カテゴリ:勘違い系
駅の前にある某チェーン店で、「カードを作ってもらえませんか」と、店員に勧誘されたことがある。
そこでは滅多に買い物しないので、「え、良いです」と断ったが、カード勧誘が何らかの成績になるのか、「今カードを作ると、今日から割引きになりますから」などと、泣きそうにな顔で懇願するので、感じの良い店員さんだったこともあり、「うーん、じゃ、まぁしょうがないか」と申込書を受け取った。 申し込みそのものは、別の階にあるカウンターで行う必要があったので、面倒だったがそこへ出向くと、店員とはうってかわって感じの悪い、警備員みたいな感じのおっさんがいて、私を冷たいヘビのような目つきで睨みつけてきた。 根が鈍感なので、そのように睨まれても余り何も感じず、申込書を渡してしばらく待っていると、その感じの悪いオヤジが、デキの悪い生徒を叱る強面の先生のような調子で私の前に立ちはだかり、腰に手を当てて怒鳴るように言った。 「アンタ、ウチのカードを以前にも作ってるねっ」 はあ? という感じだが、そうそう、確か、学生の頃、無理矢理に作らされた覚えがあった。そのチェーン店はもともとが月賦屋さんとして出発したから、私がカードを作った当時は現金払いや一括払いを嫌い、何でもかんでも分割払いにさせようと試みる傾向があった。それで嫌気がさして、そんなカードは1年も経たないうちに、捨ててしまったのだ。 そんな経緯をぼんやりと思い出しながら、「ええ、確か持っていましたね」と言うと、そのオヤジは更に激怒の度合いをアップさせ、万引き犯の首根っこでも捕まえたかのような高圧的な調子で、他のカードを出せ、と言った。 これまた はあ? という感じだが、要するに他のカードで、支払状況をチェックする、と言うのだ。バカな私は通常使っているクレジットカードを渡したが、しばらくするとさすがに腹が立ってきた。 何で必要もない、そんな店のカードを申し込むために、長いこと待たされた挙げ句、感じの悪い応対をされ、しかも通常の支払状況などという、個人情報をそのオヤジに証明して見せなければならないのか? 私のカードのデータが書かれているらしい紙が、どろどろどろどろと、○井(全然伏せ字になっていないが)の床に流れる中、私はツカツカとオヤジの元に近づき、申込書を引ったくって、粉々にちぎって捨てた。 「悪いけど、こんな店のカード、私には必要ないから」 その捨てゼリフにか、申込書をひっちゃぶった勢いにか、それとも私の支払状況の健全さかにあっけにとられていたオヤジは、ぽかんと口を開け、バカみたいに突っ立ったまま、立ち去る私を見送っていた。 一体客をなんだと思っているんだ、○井はっ、と当初は腹が立ったのだが、どうも、簡単にカードを作れるお店だけに、きちんと支払わないなど、ロクなお客がいないらしく、「一度カードを作っているのに、また作ろうとしているヤツ」として、厳しい態度を取られたらしい。バカモノ、そういうことはちゃんと、人を見てしろっ ま、いつもジョギング帰りみたいな、へろへろした恰好でうろついているから、仕方がないかもしれないが、私は金輪際、○井では買い物はしないと決めている。例え出先でストッキングが伝線して、その周辺には○井しかなかったとしても、絶対に買わない。デンセンしたままで歩いてやる。 それにしても気になるのは、あのどろどろと流れ出た紙を、キチンと始末してくれたかどうかである。あの紙も引ったくって、破いてやれば良かったと、今頃になって思ってみたりして。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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