今日のヘンな人

　先日のスパゲッティ屋事件の続きのような話なのだが、今日、コーヒー屋でぼーっとしていると、目の前を、30代前半くらいの、実直そうな雰囲気の男性が通り過ぎた。

　どこと言って、特長のないタイプなのに、目の前を横切ったときから、通り過ぎるのを見送ったところを見ると、やっぱり私の「変な人探知機」に引っかかる何かがあったのだろう。

　目の前を通ったとき、私は横からその男性を見ていたので、背中のフードにトウモロコシ色っぽい（たぶんフェイク）ファーがついているのが見えた。フードの縁取りである。、妙にファーがふさふさしているようなのが、ちょっと気になる程度で、どこといって異様なところはなかった。

　が、通り過ぎてしばらくして、斜め方向から後ろ姿が見える角度になると、その「ファーの縁取り」が、一カ所にしか無いのが確認できた。フードのファーと見えたのは、彼が背中にくくりつけている人形の髪の毛だったのだ。

　連れの友人に「をーをーあうあうっ」とばたばた合図すると、彼女はささっとさりげなく立って、その男性の後を追いかけた。しばらくして戻ってきて報告してくれたところによると、彼が背負っていたのは、金髪の赤ちゃん人形だったそうだ。かなり後をつけたけれど、その人形にふさわしい年齢の子供と、合流する様子は無かったそうだ。

　私があうあうし始めるなり、変な人を追っかける友人も友人だが、正月明け初の週末に、いい年をして赤ちゃん人形を背負っている人も相当におかしいと思うのは、私だけであろうか（でもこの手の人、もう慣れちゃったし）。