カテゴリ:非常識系
今年最後の仕事で、みょ~な方と出会った。
先方がクライアントであることは確かなのだが、こちらはあくまでもお願いされている立場。先方をクライアントにしてあげるかどうかも、まだ決定事項ではなかった。一応、お話をききましょうか、という感じだ。 先方のオフィスに、二人で出かける。高層ビルにある見晴らしの良いオフィスは、それほど広くはないようだが、開放感にあふれていてなかなか良い感じ。 ところが、出てきた社長が何ともうさんくさい若造である。若くして起業して成功したという、最近よくあるパターンっぽいが、事前に聞いていた話では三代目社長なんだそうだ。おぼっちゃま君なのね。 そのしゃちょーは、席につくなり、とうとうとこちらに頼みたい内容を語り始めた。が、手元の資料は手元に置きっぱなしである。そして、子供が答案用紙を隠し持つような手つきでその資料を見ながら、 「ここの部分がね、あれなんだよなぁ」 「でもって、こっちの部分は、こんな感じで行きたいんだ」 とか言う。見えねぇよ…… 補佐をしている女性が、はっと気づいて、あわてて資料のコピーを取りに走ったが、段取りの悪い会社である。そしてその女性が、コピーを持って帰ってくる頃には、若造社長の話は終わっていた。 「何かわかんないトコ、ある?」 ぜんぶわかんねーよ。とは言えないので、 「資料をコピーして頂いたようですので、こちら、ご確認させて頂きますが」 とにこやかに笑う私たち二人。社長は、補佐の女性がコピーを私たちに配り始めても、自分がいかにじこちゅーな振る舞いをしていたのかに、思い至らなかったようだ。 帰りがけ、「珍しい人だよねぇ」とうなづきあい、内心の「ばっかじゃねーの、あの社長。あんな会社、長くもたねーよ」という思いを共有しあったのだった。 年明けに、ご期待に添えない旨を、丁重にお断りすることになっているが、どうして断られたか、分からないんだろうなぁ、ああいう人には。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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