|
カテゴリ:その他スポーツ
ノルディックジャンプ団体銅メダル。おめでとう。
今回の銅メダルは正直予想外だった。葛西選手のコメントどおり「5~6番手の実力」 というのが妥当だろう。 長野オリンピックのように、確かラージヒル個人で7位だった葛西選手が団体メン バーに入れない、といった圧倒的な層の厚さは今回の日本チームにはなかった。 陣容も、 葛西:実は94年リレハンメル団体銀メダリスト(当時は「カミカゼ カサイ」と言わ れていた) 岡部:長野団体金メダリスト(彼は170cmない身長で2百メートル以上を飛ぶフライングが 得意だった) の両ベテランに 伊東、栃本の若手(といっても伊東はもう若手の領域を超えているが)のメンバー で、ベテランが若手を盛り立てるような形になっており、相変わらず、リレハンメル -長野時代の遺産に頼っている構図は変わらない。 この世界は、5年間トップレベルで戦うのが非常に難しい競技である。ジャンプの飛 び出し時点の瞬発力、筋力が25歳を過ぎると鈍るとも言われている。 また、わずかなルール変更が距離換算するとかなりの影響を受けたりもする。 私は、リレハンメル当時からこの競技を興味もってみているが、上位選手の顔ぶれの 入れ替わりが激しい。5年前にトップレベルだった選手で、今も表彰台の常連と言え る選手はほとんどいない。ヤンネ・アホネン(フィンランド)、とアダム・マリッシュ (ポーランド)ぐらいだろう(注:彼らは長野五輪後にブレイクした)。マルティ ン・シュミット(ドイツ)はスーツのルール改正以降精細がなく、ビドヘルツェルな どの名前がないオーストリアなどは顔ぶれがほとんど変わってしまった。 したがって、リレハンメルや長野当時から一線級でがんばっている岡部・葛西は競技 会でも長老的存在で、その努力と実力は敬服する。 しかし、逆に言えば、両ベテランを追い落とす底上げが出来ていないのが日本の最も 憂うところでもある。 昨年のトリノ五輪のときに、荻原次春さんが「板の長さのルール改正は日本人に不 利」といったコメントを発し、マスコミも同情的であったが、本質がまったく違う。 いわゆる板の長さのルール改正(身長とスキー板の関係)はもう7年以上も前の話で あり、葛西・岡部・舟木・原田または複合の荻原兄弟への「締め付け」的なもので あったが、25歳程度以下の選手はトリノでも十分対応する時間的余裕があったにもか かわらず、新星が登場しなかった。新旧交代が遅れているのが低迷の元凶だ。 あまりにも「言い訳」じみたコメントだったので、荻原健二氏(参議院議員)に「い つまでも言い訳せずに、育成体制を抜本的に考えてはどうか、予算が取れるのか」と メールで質問したところ、彼から「(様々なコーチから意見を聞くと)最大の要因は 企業スポンサー離れです。ご意見もっともです。ルール改正が低迷の要因ではありま せん。」(主旨)と返事がかえってきた。 しかし、このような逆境を乗り越えてメダルを勝ち取った4選手は本当によかった。 特に岡部選手は「一番うれしいメダル」と言うコメントが印象的だった(彼は長野団 体金の立役者。それよりうれしいというのだからよっぽどだろう)。 決してトンネルを脱したわけではないスキー日本ジャンプ。バンクーバーまで葛西・ 岡部に頼らざるを得ないのか。しかし、頼りになるベテランである。同年代の私に とっては複雑な心境だ。彼らの活躍を今後も期待するとともに、彼らを追い越す若手 の底上げに期待したい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/03/01 01:15:26 AM
コメント(0) | コメントを書く
[その他スポーツ] カテゴリの最新記事
|