|
カテゴリ:闘魂
●まず、田中宇氏の「日中対立の再燃(2)」 より。
(貼り付け開始) …日本が中国と対立するなら、その前にロシアと関係を改善しておかねばならないというのは、何年も前から警告されていた。自民党の安倍晋三が首相だったときの外交顧問だった元外務省の岡崎久彦氏(対米従属派)は、安倍政権時代の07年の時点で「(08年の)北京五輪後に中国の脅威が強まるだろう。日本は、その前に北方領土問題を片付けて、外交上縛られている両手(中露)のうちの片方を自由にする必要に迫られるかもしれない」と書いている。しかし、岡崎の忠告は生かされなかった。日本はロシアと和解せず、中国の台頭に対して脆弱なままだった。(Entente to balance China, By HISAHIKO OKAZAKI) 安倍の次の麻生太郎首相も、一時は北方領土問題を解決しようとしたが、北方領土問題で一歩も譲歩してはならないという国内プロパガンダに阻まれ、何もできなかった。ナショナリズムのプロパガンダマシンは、動かすのが簡単だが、止めるのが困難だ。しかも米国のタカ派は、隠れ多極主義者に入り込まれていて、日本がロシアと和解しようとする動きを妨害するとともに、上海協力機構などでの中露結束を誘発した。自民党は、中露が結束して日本に敵対してくる現状を、民主党政権のせいにしているが、歴史的に見ると、ロシアに対して無策で終わった自民党の責任の方が大きい(米国タカ派の傀儡でしかない前原外相も、かなり浅薄だが)… (貼り付け終り) ●米国は一枚岩でないのはもちろんだが、氏の言う隠れ多極主義者というのがどうもよくわからない。柄谷行人「世界史の構造」を書店で手にとってパラパラとめくった。もはや柄谷を読む時間も力もない。柄谷氏はあちらのひとである。それと比べれば田中氏の仮説はわかりやすいし、結構気に入っていた。しかし、ここんところいわゆる陰謀論的な見立てにうんざりしているので、冒頭のクエスチョンが出てきたという訳だ。同様に陰謀論的なテーマを扱う有馬哲夫氏的な見立てに対する検証可能性と比べると不親切ではないかと。 ●おなじみのブログ「日本を守るのに右も左もない」より「尖閣問題の背後(2)」。政治問題はあまりコメントする気にもならないが、陰謀論的な見立てとして、記念に(?)取り上げておこう。その対極にある見解が「阿修羅」コメントにある。「株式日記と経済展望」の記事に対するコメントだ。 (貼り付け開始) …この見方はかなり一面的だ。 まず、日本の金融機関がサブプライムローン関連商品をあまり買っていなかったのはもともと日本の土地バブルがあり、アメリカの土地バブルがはじけるのが明白だったためと、もう一つは、日本の金融機関は日本国債や地方債、そして、米国債をかなり多く保有しているため、日本の金融機関にサブプライムローン関連の損害をあまり多く与えると米国債の売り出し、または、日本国債に引き受け拒否を通じた米国債売りに通じてしまうからだ。 更に、日本の保険産業は今後多分かなり経営的には苦しくなるはずだ。なぜなら、もともと低成長が続いているし、高齢化が極端に今後10年から20年で進むからだ。まだ儲けが出ているうちに売り払うのは賢明な判断だ。 なお、プルーデンシャルはもともと協栄生命で公務員関係の保険をやっていた会社。当然、まだ業績はかなりいい。だから、今後、公務員関係で利益をしばらく稼ぎ、5年か10年もしないうちに引き上げるだろう。今の日本の政治状況が続けばの話だが。 そして、石油小売りも同様で、日本の高齢化を見れば、今後自動車運転の機会は特に地方を中心にどんどんと減っていくしかない。 日本に住んでいる身から言えば、巨大な資本家が日本の地熱開発に投資をしてくれたら、必ずもうかると言いたいのだが、多分、官僚による規制が解けていないので、そう簡単に投資ができるわけでもないのだろう。 つまり、今回の売却話は、もっと大きな目で見るべきで、ある意味、日本離れということだ… (貼り付け終り) 先ほどの田中氏やこの「株式日記と経済展望」のTORA氏も中国に対する視線が厳しい。それに比べるとつぎの金子勝氏の一文はクールである。ちなみにぼくがアジア主義という言葉を知ったのは30年前である。 (貼り付け開始) …今こそ民主党マニフェストが掲げていた「東アジア共同体構想」という中期的な枠組み作りに乗り出さないと、中国をはじめとする東アジア市場から日本は閉め出され、欧米諸国に食い荒らされてしまうでしょう。もちろん、尖閣列島での中国漁船問題でも冷静に毅然と対処せざるをえず、簡単なことではありませんが、かいくぐっていかないといけません。 すでに中国を中心にドルを介さない2国間通貨決済などが進んでいますが、中国やアジア通貨との間の変動幅を抑える枠組みが重要になります。さしあたり、共通の通貨介入基金設立に向かって一歩進めていくべきでしょう。 さらに、中国・アジア諸国との相互貿易を確保するために、これら諸国とのEPAやFTAを結ぶ動きが強まっています。農家の戸別所得補償や安心安全の農業への転換こそは、関税に代わる農業保護政策のあり方なのです。これまでのような製造業利害と農業利害の不毛な対立を乗りこえる道が、これによって切り開かれるのです。その上で、農産物を日本の輸出産業に育てていく視点が重要です。ところが、日本の政財界には、欧米諸国と比べて日本の農家の戸別所得補償の水準が著しく低いという認識がありません。新たな農業保護政策と輸出促進策をとる国民的な合意形成を急ぐ必要があります。 目先だけ、が一番いけません。今こそ考えておかなければいけないのは、ドル=基軸通貨体制はいつまで続くのか、です。 「なぜ神が存在するのか。みんな、神が存在すると信じているからだ」というフォイエルバッハ風の問いを立てれば、「なぜドルが通用するのか。みんな、ドルが通用すると信じているからだ」です… (貼り付け終り) ●金子勝ブログ「お金でお金を買うって何?:歴史の中でお金を考える」の中の一文だ。この記事、冒頭のつかみもいい。はやり、力量というのはこういう感じで現れるのだ。 (貼り付け開始) …おまけに、経済学のテキストまんまの解説なのに、「何でも分かった」という謙虚さを失った説明は、ソーシャルメディアにふさわしい言説なのかしら?実は経済学にも、深く考えると、分かったようで分からないことがいっぱいあるんです。 たとえば、経済現象の一番ど真ん中にある<貨幣>、つまり<お金>って何なのか?という問題もそうです。考えてみれば、医学でも血液について分からないことがたくさんあるのと同じです… (貼り付け終り) ●金で金を買うって何? 本当にわけの分からない事態である。中国が日本円を買って、円高を誘発しているという話もある。不労所得(運用益)をどうするべきか、本当に深刻な問題である。石油とゴールドがじわりじわり上がっている。最後に、春山昇華「おかねのこねた」より。「2010年9月末 予想EPS & PER 足踏みしていたUS業績予想」のチャートが見事だ。世界の株式指標のパフォーマンスと通貨調整。スウェーデン以外は全部マイナス!! ●おまけで「岩上安身オフィシャルサイト」をリンクしておく。プロフィールによって岩上氏が59年生まれだと知った。すごいことだと思う。同サイトのインタビュー記事をぼちぼち見ていくことにしよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 3, 2010 09:54:14 PM
コメント(0) | コメントを書く |