カテゴリ:完全にイッちゃってる系
ウチの近所の路線バスには、劣悪な運転手さんが多いのかどうか知らないが、つい先日もヒドイ人に遭遇した。
自宅近くから、バスに乗った。すると次のバス停から、母の友達が乗ってきた。「あ~ら、Gomaちゃん、どこ行くの? おつかい?」 うっ、てんで子ども扱いである。 それ以上、私の行き先を詮索することなく、ご自分の行き先について、ひとしきり、おしゃべりを披露してくださったため、私よりも先に降りるはずだったその小母様は、なんと、降りるべきバス停を乗り過ごしてしまった。そこで彼女は運転手さんのところへ行き「次のバス停はどこですか?」と訊いた。 「はぁあ?」 訊かれたことが聞き取れなかったときに、「え、何ですか?」というニュアンスで言う「はぁ?」ではない。最近の若いお兄ちゃん、お姉ちゃんが、「何言ってんだよ、ばーか」という意味で、眉根を寄せ、口をゆがめた見苦しい顔で言うときの、あの「はぁあ?」だ(ちなみに運転手さんは、40代くらいの中年男性)。 はなはだ無礼なもの言いではあるが、運転手が全面的に悪いのでもない。だって最近のバスは、正面に電光掲示板のようなものがあり、「次はどこそこ」と表示されているからだ。でも、それに気づかないおばさんは、「次はどこで止まるんですか?」と言い換えた。すると運転手さんは言葉を節約するのを諦めたのか、「何言ってるんだか、分かんないんだよ」と吐き捨てた。 呆然として、おばさんは私の後ろの席に戻ってきた。「なに、あれ?」と、あまり小さいとは言えない声で言う。タクシーでの不快な経験以来、私は「態度の悪い運転手さんデータバンク」と化している。そこで、そのバスの乗務員名に目をやったところ、私のデータベースを何度もヒットした「O」という、結構珍しい名前の運転手だと気づいた。 この人は常に、コンスタントに、誰に対しても公平に、感じが悪い。たぶん、毎日機嫌が悪いのだろう。精神状態が一貫しているという点では、見上げたものである。 「次は●●ですよ。ほら、前に書いてあるでしょ。ここからちょっと先に行ったところだから、それほど歩かずに戻れますよ」と、私は母の友人に言った。 「あら、そうぉ」と答えたものの、おばさんは運転手の態度に疑問を感じ、心ここにあらずという風情だった。そして、再び立ち上がった。 「すいません。次はどこで止まるんですか?」 うわー、おばさんパワー、おそるべし! が、それに対して不機嫌野郎パワーも炸裂した。 「●●って書いてあるだろう!」 それでもおばさんは諦めない。 「●●って、△△の前辺りですか?」 そう言えばおばさん、私が生まれるよりも、その運転手が生まれるよりも前から、その辺りに住んでいたんだから、そもそも、人に訊く方がおかしいのである。もし、△△の周辺をなわばりにしている野良猫が存在するならば、何匹いてどんな色で、どのオスとメスがデキてるかまで、知っているようなおばさんなのだから。 どういう意図があって、何回も訊くんだろう? 私は混乱した。も、もしかして、これってそもそも、嫌がらせか? おばさんの、言葉遣いは丁寧だが、ある種執拗さを感じさせる言動に、底知れぬ悪意を感じ取ったのかどうか、「O」さんは返事をしなかった。おばさんはまた、私の後ろに戻ってきた。そして、故意だったのか、ど忘れしたのか、次のバス停で降りるという意思表示をしなかった。つまり、降車ボタンを押さなかった。 「O」運転手、どうするかなーと思ってみていた。「降車ボタンを押してねーんだから」と意地になって、次のバス停を通り過ぎるかな? バスは△△の前で止まった。 「お母さんによろしくね~」 私に機嫌良くひらひらと手を振って、おばさんはバスを降りていった。 この勝負、土俵ぎわでおばさんのねばり勝ち、という感じがしたのだが、本当のところは分からない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年05月27日 23時26分57秒
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