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元・経営コンサルタントの投資日記

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2009/01/06
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カテゴリ:その他
かなり遅めの、新年のご挨拶を。本年もよろしくお願いいたします。

今年の注目と少し大げさなタイトルを掲げました。

このブログでは当然M&A市場と株式市場全般に注目していきたいと思います。特に変哲がなく申し訳ありません。

とは言っても、この1年間は金融市場が正常化しない限りM&Aは多くは発生しないでしょう。先日もあの、ダウ・ケミカル社がローム&ハース社の買収が出来なくなるかもと騒がれているように、一流企業でさえ資金調達がママならないご時勢です。

また、すっかり 「過去のもの」 となりつつある敵対的買収と買収防衛のその後について。日本電産の永守社長が満を持して提案した東洋電機製造も結局は不発に終わりました。日本電産が提案自体を撤回したことは、この景況感ならやむをえない決断で、個人的には正しかったと思います。

しかしながら、さらにTOB価格の増額再提案をしたらどうなっていたか、と言う点に(単なる興味本位での)若干の未練が残りました。

ただし、尊敬されている経営者(反論があることは承知しますが、世論の最大公約数ではこのように表現してもいいと思います)である永守氏の提案をもってしても突破できなかったライツ・プラン、ということになり、向こう1、2年はライツ・プランさえ導入した後は、ただひたすら「NO」を言い続ければ、防衛が可能であるかのような印象を持ってしまいました(最も他社を敵対的に買収しようという余裕のある経営者も少ないと思うが)。

世の中が買収されたくないという(無能な)経営者にこうも同情的なのか、と改めて知る思いです。

また「労使一体型の日本的経営」が企業価値の根幹で、簡単にリストラを推進する(と勝手に決め付けている)敵対的M&Aは企業価値にマイナスだ、と言い放った経営者さんがたがたも今年は正社員のリストラも余儀なくされるケースが出てきそうです。リストラが固定費を劇的に削減できる即効薬で、企業を(長期的に)正しい方向に持っていくには不可欠な手段であると、そういった経営者はわかっています。

建前のウンチク議論よりも「正常な」産業再編が進み、日本経済の生産性向上が進むことを期待しています。

外資悪者論の 「経済鎖国」は肝心の外資が傷ついているので、当面なさそうですね。ライツ・プランや会社法がどうあるべきか、という論争にはもう飽きました。法律さえ破っていなければそれでいい、すべては株主が決めること、というのでは経営者として寂しい限りです株主総会が全てを決める、という論調こそ、経営者の無能振りを端的に言い表していると思います。

 

アクティビスト・ファンドはあの村上ファンドの従業員たちが作ったといわれるエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが気を吐いています。ダイワボウ情報システムズ株をかなり買い占めて、親会社であるダイワボウにTOBで売り抜けることに成功しています。

ファンド結成時に株価急落をそれほど経験していないので今年は元気に暴れるかもしれません。

大企業の親子間上場に目をつけていると思われます。

エフィッシモ・キャピタル・マネージメントが大量保有報告を提出する企業 鳥居薬品(JT)、日産車体(日産自動車)、三井金属エンジニアリング(三井金属)などが目を引きます。これらの企業は親会社にとって戦略上不可欠な存在でしょう)

 

株式市場一般は、今現在は 「根拠なき高騰」 が継続していると感じています。株価が上がっている唯一の根拠がオバマ次期大統領の景気対策です(イスラエルの空爆も資源株関連では少し影響がありますが)。最も今日の夜のNY市場から機関投資家が休み明けとなるようなのでわかりませんが、企業業績やマクロ指標は更なる悪化が予想されていますが、株価はワーストシナリオまでは読み込んでいなさそうです(午前零時現在、ダウは約1%反落しています)。

 

個人的には1月の決算発表が終わって経営者の景況感と株価が合っていそうなら出動(具体的には日経平均7000円台後半、ダウも8000ドル前半台)という姿勢で3月ごろまでは伺いたいと思います。今の時点で日本株にはこれ以上あまり手を出さないと思いますが。

日本企業はGW明けの決算発表までは踏み込みづらい展開が継続しそうです。

オバマ氏の景気対策が21世紀版ニューディール政策ならば、キャタピラーディーアといった建機関連も買いかもしれません(コマツ日立建機も落ち込み要因の米国で回復が見込めれば+材料)。

一方ではJCフラワーズ他のPEファンドがインディマックの銀行資産を買収するなど金融市場の正常化に向けた第一歩がスタートしているので、このスピード感はさすがアメリカであると感心いたします(案外この辺が金融株の安定化に寄与しているのかな)。

いずれにせよ私は 「バリュー」 の投資を志向しているようなので(純粋なグラハム型のバリュー投資だと、多分村上ファンドのようなバランスシート上の価値のギャップに目をつけることになるような気がする)、今現在は高配当のブルーチップ銘柄中心で固めるつもりです。

 

ところで、GMの従業員の平均給与が時給55ドルと聞いたとき「俺の給料よりいい」と思ったのは私だけでしょうか?(注:私の場合、年俸制なので、年俸を、1日約11時間の労働と最低限月2度ほどの土日出勤の合計労働時間で割り算すると55ドルには届かないような気がかなりの確度でいたします。「日本企業並みの46ドル」でも怪しいかもしれない。

 

日本政府の(無駄な)景気対策費用はその半分でもオバマ次期大統領に投資したほうが結果的に日本経済にとってリターンが大きいような気がするので、無駄に国内で浪費しないでほしいなあ(年金と福祉は別です)。

つれづれに年頭に思うことを書き連ねましたが本年もよろしくお願い申し上げます。






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Last updated  2009/01/06 01:08:13 AM
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