|
カテゴリ:その他スポーツ
イタリア、セリエAのインテルに所属するルイス・フィーゴが中東のクラブに移籍した。
実は数週間前から移籍する、しないの報道が繰り返されており、動向が注目されていた。 フィーゴはインテルの前はレアル・マドリードに所属し、ペレス前会長の「銀河系軍団」の第一号として、仇敵バルセロナから当時史上最高の移籍金約60億円相当で入団し、2005年インテルに加入した。 インテル加入に際しては、主にワールドカップが理由にあったのだと思う。つまり、ワールドカップ前にマドリードで試合に出られないのは困るため、出場機会を求めたのだ。 インテル側は、相変わらず、大金を叩いても一向にタイトルが取れないチーム事情で、移籍金が不要であったフィーゴの獲得により話題性を狙ったものだ。 今期はワールドカップも終わり、インテルでも出場機会が減っていた、本人も衰えを悟ったのだと思う。 しかし、この報道、12月25日ごろに突然「移籍決定」と伝えられ、年末にインテル・フィーゴ本人側から「移籍はない」と公式に否定され、一転し「移籍決定」となった。 大金の絡む移籍事情だけに、交渉戦術の駆け引きがあったのだろうと推測するしかない。 実はM&Aの交渉場面でもしばし、似たような場面に遭遇する(もっとも、上場企業の場合、正式コメントを覆す、かつ、NOをYesとすることなど聞いたことがない。YesがNoになった例は結構ある:第一次花王・カネボウの買収劇)。 弁護士事務所などの交渉は熾烈だ。「もう結構です。優先交渉期日は明日までです。あさってからは次の候補者と交渉します。」なんてのはよく目にする光景だ。 売り手は自らの意思決定に方針があり(よいアドバイザーや弁護士がつくと、きちんと売却条件を整理して動いてくれる)、その方針の範囲内で前言撤回はよくある。 スポーツ報道と思ってみていると、感情的になるものだが、選手も含め当事者はビジネスだ。またヨーロッパでは古代ギリシア、ローマの時代から傭兵制度があったので、人身の売買劇のようなことは結構「契約」と割り切っている歴史もある。この辺が感情論に動かされやすい我々とは違うところ。つまり、サッカークラブにとって選手の売却は企業経営者にとって事業売却を意思決定するのと同じ感覚だと思われる。 ファンの心理 < そろばん勘定 の場合は売却に動くが、 ファンの心理 > そろばん勘定 の場合は動きにくい。 移籍のみのそろばん勘定 よりもファン心理というレピュテーションリスクをとるわけに行かないからだ。 このような場合、マスコミを通じて、「移籍する、移籍しない」の報道を繰り返し、ファン心理も「仕方ない」という納得感を引き出す作戦に出るクラブもある。もっともこの間に選手側が怪我をしたりすると大きく計画が狂うのだが…。 ビジネスでは従業員や取引先など売却のうわさが立つと、取り返しのつかない事態も想定されるので慎重な計画が必要だが、このようなうわさは意外と広まりやすい。 さて売却後のことだが、スポーツクラブは一部の超人気クラブや選手を除けば、おおむね厳しい台所事情にあるのが実態だ。よって売却代金の使い道も限定的であると思われる。 西武ライオンズが松坂の60億円の使い道を「すべて野球・ファンに使う」といったことは、上場廃止になったからいえるんでしょうね。村上ファンドが筆頭株主だったらとても言えやしない。 和田選手が年俸問題でごねてますね。 対照的に阪神の金本選手は一発回答でした。ベテラン選手は移籍金の使い道がどうなるのかしっかり見ているのだなあ。阪神の選手も村上ファンドが出て行ってほっとしているのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/01/08 02:15:09 AM
コメント(0) | コメントを書く
[その他スポーツ] カテゴリの最新記事
|