「守ってあげたい」 ~松任谷由実
病院に着いた時、だんなはいつもより元気そうに見えました。正直、今回の入院は治療というより、リハビリのためのもの。外来でリハビリすることもできるのだけれど、どうしても時間が細切れになってしまい効率が悪いので「短期集中型」で毎日みっちりリハビリを入れるため入院したようなものです。「合宿免許を取るようなものだ」お互い、そう言っています。第三者がみればもう、後遺症がどこにあるのかほとんどわからないほどに回復している。だから、私でさえ時々「いつものだんな」の感覚で話をしてしまう。でも、脳のことなんか本当はわからないんだよね。普通に話しているようでもしかしたら 自分が本当に話したいことをすべて思い通りに話せているのかどうか わからない。何げに仕事の愚痴を話していても愚痴が言える仕事ができる私が今のだんなには たぶんうらやましいんだろう……。「本当に 仕事に復帰できるんだろうか……」だんなのつぶやきが痛い。 So, you don't have to worry, worry 守ってあげたい あなたを苦しめるすべてのことから (詞・曲 松任谷由実)そうできたら どんなに良いだろう。守ってあげるだけの力は 決して十分にはないけれど自分がいることが少しでもだんなの不安を取り除くことの力になれれば。今はただ それだけです。