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テーマ:今も心に残っている歌(675)
カテゴリ:社会人としての想い
4月末の某日。私はとうとう、
かつてのバンド仲間が待つスタジオに足を運びました。 10数年ぶりでしょうか。 本当はずっと不安でした。 当時の私からみたら、 今の私はまるで「あの世」に行ってしまったようなもの。 音楽は本当に、 あの頃と同じように私を迎えてくれるだろうか。 その不安は、8割が杞憂に終わり、 2割は的中しました。 地下(それも並大抵の地下ではなかった!)の スタジオの空気は、 学生時代に吸っていたものと全然変わっていませんでした。 何より 仲間の誰もが昔と全く変わっていなかった。 それが何より嬉しかった。 まあ……多少の見かけの部分はともかくとして……。 ↑人のこと言えないし(-"-;) 自分でも驚いたのですが、 ほとんど事前準備もないまま飛び込んだのに、 すべての曲を指が憶えていました。 (言い忘れましたが、私はキーボード担当です) けっこう簡単に時空は超えられるものだな。 一瞬、そう思いました。 でも。 1時間もたたないうちに私は あっさりと「越えられない壁」にぶつかりました。 応用が利かないのです。 当時演奏したことは、簡単に再現できる。 当時「あの時ああ演奏すれば良かった」と感じたことは そのまま憶えていて それを修正することもできる。 でも、全く新しいものを作り出す力が、 明らかに枯れていました。 演奏したのはすべて、 仲間が学生時代に作ったオリジナル曲でしたが、 例えばアレンジし直すとかいうことができるのか、 不安になってしまいました。 それでも、 ほとんどぶっつけ本番でステージに上がった瞬間、 冗談抜きで本当に胸が熱くなりました。 たぶん、学生時代最後のライブでも こうはならなかったんじゃないかと思うほどに。 内輪と言ってしまえばそこまで。 でも、 ステージに駆け上がって来んばかりに盛り上がる 客席の後輩たちの姿に、 私は本当に感極まっていました。 20分……とても短かった。 名もない歌にやわな生命(いのち)を捧げたLong long time あこがれは無情な影だと言われ 去りゆく友達(とも)が残した旅の地図は 夏の空に溶けていった (詞・曲 桑田佳祐) 3回目にしてようやく曲の紹介に行くわけですが(笑) 今回取り上げたサザンってのは 学生時代のバンドがそのままプロになったわけで メンバーを入れ替えずに(1人辞めたけど) ここまで同じ仲間で第一線で活躍し続け 私たちの子供の世代にまで きちんとその音楽が届いている。 ある意味 あの頃の私の理想型でした。 さて この歌には 「大人になるための裁きを受けて」 というフレーズがあります。 遙か遠い入社式の日。 望んでいた会社だったはずなのに 「夢を捨てて、ただの会社員になるんだなあ……」 そんな敗北感を心に抱きました。 しかし いつしか その仕事の中にもそれなりの夢を見つけ 少しずつ自分は「違うところ」へ流れていった…… そんな自分を否定したくはない。 せつなさを抱えたまま、前に進むしかない。 あれは一夜の夢、 同じ立ち位置には もう戻れない。 そんなことは百も承知でいて、 それでも私は 「やっぱりもう一度舞台に立ちたい」 そう思ってしまうのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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