収縮があった、というものだ。それが、今度は、投資家をパニックに落としいれ、買いが止まり全体のシステムが凍結したという。このシステムを再出発させるために、中央銀行と政府は流動性資金を流し込み、ひとたびパニックが静まればその価値は戻ると彼らの保証する有毒廃棄物の最後の救いの買い手となった。
彼らが馬鹿げたことを言うのを聞けば、まさしくそれが起きたことなのだ。彼らのすばやい決定的な行動、英雄的で(本当かよ)、時間を稼ぎ、銀行を健全に戻し、利益さえ上げるようになったのだ。彼らは彼ら自身の心では伝説になったのだ。
●以下、通貨下落時の肝である。実体経済に即した生活をしていれば、通貨が暴落しようが、楽観的でいられる。
問題は、妄想以外はそれらの一切が真実ではない、ということだ。経済は金の上で走るわけではない。それは物的生産と消費で走る、食料の生産と消費、原料を有益な製品へと変えること、その他の有益な活動だ。経済の強さは銀行にではなく、物的な施設:そのインフラ、その農工業の基盤、最終的には、人々の創造性である。
アメリカの経済はこういった強さを基礎としている、というか強かったものを基礎としていたのだ。ここ数十年は、脱工業化社会、情報化時代、グローバリゼーションとして知られている外国の罠のために我々はこのアメリカの政治経済システムを破棄してしまった。世界一だった工業化経済を、金を作ることに狂奔する国家になろうとして粉々にしてしまった。本当の悲劇の中で、我々は工場をカジノに変えて、金持ちになるために富を生産することを止めてしまったのだ。富を補填するために、我々はもはや生産をせず、かつてない額の負債を積み上げることを始めたのだ。我々の銀行のバランスシートが新しい負債で溢れるようになると、この負債を資産へと新たに組み替える新しい企みが生み出され、拡張するこのカジノで他のプレーヤーに売られるようになった。デリバティブ市場が創出され、増大する負債の上に架空の資産の層を積み上げた。
負債が幾何級数的に増大する一方、負債を支払う経済能力は収縮し、工業的な生産からサービス、情報、金融への転換が続いた。我々は明らかに災厄に向かって進んでいた。そしてその災厄が来たのが、2007年の夏だ。
この混乱から抜け出る道は、支払い不能の負債を損金処理し、生産基盤を再構築する緊急的な努力を始めることだ。しかし我々の栄光の指導者らは、まさにその反対をした。彼らはその負債を救うために動いた。そしてそれを、信じがたい速さで金を印刷し、労働者層と生産現場を更に収縮させて行ったのだ。彼らは赤子を投げ捨て風呂の湯を確保した。
●通貨が暴落するとカネを貸し付けて金利で生活するのは辛い。健康第一。
◆債務者の牢獄
自分の負債を支払う能力を骨抜きにすると同時に、新しい膨大な負債をもって負債の危機を救おうとすることは、不合理というだけでなく、狂気の沙汰である。銀行家や監督機関といわれる者たちに至るまで、さまざまな主唱者らは、冷静に理性を働かせて作業をしているように必死に見せようとしているが、どんなことをしてでも自分たちの生き方を守ろうという衝動に駆られて半狂乱で逃げを打っているのである。
深遠の淵から世界を引き戻すよう、計算された行動をする冷静な専門家と見られるよう努力しているが、全くそれには程遠いところにいるこの気の狂った者たちは、正にその深遠の淵際に我々を追い込んだのだ。この者たちは、自分が必要としている解決の道を拒否する発想に囚われ、自分らを無情にも破滅に導く道を取った。彼らは自分達自身の幻想の囚われ人で、他の人々をも道連れにしている。
彼らの戦略は、彼らのカジノのチップの価値を守ることを中心にして組まれている。そして主なやり方は、我々から、あるいはお互い同士で金を盗むことである。負債が正当であろうが詐欺的であろうが、一向に構わないのだ。重要なことは、誰かによって彼らに支払いがされることなのだ。
●金融機関への規制強化が新聞に出ていた。
ゲームの名前はこの時点で、私営の銀行、ヘッジファンド、保険会社、その他のプレーヤーから、政府にシフトされている。アンクル・サムと納税者に損失を埋めてもらおう。これが汚い(そんなには)秘密ではない、救済の内容だ。ウォール街の主要銀行、AIGのような保険会社、そしていくつかの最大級の会社からから繰り出された価値の無い金融証券を買うために、連邦準備銀行が何もないところから、金を作ったように見える。オバマ大統領の「医療保障」改革案は保険会社と製薬会社を強化するよう設計されたように見える。しかし殆どは、失敗した住宅ローンと住宅抵当証券を政府保証証券に組み替えるためにファニー・メイ、フレディ・マック、ジニー・メイ、それに連邦住宅管理公団が使われたように見える。そして今度はそれが、破綻した銀行の資金を強化するために使用された。TARP計画の下、銀行に数十億ドルを融通し、連邦政府が真偽の疑わしい「利益」を宣伝する間、住宅ローンの混乱を通して数兆ドルの損失を生み出していた。
我々を危機から救うどころか、こういった犯罪的な「救済」企画は公的資金の最大規模の窃盗であり我々の国を破壊しているのだ。
●ハイパーインフレーションに陥るプロセスを想像する。
◆ハイパーインフレーション
通過制度に対する流動性資金の流し込みと生産基盤の崩壊の組み合わせは、ドルの価値の劇的な品質低下になるだろう。多くの人々はインフレに慣れている。通貨が徐々に購買力を失っていくことだ。そしてインフレは重い負債の対処策としてしばしば銀行家と政府によって利用される。安い通貨で返済をすることができるからだ。
このプロセスは時にコントロールを脱することがある。1923年のワイマール共和国の時がそうだ。最近ではジンバブエだ。そうなると通常のインフレはハイパーインフレになる。
そのような状況で通貨当局が経済に金を流せば、流せば流すほど、通貨はより一層早くその価値を失う。救済プロセスの時のように、膨大な資金が創出されている状況の中では、通貨はそれが供給されるより早く、その価値を失う。資金不足の穴埋めのために加速する率で資金は供給されねばならないので、より一層早く通貨はその価値を失うという悪循環を生み出すのだ。
これは驚くべき速さで起こりうる。ドイツでは1923年の3月に5兆5千億マルクの紙幣が存在した。8月には668兆マルク、12月には497,000,000兆マルクとなった。同時期に、卸売物価指数は4872から1,422,900,000へと跳ね上がった。人々は現金を荷車で運び、暖をとるためそれを燃やした。商人は、常に価格を塗り替えていたが、それは市場での価値が暴落したからだ。
毎日の新聞で報道される通貨のレートにミスリードされないようにしないといけない。全ての通貨の価値が下がっている世界的な経済の崩壊の期間では、さまざまな通貨の市場価格の間の比率に過ぎない。そのようなケースでは、ある通貨が他の通貨に対し上昇したら、ひとつの通貨が他の通貨より一層早くその価値を下げているということなのだ。それが現実であり、統計学ではない。事態は深刻である。
このハイパーインフレのプロセスは、既に金融セクターでは始まっている。また消費者部門でも始まろうとしている。それが起きれば、我が国は、そして世界は分解するかもしれない。
古いジョークのバリエーションがある:良いニュースは我々全員が兆万長者であるということだ。悪いニュースは、その兆万はパン一斤分だということだ。もしもそのパンを見つけられたとしたらだが。それが起きる迄は、笑える話だ。ラルーシュ・プランが採用されなければ、これがわれわれの直面しているシナリオだ。
●巷では、小沢の献金問題がかまびすしい。これだけ騒いだんだから、どう落とし前をつけるのかが見ものである。メディアの権威はどこまで失墜できるのか。