値切る方と私
ベローチェというカフェがある。先日そこへ寄ったら、行列の先頭にいたおじいさんが、店員さんともめ始めた。 おじいさんは「白玉クリームぜんざい」を購入しようとしていた。260円である。だが、おじいさんはソフトクリームが嫌いらしく「クリームを抜いてくれ」と言う。それはそれで良かったのだが、お会計の段階で「260円です」と言われたのが気に入らないらしく「クリーム抜きなのに、どうして260円なんだ!」と大きな声を出した。 店員さんは、それが決まりの値段ですので、というようなことを言うと、おじいさんは顔を真っ赤にして怒り出した。「それじゃ、アイスコーヒーとコーヒーフロートの値段が違うのは何故だ!」 う、言えてるかも。 うろ覚えだが、ベローチェのアイスコーヒーは180円、コーヒーフロートは確か250円だったような。 それに対して店員さんは、アイスコーヒーとコーヒーフロートは別の商品として設定されているが、ウチでは白玉ぜんざいは扱っていないのです、と言う。コレももっともな話だ。フロートと違って、アイスクリームも小さいから、同じく60円だか70円だか引きにする訳にも行かないだろうし。 おじいさんは「解った」と言った。「だったら今すぐアイスクリームを乗せろ」と(すでに、クリームを乗せていない、ぜんざいの土台がおじいさんのトレーの上にあった)。 もう一人の店員さんが、ぜんざいの上にクリームをまきまきっとして、カウンターに戻した。するとやおらおじいさんは、トレーに置いてあったスプーンを手に取り、しゅたっどすっと、アイスクリームをカウンタ上に払いのけたのだった。「オレが買ったアイスクリームだ、どうしようと文句あるかっ」 おじいさんは凄んで去っていったが、そんなにアイスクリームが嫌いなのだろうか? もったいない…