カテゴリ:完全にイッちゃってる系
今日、仕事で東京近郊のちょっと大きめの都市にでかけた。帰りがけ、そこの駅の改札の前に、ちょっと小首をかしげるようにして、こめかみに指をあてている男性を見かけた。
40代くらいの男性で、めがねをかけた実直そうな風貌だが、長身にざざーっとトレンチコートを着ているのが、妙に似合っていて、素人っぽくない感じ。こめかみに指をあてているのも、なんだか良く分からないポーズだよなぁ、と思いつつもうちょっとよく見ると、それは指ではなく銃身だった。 じゅうしんってあの、ピストルの弾の出てくる手前から差きっちょの辺りね(と説明した方がわかりにくいか)。 最初に黒い革手袋をはめた指だと思ったのは見間違いで、どう見ても銃身である。道理で妙に長いと思ったんだ、指にしては。 銃身と言っても、もちろん、モデルガンだろうとは思うのだが(本物である可能性も否定できない)、どうやら、そのポーズを分析するに、その男性はコートの袖の中でモデルガンを握りしめ、銃身だけを出してこめかみにあてている様子だった。 怖かったのは、それが「本物かもしれない」ということではなく、かなり大きい駅で、人通りも多かったのに、誰一人としてその人の、奇妙な行動に気づいていない点だった。 むかーし読んだ短編のSF小説に、地球に宇宙人が紛れ込んでいる、というような話があった(人間のフリをしたロボット、という設定だったかもしれない)。で、誰も気づかないのだが、「子どもは異質な相手に敏感だから、相手の奇妙さを察知する」というようなことを、その物語を語っている人物が最後の方で言うのだ。 それが証拠に、最近、自分は外に出ると、子供たちにつきまとわれる…… というような言葉で、その小説は終わっていたような気がする。つまり、宇宙人だか、ロボットだかの地球侵略の恐怖について語っていた本人が、宇宙人だかロボットだかの仲間の一人(?)だった、というオチで終わるのだった。 記憶が定かでないので、まー、かなり違うストーリーになっちゃっているかもしれないけれど、今日、銃身の人に出会ったとき、「こんなんで、ちきゅーがしんりゃくされたら、誰もきづかないぢゃないかいっ」と、そんな想念がよぎったワケである。 おそらく昨今は、子どもの探知機もアテにならないのではないかと思う。やはりこれは、変な人探索部隊を編成する必要があるな、と思った次第である(ばか)。 でも、ほんとに怖かったんだってば>人間の無関心 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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