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2007.04.22
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カテゴリ:ちょっと思うこと
戦後に生まれた私たち団塊の世代や戦中に生まれた人たちは、10数年後戦後に始まったTV放送の影響を強く受けて育ったはずだ。

TVが始めて町にやってきた頃、NHKでやる大相撲が大人気で若乃花と栃錦の全盛期であった・・・。

やがて皇太子が民間の正田美智子様との御成婚(今の天皇)の儀が行われ、その様子を見たさにTV受像機の普及率は飛躍的に伸びたと言われている。

そしてTVの人気番組なったのがアメリカのテレビ局で作られたホームドラマや、西部劇などである。

記憶にある方も多いだろうが、「パパは何でも知っている」や「ビーバーちゃん」、「ローンレンジャー」、「名犬リンチンチン」、「名犬ラッシー」、「ララミー牧場」、「ボナンザ」「ガンスモーク」などが記憶に留まっている・・・・。

私が特にその影響を感じるのは、アメリカのホームドラマでの、アメリカ人の生活ぶりを見たことだろう。

当時の私たちの感覚では、「パパは何でも知っている」や「ビーバーちゃん」というホームドラマの舞台となった中流アメリカ人のサラリーマン世帯の生活ぶりが、アメリカ人の標準的な家庭の姿であると感じていて、疑いを持ってはいなかったたはずなのである。

私はその番組に登場するアメリカの中流家庭の設定こそが、我々の世代や戦後にTVを見て育った日本人の心に大きな影響を与えた物であると感じているのです。

家庭に一台の自家用車があり、洗濯は電気洗濯機があり、戸建の家は広い芝生の庭があって、子供たちには各自の子供部屋があることが普通だった・・・・・。
子供たちは私服で学校に通い、教科書はランドセルでなくブックバンドで締めた数冊を担いで出かけてゆく・・・自転車は各々持っている。
家の主は背広を着て出かけるサラリーマンであり、綺麗な奥さんと、たいてい3人ほどの兄弟がいるのが普通である。
兄や、姉がボーイフレンドやガールフレンドと楽しい学校生活を送っていて主人公は少年や少女だった・・・。

こんな豊かな国と我々の国は戦争をしたのだな~・・・・勝てないわけだよ・・・なんて理解の仕方もしたように思う・・・。

私はこの二つのホームドラマにおける家庭や住居のあり方が、我々の描く理想の家族単位になって行った事に殆ど疑いを持っていない。うらやましく・・・憧れたと思うのだ。

恐らく、多くの我々の世代の少年少女は同じようにこれらのTVコンテンツを見て、同様に憧れ、心の中にそれを理想像のように漠然と残す結果となったと思われるのだ。

そして、年月が流れ、高度成長を遂げた日本の働く人々の中心は団塊の世代であり、次々と野原を切り開いて住宅街に変え、戸建の家を作るようになって行った、そして、家の間取りは主の書斎や妻の個室などは無くとも子供部屋は在るのである。ドアがあってかぎのかかる子供部屋が何処の家にも作られた。嘗てTVで見たアメリカの中流家庭の家屋の記憶がそうさせたのかは定かではないが、子供部屋という独立した部屋を作る親が多いことは事実だった。

私はここに現代の病んだ日本の家庭や学校の源流の存在を感じる者なのです。

我々は、アメリカの中流のサラリーマン家庭の有り様の背景や家屋の間取りの概念をきちんと学習せず、漠然と子供心の記憶に残った、子供部屋がある家、独立した自分の部屋があることをうらやましく感じ、憧れた思いだけが強く心に残っていた為、彼らの文化の背景やしつけの事などを全く考慮せず、それが進んだ考えとすっかり誤解してしまったのだろう。

とにかく子供部屋は必須と考える親が多いことだけは確実で、それは子供の時に見たアメリカのホームドラマの影響が端緒であると私は確信している・・・・。

アメリカ人の文化の中のごく一部が我々の脳裏に強く残ってしまい、自分が大人になった時、自分が家を持つ時、とりあえず子供専用の部屋を作ってしまって、専用のTV受像機さえ置いてしまう・・・その良し悪しの影響もわからず、プライバシーなんて言葉を振りかざして、子供に秘密を作れる空間を与えてしまったのである。

そんな親が犯した過ちは何だったのかと言えば、簡単なことだ。

アメリカ人の中流家庭の殆どでは、キリスト教が信じられていて、日曜学校という形で地域の教会に足を運び、教会でも、親からも、キリスト教的倫理教育を物心つく前から教えられていることががベースにあると言うことを抜きにしてしまったことが勘違いの始まりなのだよ。

心を抜きに形だけ真似た結果が今の日本の病んだ姿に繋がっているのです。

こんなシンプルなことだが、誰も大声で語りはしない・・・・。

敗戦後の日本は、それまでの神道と儒教、仏教の入り混じった精神文化をアメリカの占領政策によって失い、新憲法に信教の自由を謳っていることもあるのか、倫理観という長い年月のかかる国家の精神文化を継承できず、宗教的教育にもよれなくなったため、日本国は心を教育する機会を失ってしまった。・・・にもかかわらず、その部分を補完する手法を持たなかった結果が今の社会を生んだと言えるのです。

なんとお粗末な政策であったのかと言うことなのだが、アメリカ人も日本人も歴史的風土が生んだ文化と言うものを良く理解しておらず、自然に身に付いてしまった倫理観が何処からやってきてどんな影響をもたらしているか解っていなかっただけなのです。

アメリカなど、いまだにそこが解っていなくて、アフガニスタンやイラクでも同じ過ちを繰り返しています。自分たちの文化はキリスト教的倫理観の上に成り立っていると言うことを気が付かずそれが当たり前のことのように思っているから、外形だけを変えれば解決すると勘違いしているうえに、日本への占領政策が自分たちの大成功と思っていて、日本人の、侵入者に支配されたことがない単一民族の初心で実直な国民性が基本にあったことを理解していないのですよ・・・・。

日本人の親たちよ良く聞け!子供を育てるには、「躾け」という心の教育を、倫理をしっかりと教えなくてはならないのだ!それを抜きに「どうしてそんな子に育ったのか解らない」などとねぼけた事を言うな!心の教育をせずに育てればどんな風に育つか解らないのは当たり前だ、こんな有害な情報が氾濫している現代に、個室を与えて、自由にTVやPCを見させておいて、「どうしてそうなったか解らない」などというなら間抜けとしか言いようが無い!人間の心根は親がしっかり教育しなくてはならないところだが、それが自分では不足なら、学習塾だけでなく、教会でも寺でも通わせて、宗教的な手法を以ってしてでも倫理観を育てねばならず、それなしで育てられた子供の方が迷惑してるわけさ。

宗教が嫌なら自分で子供の心の教育が出来るように勉強なさい。哲学も思想も先人がちゃんと書物にして残しているではないか!いったい何を大学や高校で学んで来たと言うのだ!






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最終更新日  2013.11.04 18:22:00
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