オーストラリアレポート その6
今日は午前中に、ビクトリア州の教育省を訪問しました。制度についてのいろいろな説明をしてもらったわけなんですけど、これって僕らが聞くべき話なのかという疑問は残ります。だって、どんなに優れた制度の話を聞いたって、僕らには日本に持ち帰っても何もできないのです。これは文部科学省のお役人や、政治家の先生が聞くべき話だというのが、参加者一同の見解です。そんな中でも興味深かったのが、year11.12(義務教育11、12年生)を対象としたVCAL(Victoria Certificate of Aoolied Learning)というプログラムの話です。要は大学進学希望じゃない人たち向けの実践型の教育プログラムで、職業資格に直結する科目を選択して学び、職場実習や専門校での実習もあり、それも評価の対象となります。オーストラリアの教育は、目的を持って努力できる人には非常にいい教育なんですけど、そうでない人には厳しいのが正直なところです。ビクトリア州でもそれは同じことなので、生徒個々の目的に対応する柔軟なプログラムを用意して、生徒の意欲の向上を図る必要があったのです。このプログラムの優れたところは、能力のレベル別に、Foundation,Intermediate,Senior3つのレベルが用意されており、幅広いニーズに対応できるようになっていること。特にFoundationは、難民や学習困難などへの対応を目的とした基礎基本のコースで、働く意欲さえあれば、個々のできることで学ぶことが可能となる。一方、Seniorではかなり高度な知識技能を要求される職種に対応するカリキュラムを用意しており、実に懐の深いプログラムです。国の教育省も注目するだけのことはあるなという感じです。