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テーマ:今も心に残っている歌(675)
カテゴリ:高校時代の想い
大型連休でもあることだし、ちょっと趣向を変えて……
去年の今頃、私は出張でニューヨークにいました。 気分は真っ暗でした。 せっかくの大型連休を仕事で 「全滅」状態にされたこともありましたが 実はその時抱えていた仕事自体が 私にとって耐え難い苦痛に満ちたものでした。 こんな仕事を続けたくない。 そんな思いさえ 頭の中をよぎっていました。 5月1日の夜、わずかな自由時間ができました。 私は迷わず、1人きりでブロードウェイに足を運びました。 「かつて演劇部にいた」と きのう書いたけれど 華やかなブロードウェイの世界に1人身を置くことで 今置かれている状況を 少しでも忘れたかった。 そして劇場街の片隅で 偶然 この芝居がかかっているのを見つけたのでした。 高校時代、周りの友達の芝居にとてもかなわず 「とても役者は無理だ……」 と落ち込んでいた頃、 森繁久彌さんが主役を演じた日本語版を観るために 少ないお小遣いをはたいて 何度も1人で帝国劇場に通いました。 ユダヤ人迫害を描いた お世辞にも明るい舞台ではないはずなのですが なぜかいつも夢と勇気を与えられて家路についたものでした。 裏方でもいい。 いつかはこんな 人に夢を与える仕事がしたい……。 とうとう大学の専攻にまで 演劇を選んでしまいました。 音楽においての「夢想花」(円広志)同様(おいおい) これもまた私の「原点」とも言える作品です。 いつかこの芝居を 本場ブロードウェイで観るんだ。 そんな夢を見ていたことすら忘れていました。 こんな状態の時に 再び出逢うなんて。 私は衝動的にチケットを買い、観客席に駆け込みました。 そして第一幕の最終盤、結婚する娘を想うこの歌に 涙を禁じ得ませんでした。 日は昇り また沈み 時移る 喜び 悲しみを 乗せて流れゆく *訳詞された方の名前がわかりません。ごめんなさい。 当然英語で歌われたわけですが、 頭の中で この日本語の歌詞がぐるぐるとめぐりました。 どこか中島みゆきの「時代」にも通じる言葉に 文字通り いやされました。 音楽も失い 芝居も失い 社会人になって 夢とは正反対の見たくもない現実を突きつけられて それでも 仕事を続けるうちに この仕事の中にもささやかな「夢」を見ることが できるようになっていました。 それが崩れそうになっていたちょうどその時、 唐突に私の前に再び姿を見せてくれたこの舞台は 「たとえ今つらくても 夢見た頃の初心を忘れてはいけない」 ということを 語りかけてくれたようでした。 あれから1年、私はすべてにおいてきちんと立ち直れたのか。 同じように夢を見ているのか。 日々の仕事に追われる中、 まだはっきりとした確信は持てていません。 それでも……。 いつかは大切な夢を取り戻せるに違いないと。 今 私がこれを書いている机のすぐ上の小さな掲示板に、 小さな芝居のチケットの半券が張ってあります。 1年前の思いを忘れないように。 完全な独り言になってしまい すみませんでした(-"-;) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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