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ネオ・ヴェネツィア戦線

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帝国軍第3特務部隊所属・なおき大尉

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第2話 謳


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第3話 迫る崩壊


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ふんどし武闘家伝説(2)


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ピノーとテディ


暗鬼


プロローグ


第1話 闇の胎動


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第3話 覚醒


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豚キムチ


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2005.12.19
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カテゴリ:小説風
夜中に電話がなった。祖母からの電話だった。俺を呼び出すもので、祖父に水を飲ませて欲しいというものだった。


『水を飲ませて欲しい』

意味が分らなかった。夜中に呼び出して、水を飲ませるとはどういうことなのか。祖父の家に着くなり、寝室に案内された。


すると寝室では、息も絶え絶えになった祖父が苦しそうに寝ていた。そして、俺を見て言った。

「最後に、水を飲ませてくれ・・・」

嫌な予感が脳裏を過ぎった。

『人は死ぬ間際、水がのみたくなる』と聞いたことがあったからだ


さすがに、これには焦った母は救急車を呼び急いで病院へと祖父を運んだ。

高血圧だった。軽い脳梗塞も起こしていた。

この頃、親父が色々と問題を作り祖父と対立していて、そのストレスで引き起こしてしまったのだろう。

脳梗塞とか脳卒中とか、まだ小学生だった俺はそれほど知らなかったが、最悪は死、よくても手足の痺れや、呂律(上手くしゃべれなくなる)が回らなくなることくらいは知っていた。


翌日学校があった俺は、祖父が病室に運ばれる前に家に帰った。

そして、布団に丸まって泣いた。

「祖父ちゃんを神様助けてください。俺の命を少しでもいいから上げてください!」

そう何度もつぶやいた。何回も、何回も。嗚咽で上手くいえなくても。


祖父は、俺の父親だ。いや、正確には育ての親だ。両親は俺が生まれる前から共働きで、幼稚園に入る年になったら、再び母は働き出した。


両親の帰りは平均して夜の8時。朝も、7時には出かける。それゆえ、一日の大半を祖父母と一緒に居た。

すると、不思議なもので祖父母も母や伯父さんたちを育てていたことを思い出したのか、名前を間違えて呼んだりする。気がつけば、親子のようになっていた。


だから、祖父はあの時呼んだのだろう。祖父からすれば、孫ではあるが、子供で末っ子なのかもしれない。


それから数年。すっかり祖父はよくなった。父親とも縁を切り、ストレスがなくなったのもあるだろう。

それからは、祖父が正式に父親だと思うようになった。養子縁組を勧められたのもあるが、なにより・・・。


「お前が就職して、嫁さんもらってくるまで生きなくちゃな。」


そういって、目を手術して視力を回復し俺の父親になろうとしてくれているのだから。



そんな、祖父との約束がある。

叔父さんのときのように、新婚旅行に同行させてやるよという約束が。

きっと、祖父はそれを覚えていて目の手術もしたのだろう。

まったく。素直になれない親父だな。





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最終更新日  2005.12.19 04:29:21
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