カテゴリ:勘違い系
同級生のドイツ人で、もんのすごいハンサムなヤツがいた。少女マンガに出てくる美男子そのもの、みたいな容貌で、世の中に本当にこんな顔立ちの人、いるんだー、と思ったものだ。
ところが、である、東洋系からは「ハンサム!」として熱いまなざしを向けられていた彼だが、ヨーロッパ系の学生からは、特に何とも思われていなかった。ごく普通の容貌、ととらえられていたようなのだ。 平べったい顔が多い極東系の人たちは、彫りが深い顔立ちを羨ましく、好ましく思うのかも知れないが、メリハリがあって当然、という顔立ちの人々にとっては、メリハリ部分に対する評価は、無いに等しいのかもしれない。やはり文化によって「美形」の判断基準というのは、かなり違うのであろう。 同じ東洋系でも、アラブ系の男子学生は、金髪碧眼の女性に弱かった。浅黒い肌と黒っぽい髪、瞳を持つ彼らにとって、色が抜けるように白く、髪の色も目の色も薄いタイプに、非常な魅力を感じたようだ。彼らが好んだタイプは、私などから見ると、取り立てて魅力のある容貌ではなかったのだが。むしろアラブ系の女性の方が、よっぽど綺麗なのに、と思ったものだ(これもまた、彫りが深いことへのあこがれかもしれないが)。 前に書いたかもしれないが、かつてハウスシェアをしたことがある韓国人の女性は、もー、毎日見とれてもあきないほどの美貌の持ち主だったが、彼女のボーイフレンドであるイギリス人男性は、彼女がすごい美人であるという認識は、もっていないようだった。 反対に、とあるイギリス人女性が、平凡な容貌の日本人男性のことを「あの短い鼻が、超せくしー」とか言っていた。「短い鼻」とは、低い鼻のことである。 不思議なもので、自分が大いなる欠点だと思っている部分が、他の文化圏の人にとっては、美点として評価される場合がある。容貌だけではなく、日本人がとっても気にする発音にしてもそうだ。 私の知人のイギリス人男性は、かなり英語が上手な日本人でも、時々「L」と「R」の発音を間違えるのが、「とてもチャーミング」と言っていた。相手が男性であれ女性であれ、また年代を問わず、キュートだな、と思うのだそうだ。 相手が高く評価してくれる場合は、自分の文化で言うと「勘違いだろ、をい」って感じのするときも、有り難く受け入れて置いた方が、精神衛生上良いのかもしれないと思う今日この頃だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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