カテゴリ:勘違い系
バスの中の英会話一家、そして年の差夫婦のフランス語教育の話から、芋蔓式にヘンな教育マニアのお母さんを思いだしてしまった。
ある裕福なお宅。美男美女のカップル(年も釣り合っている)に、色白でおとなしい一人息子がおりました。お父さんの方は、仕事一筋の人だから、息子の教育方針は美人のお母さんが担当。そしてそのお母さんは、英語マニアだった。 かくしておとなしい一人息子、小学校の時点で、日本人子弟に対しては、とっても学費が高いアメリカンスクールに送り込まれることになった。 それまでも毎年、美人の母上は子連れで、海外の英語学校に短期留学していた。「子どもは覚えが早い」と言われるから、お母様はどうも、息子が自分よりもずっと、英語が堪能に成長していると信じ込んでいたようだった。 確かに、小学校にあがるまでには、すでに、ある程度の英語が使えたのだろうとは思うが、母親が信じるほどには、順調な仕上がりではなかった。その結果、アメリカンスクールに編入した彼は、まったくついていけなくなってしまった。しかも友達もできない。おとなしい少年は、中学生になるまでに、暗い少年に変貌してしまった。 中学生になったころ、学校で友達のできない彼は、家の近所で友達を作ろうと頑張った。通りすがりの、同じ年頃の子どもをつかまえては話しかけ、家に遊びに来てもらう。そしてケーキだ、ジュースだ、ファミコンだ、で大歓待した後、「また来てね」と新しい友達を送り出す。でも、同じ「友達」が二度訪ねて来ることはなかったようだ。 ある日、私はアメリカンスクール君が、新しい「友達」をかき口説いているのを目撃した。「ねえ、今度はいつ、会える? また会ってくれるんでしょう?」 美男美女の両親を持つ色白の少年は、甘やかされているせいかちょっと小太り。なんとなく女性的な風貌だ。そしてセリフが「また会ってくれるでしょう?」だから、飽きられたことを察知したオンナが、オトコに縋り付いている光景に見えた。 縋り付かれている方の男の子は、近所の悪ガキという雰囲気の、態度も服装も乱暴そうなタイプで、アメリカン君が腰をかがめるようにして、下からのぞき込むのに、ぷいっと顔をそむけた。「わかんねー。じゃーなー」 自転車に飛び乗って走り去る友達を、アメリカン君はぼーぜんと見送ったのち、肩を落としてとぼとぼと、家の方に帰っていった。かわいそうに。 その後、その一家は、美男の父の仕事の関係で引っ越してしまったから、なよなよした一人息子がどうなったのかは知らない。 いずれにせよ、不必要に子どもに英語を強要するのは、やめた方がいいと思う。成功すればいいが、子どもの性格によっては、大失敗に終わるし、成長期のそうした失敗は、心に大きな傷を残すだろうから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年05月23日 21時53分37秒
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