カテゴリ:完全にイッちゃってる系
今日の帰りがけ、花屋さんに寄った。千両とか胡蝶蘭とか、お正月用の飾り付けが、とっても綺麗だったから。
でも、別に買うつもりはない(高過ぎ)ので、店内をぶらぶらしていると、優雅なフラワーショップには不釣り合いな、怒声が聞こえてきた。 「だから! この色は使わないでって言ったでしょう!」 40代後半くらいとおぼしき、狐のような顔つきをした女性が店員を叱りつけている。彼女と店員の側には、どなっている女性と同年配の女性二人がいて、見守っている様子なので、三人連れの買い物客なのだろうと思った。 「この色はつ・か・わ・な・い・でっ! 分かってるのっっっっ????!」 狐面のおばさんは、叫び続ける。店員はアタマを下げてはいるものの、何となくハッキリしない態度だ。たぶん、おばさんがアレンジを依頼した商品が、彼女のイメージと異なるものなので、怒り狂っているのであろうに、そんな態度じゃ、火に油を注ぐよ、と思った。 「この色は嫌いなの。分かる? 嫌いなの。だから使わないでってあれほどいったじゃないのっっっっ」 おばさんはまだまだ怒鳴り続ける。が、そう言いながら、唐突に、半径50センチくらいのの円周上をくるりっと回り始めた。そして一周すると、店員さんに向かってまた手を振り上げて怒鳴りの作業を再開。 何だ、この人? 「この色は使わないでって言ってるでしょっっっっっっ!」 おばさんはまた、半径50センチくらいの円の上を、のしのしと行進して、店員に向き直る。そして、お店の入り口付近の天井近くを指さして「この色は嫌いなの!」と言ったと思うと、 「きらいっ、きらいっ、きらいっ」 と、幼稚園の子供が駄々をこねるような調子で言った。しかもお遊戯をするときのような、非常に大きな足踏み付きである。あ、あたまの変な人か。 「きらい、きらい、きらい」の一言ごとに、大きく足踏み状の地団駄を踏んで(本当に踏んでいる人を初めて見た)、おばさんはダッとお店の外に走り出すと、そのままダッシュして消えてしまった。 おばさんの連れだと思っていた女性たちは、千両の鉢植えを指さしながら、そのまま何ごともなかったかのように、店員さんと話を始めた。たぶん、その二人の女性が店員さんと商談をしていたところに、地団駄キチガイのおばさんが、割り込んできたのだろう。 店内の人々の興味も薄れ、見物人が解散したところで、私も店を出た。アタマのおかしいおばさんが指さしていたものが何かと見ると、長い竹の柱の上の方に切れ込みを入れ、花瓶のようにして、黄色い花と赤い花を飾った、お店のお正月用ディスプレイだった。 おばさんは赤と黄色の、どちらが「きらいっ、きらいっ。きらいっ」だったのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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