カテゴリ:非常識系
今日の話は「じーさん」ではないんだけど、あまりトピックを増やしても、と思ってこのタイトルでまとめることにした。
ちょっと前に、長距離バスで京都まで往復した。前の日の晩に東京を出発すると、早朝の京都に到着する。それで二三日滞在するならまだ良いが、ついた日の晩にまた、東京にとんぼ返りしたから、まー、疲れた。 疲れた原因は、長時間バスに乗っているせいもあるが、後ろの座席のガキ。バス自体は、一人がけのリクライニング席だし、結構快適。ところが、私の真後ろに、バカなガキ(男)が座っていたのだ。 こいつは(想像するに)バスに乗るなり、だらりと背もたれに倒れ込み、両足を上げて私の背もたれに突っ張るようにしたらしい。そしてあろうことか、両足でばんばん、私の背もたれを蹴り始めた。 蹴るというよりも、私が受けたリズミカルな振動から察するに、ラジオ体操にある膝を曲げてしゃがみ、また立ち上がる、みたいな(あれは屈伸というのだろうか?)運動を、だらりと座ったままでやっている、という感じだった。要するに膝をそろえて、両足でイスをぐいっと押し、また膝を緩め、更にまたぐいっと押す、ということを、延々と繰り返していた。 私は我慢強い方なのと、争いごとを好まない内気な性質なので(ほんとかね)、しばらく我慢していたが、ついに耐えきれなくなって、リクライニングを限界まで、勢いよく倒した。「ぐっ」と息が詰まるような音。更に一拍遅れて「ぎょわ~~~~~~~~~~~~~~~~~ん」 ガキが泣きわめく声が炸裂した。 これも確かめたわけでないが、想像するにそのガキは、リクライニングを立てたまま、尻を座席の端ギリギリまで落とし、私のイスの背中のちょうど肩の辺りに足を上げて、ぐいぐい遊んでいたようだった。でもって、私がリクライニングを超スピードで倒したから、おしめを変えてもらう仕上げとして、パウダーを股間やお尻にはたいてもらっている時の赤ん坊のような、あるいはカエルが仰向けにつぶれたような格好になったものと推測される。 ぎゃーぎゃーわめきちらして泣いていたが、知ら~ん顔をしていると、坊主の隣にいた父親がおずおずと「すいません、リクライニング、もうちょっと上げていただけますか」と私に声をかけて来た。内気な私は お父さんをにらみつけ、「お宅のお子さんがね、蹴ってるんですよ、イスの背を、さっきからずっと。だから倒したんです。今度蹴ったら、二度と上げませんからねっっ」と宣告した。そして、ガキが足を回収できる程度にちょっとだけ、リクライニングの角度をあげた。 「すいません、すいません、良く言って聞かせます」と、恐縮して謝ったお父さんは、バカ息子に、穏やかな優しい声で諭し始めた。「●●君(君付けかよー)、前の人の迷惑になるから、蹴ってはいけないよ」 ガキは「だってー」とかなんとかぐずっていたが、かなり格好悪い姿にべしゃっと潰されたのがショックだったのか、その後はおとなしくなった。 翌朝、京都駅に着いて思いっきりのびをしていると、ちょっと離れたところに、5人のグループが立っているのが見えた。日本人の夫婦と、中学生くらいの息子と、アメリカ人っぽい夫婦の5人だ。日本人の父親が、息子の方を向いたとき、横顔が見えた。カエルのお父さんだ。と、言うことは、あの中学生がカエルか? ばたばたと他人のイスの背を蹴る行為、蹴っていた席と自分の席に、妙な形で挟まれた途端にぎゃーぎゃー泣き声をあげた様子、そしてその声の感じから、私は小学校のせいぜい中学年くらいの子どもだと思っていたのだ。それが、鼻の下の産毛が、うっすら黒くなり始めているちゅーがくせーである。 それにしても、お母さんも同行していたとは意外。お父さんに一生懸命、息子の世話をさせておいて、子どもがぐずぐず泣きわめき始めても、声ひとつかけなかったなんて、どういう神経してるんだろう。 そのグループを横目で見ながら、朝ご飯が食べられそうな店を探しに歩き始めた私の耳に、お母さんが嬉々として、外人さんとしゃべっているのが聞こえた。ああ、そうか。この人はバスでも、英会話の方に気を取られていて、亭主も息子も眼中になかったんだ、きっと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年05月19日 15時11分38秒
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