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2012.04.08
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カテゴリ:ちょっと思うこと
東日本大震災に伴う甚大な被害と東電福島第一原子力発電所のメルトダウン事故のことを考えると、防げたはずの人的被害や国民の財産を保護する事への対策の失敗があるにもかかわらず、想定を越えた規模の地震と津波であると言って、その責任が何処にも無いとして良いものだろうか?

日本は四つの大きなプレートがせめぎあっているから出来た弧状列島であると言うのに「どうして日本の社会システムは地震や津波に周到な準備を怠ってしまったのか?」どうしてその部分を誰も深く追求しないのだろうか?。

私はその問題点が本当は何処にあったかをちょっと考えて見ました。

考えて気付いたことは、多大な人命に関わる重要な判断であっても、その判断を下した人達には、明確に責任を取るという意志も覚悟もないし、そうした事柄に対して責任を取らせると言う仕組みも殆ど機能しないに等しい状態が日本には在るのではないかと思えることです。

日本国政府や地方自治体の防災を受け持つ部署の人間や、オブザーバーである学者にも責任があると思うのです。

「想定を超えた」と言う発言が政府関係者の口をついて出て来るのは、彼らに本来負わされた国民の人命と財産を守るという責任を果せなかったことへの追求が起きないようにしたいと言う意志の現れであり、責任逃れ以外の何ものでもないのです。

原子力安全委員会における会議で「全電源喪失と言う事態は想定不用である」という決定を下した者達には責任が有り、業務上の過失があったと考えられるわけですが、会議に於いて議決権を持つ者達に責任を取らせるという仕組みが出来上がっていないから、どんな決定も本当に被害に遭う者のことを省みないような、いい加減なものになって行くわけです。

日本海溝付近で起きる地震による津波は、東日本大震災以前にも何万人もの命を奪って来たわけで、充分その脅威は知られていたのだから、大きな津波に対する準備不足も明かな人災であり、原子力発電のメルトダウンも経済性を求める企業側の圧力に依って引き起こされた人災なのです。

誰も責任を取らないで済む決定だから、いい加減な限度設定で対策が行われ、その結果2万人もの国民が死に、広大な農地や山林、住宅地や河川、湖沼、海洋が放射能で汚染されたのです。

千年に一度起きるかどうかという災害を想定した設計をしていたら商売にならないと言った者は責任を取って頂きたいのです。

全電源喪失は想定しなくても良いと決めた会議のメンバーも、近年の記録に残っている規模以上の地震や津波より大きな規模を想定しなくても良いと、決定した者達も、責任を取らねばならないのです。

徒らにスケープゴートを作る様な行為は戒めるべきであるが、「非常に重大な決定が、責任を取る覚悟など微塵もない、ひどく無責任な輩によって決められている事が原因になって、このような人災が起きたと言い得るのではないか?」ということなのです。

重要な判断を担った者は、失敗すれば重い責任を取らされるという社会通念や法的仕組みが出来ていれば、人は罰を受ける結果にならないように慎重に予測し決定することになるはずだから、人災は最小限にとどめることも出来たはずであり、結果的に責任者が罰せられるということも起きにくくなるのではないかと考えられるのです。







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最終更新日  2013.11.04 18:18:25
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