カテゴリ:分類不能系
以前の同僚に、被害妄想の気が非常に強く、何でもかんでも人のせいにする人がいた。彼は攻撃されるより前に、自分の方から攻撃に出るというクセがあり、私もその対象になったことがある。そのときは周囲から誤解され、えらく迷惑したものだ。
たとえば、である。その人が「今度の記念パーティには、出席したくないなぁ」と言ったとする。お調子者の私は、「えー、でもあそこの会場、ご飯美味しいよー。会費はちょっと高いけど、ソンはないと思うなぁ」なんて答える。すると彼は「でもどうせごった返すし、空気悪いし、メシなんて集中して喰ってる暇、ないじゃん」と言う。 「もしかしてホコリとか、気になっちゃうタイプ?」 「うん」 「そうかー、確かに、立食パーティーって料理出っぱなしだから、気になる人は気になるかもね。私はへーきだけど(笑)」 「それに●●さんも来るはずだし」 「●●さんと会いたくないの?」 「だってあの人、話長いじゃん。自慢話ばっかだもん」 「そういうところがあるってウワサは聞いてるけど…」 「あんなヤツに捕まったら、たまんないよ」 「ふーん、そんなに行きたくないんだったら、やめとけば?」 「そうしようかなぁ」 というような会話があったとすると、何とまあ、それが2日後には、「Gomaが、お前なんかパーティに出るなと暴言を吐いた。だからオレは行かない」という話になってしまうのである(詳細は上記通りではないけど、ほんとーーーーーーの話である)。 でもって私は、「出席するもしないも個人の自由。それを、ハタから口を出して、しかも行くなと命じるとは、なんたる僭越!」とか言って、周囲からものすごく白い目で見られたワケである。しかも私が「パーティの会費が高すぎる」「●●氏は自慢屋だ」と言っていた、という話までが、わあああああっと広まってしまったのだった。 でも、この事件はすっごくあっさりと解決した。彼はちょーしに乗って(か、口がすべったのか)私が「立食パーティ会場は料理が出しっぱなしだから衛生的ではない」と言った、と周囲に触れ回ったのが原因だ。間抜けな話だが、その話を聞いた人が全員、「あのGomaが、食べ物で不平を言うわけ、ないよなぁ」と不審に思い、彼の発言そのものを疑い始める結果になったのは幸いだった。 そのころようやく、私の耳にも彼のウソ話が入ってきて、周囲が妙によそよそしいことの原因が判明したのだった。私は結局、「私は何だって美味しいんです! 特にあの会場の料理はあぶらっこくて大好きです!」と言うだけで済んだ(ちょっと哀しいけど)。 くどくどと弁解しなくても、「そーだよなー、お前、腐ってなけりゃ、何でも美味しいって言うヤツだもんなぁ」と、受け止めてもらえたのは、日頃の行いが良いせい、じゃなくて、日頃の大食いのたまものである。通常、こういうあまりにもくだらない誤解は、後にしこりを残すことが多いのだけれど、食べ物に関わっていたので笑い話で終わったのは、非常にラッキーだったと思う。 実際、彼がウソをついていたのかというと、微妙なセンだ。「行くな」とは言ってないが、「行きたくないなら行くのやめたら」と、確かに彼に言っている。「安くはないけど元はとれる」というニュアンスだったにしろ、パーティの会費が高い、ということも、確かに言った。「●●氏は自慢屋だ」とは言っていないが、そういうウワサを聞いたことがあるのは、認めた。立食パーティが衛生的でないなんて、一言も言っていないが、そういう主旨の彼の発言に対して、「そう感じる人もいるよね」と認めてはいる。「本当にそういう主旨のことを言っていないのか?」と問いつめられれば、「そ、そりゃ、そういうようなことは言いましたけどね」と答えざるを得ない… 何で今頃、こんな話を思い出したかというと、最近(もうちょっと下火になったみたいだけど)世間をにぎわしている某有名兄弟の諍いがきっかけ。弟の方の目つきが、その同僚に、とてもよく似ているのだ。どこか自己陶酔したような、そしてどこか、いい人、まじめな人、正直な人を演じているような目の色が。 あの有名兄弟の弟がどういう人かは知らないけれど、テレビで彼の目を見ると、私は当時の不快な経験を思い出して、背筋がぞっとするのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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