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カテゴリ:読みたい本・買いたい本
●副島隆彦「中国バブル経済はアメリカに勝つ~アジア人どうし戦わず~」(ビジネス社)読了。副島氏の中国本をはじめて読んだ。86年に香港経由広州に入って、バスそして船で海南島に渡り、空路広州経由ウルムチにまで飛んだ経験がある。香辛料のきいたシシカバブやハミウリを堪能した。
副島氏によれば、中国は「プラザ合意以降の日本の悲劇」を非常によく研究しているらしい。政治的には、アヘン・コカイン王であるアーミテージらがつぎの傀儡首相にしようとしている前原誠司のことを師の高坂正尭の所論を含め、徹底的に調べているそうだ。たとえば、昨年9月14日の民主党代表選は、米国による助力があったものと断じる。 (引用はじめ) …この不正選挙では、富士ソフトという謀略用のコンピュータ会社が民主党執行部(菅・仙谷ライン)に雇われて、他方の党員・サポータ票を集計する業務を行った。このソフトは、アメリカから密かに持ち込まれた「アリスポス・システム」(Arithpos System)という名の、不正選挙用に開発された恐ろしいコンピュータソフトを動かした… (引用終わり) ●もちろん尖閣諸島の件もズバリと切って捨てる。とにかく、前原誠司と長島昭久そして彼らに指示を出す南青山のマイケル・グリーンを切って捨てるのだ。そして細野豪志と山口壮をぐっと持ち上げる。彼らは小沢一郎によって、次の時代を担う政治家として育てられ、小沢そして田中(真紀子)を通じて中国側とつながっているとしている。そして、われわれが本当に恐れるべきことを次のように書く。 (引用はじめ) 米中が日本の頭越しに日本の運命を決める…このことが日本にとって、一番恐いことである。本当に優れた日本保守派の人々ならば、このことへの危惧を他のすべてに優先しなければならないはずなのだ。米と中で、日本のことを一番大きくは上の方で取り決める時代に入っているようである。日本の運命は二大国に握られつつあるのだ… (引用終わり) ●続いて、日本の財政赤字をあおる勢力を小気味よく叩く。日本には1400兆円の貯蓄が家計部門にあるというが、それは正確ではなく、3千万人のサラリーマン層の住宅ローンと個人事業主への貸付金で相殺され、差し引き800兆円だという。これに対して、日本の財政難は1200兆円で、GDPの200%だと財務省と彼らを背後から操る米国の日本管理・謀略人間たちの国民への脅し、洗脳プロパガンダがある。しかし、副島氏は、高橋洋一氏の考えを入れて、IMFの計算方式で、財政赤字(中央政府分)1000兆円のうち、600兆円は資産性の負債で差し引ける。つまり、実質は400兆円、GDPの100%に過ぎず、欧米の対GDP比の赤字と変わらないとする。 続いて、天下りの問題をたたく。そして曰く。 (引用はじめ) …人使いが上手で、金儲けも上手い(経営者として才能がある)かつ立派な人間という人々が、少数だがどこの国にもいる。こういう生来立派な人間たちが上に立つことによって、行き過ぎとやり過ぎを是正しながら、成長経済を続けて国を繁栄させていくことが大事なのである。 だから、日本では、田中角栄を金権政治家だと批判した日本人たち(文藝春秋という裏のある出版社)のほうが、偽善者であり、本当は徹底した腐敗分子であり、アメリカの手先たちだった。角栄が打倒された…ので日本は経済を続けられなかった。日本国民にとっては大変悲しいことだった。彼はブルドーザー型の土建屋型政治家で日本を豊かにした。その遺針(意志)を継いだのが小沢一郎だ。 小沢一郎が言うごとく、「官僚(による)政治」を絶対やめさせなければならない。官僚が国家試験に受かって、上の立場になって権限を握るから偉いのではない。国でも地方政府でも地域でも民間の大組織でも、指導者というのは経営の才能がある人間でなければならない。経営の才能というのは、決して大学の経済学部や経営学科で勉強して身につくものではない。経営の才能、金儲けの才能は、もって生まれたものであって、それを本人が磨き上げるものである。官僚どもには経営や金儲けの才能はない。彼らは国家の寄生虫である。だから官僚に政治(国家の経営)をやらせたら駄目なのだ… …はっきり書く。なぜ、日本が景気回復(経済成長)できないか。それは官僚たちが上のほうに居座って邪魔するからだ。それと日本国民の大事な資金を、アメリカがどんどんムシり取って持ってゆくからだ。この2つが原因だ… (引用終わり) ●先生は完全にぶちぎれて、手入力している内に怒りが伝わってきた。非常に暑い。このあと、中国の話に入っていくのだが、韓国の哨戒艦沈没事件を導入に米国がしきりに、この極東で戦争をやりたがっているが、中国が乗り気でないという話をする。いわゆるウォー・エコノミーだ。そして、副島氏曰く、北京や上海に米国の潜水艦から核ミサイルが発射されたら、中国はただちに米原潜の母港である横須賀をたたく。 (引用はじめ) 中国の原子力潜水艦1隻が、米国本土の西海岸のカリフォルニア沖の海溝で半年ぐらいじっとして潜伏していた。そしてそのあと静かに帰還した。そしてこの事実を米国の海中探査網は日本近海のどこの海峡や島しょ監視所やレーダー網でも察知できなかったという。カリフォルニアの沖合まで中国の原潜が近寄った。しかもまったく米軍に探知されることなくである。このことが衝撃的である… …今のアメリカ政界にはまだ、このイスラエル徹底支持の、世界同時革命論者…の凶暴なユダヤ系知識人たちがまだまだたくさんいる。彼らはネオコンサバティブズ…と呼ばれる者たちだ…彼らアメリカのネオコン派は、イラクとアフガニスタンに楔を打ち込んで…大きくアラブ世界を包囲し、イスラエルを助けるという地政学的な世界戦略で動いた。そして見事に敗北し、撤退しつつある…中国は、「2003年からのイラク戦争に米軍が兵士を16万人しか投入できなかった」という事実を冷静に分析した。本当は50万人の米兵を送らなければ、イラクを完全に制圧できないことははじめからわかっていた。この点を指摘してこれが理由でコリン・パウエル国務長官…たちが、政治的にも退けられていったのである… (引用終わり) ●このあと、中国はいよいよ発展していくという話が続き、アジアを巻き込む鉄道計画でど肝を抜く。アセアンが中国に従う理由もよくわかった。詳細は本書を買って読んでもらいたい。中国が東南アジアに対してどうアプローチして行くのか、あるいは、新疆やチベット、内蒙古をどうして行くのか、ざっくりとした形ではあるが、珠玉のレポートとなっている。誠に、欧米の色眼鏡を通してしか、近隣諸国を見ることのできない、日本のメディアに踊らされていてはだめだと新年早々たたき起こされた思いがした。 アジアは近い。韓国6回、台湾1回、中国2回、香港1回、過去に足を運んだことしかない私が言うのもなんだが、アジアに渡って、アジアを舞台にして、ビジネスを行うという選択肢もある。日本を捨てるわけではなく、普通にアジアの隆盛の恩恵にあずかるべく、アジアに合流する。キーワードは岡倉天心の言った「アジアは一つ」である。 遅れましたが、新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 3, 2011 02:21:57 PM
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