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テーマ:株式投資日記(20509)
カテゴリ:M&A
週末からうわさされていた、モルガンスタンレーとシティ・グループのスミスバーニー部門の合弁ビジネスの誕生がついに発表されました。
新会社モルガンスタンレー・スミスバーニー(仮称)は世界第一位のリテール証券ビジネス(といっても富裕層向け)となる模様とのこと。 シティ・グループのCEOパンディエット氏はモルスタ出身なんですね。シティは昨年ゴールドマンから合併を申し出られたが謝絶したと報じられていましたが、元ボスに下ったということでしょうか? 新会社はモルスタの新たな収益源になるとか、リテール証券は所詮営業マンの個人ビジネスだから営業マンが他社に転職すれば終わりとか、米国人は 「投資から貯蓄へ」 向かっているので逆風だとか様々言われています。どうなるのやら。 さて、シティ・グループはこの比較的無傷な「クラウン・ジュエル」を売却してしまった(合弁企業の49%の株式を保有するものの、3年以内にモルスタが時価で買収できる権利付)ため、「帝国解体」が始まるとうわさされています。 ウォールストリートジャーナルでは、ホールセールバンキングとリテールバンキング以外はシティに残らない、つまり、旧来のシティ・コープに戻ると報じているようです(ということは旧ソロモンブラザーズはどうなるのか)。
先日、シティ・グループ結成のときからの役員であったあのロバートルービンがついに退任を発表しました。彼は99年からの参加で実に通算115百万ドルの役員報酬を得ていたが、まったくこれまでの経営判断を責められていました(社外取締役でっせ、週一回勤務の)。 (これで全員シティを去った。左からジョンリード、サンディワイル、ロバートルービン) それと国家の直轄管理にあるシティ・グループでは、証券と銀行の分離が始まろうとしています。世紀の金融帝国は終わりを告げました。その巨大さゆえに管理不足の連続でした(初代ワイル氏はとにかく強権を振るったので、コンプライアンス面で躓き、日本でもリテール金融が追放されることがあった。2代目プリンス氏はコンプライアンスばかり目をむけ、リスク管理体制がなってなかった。3代目パンディエット氏はなす術がなかった。結局銀行と証券は同じ船では暮らせないということだろう)。
が、昨年12月、もう一つの金融帝国が発足した。バンクオブアメリカです。バンカメは昨年のサブプライム危機の初期に、米国の住宅ローン専業最大手カントリーワイドフィナンシャルを買収(結構リスキーと言われた)、そしてご存知メリルリンチを買収。メリルは当時、リーマンと同レベルのデフォルトリスクを抱えており、沢山の証券化商品を抱えていると言われていました。
JPモルガン・チェースは2ドルと言う格安値と政府融資という特別待遇でベアスターンズを買収しましたが、バンカメは丸腰でのメリル買収です。同社はこの4Q決算の主役と考えられていたのですが、主役の座をシティに持っていかれてしまいました(その方がバンカメに有利なのですが)。いや、ひょっとして危機説が再燃するかもしれません。 旧メリルのセインCEOは新生バンカメの投資銀行部門責任者として残るとのことですが、米大手金融機関で最後までボーナスにこだわり、往生際のなさをマスコミに叩かれていました。
新生バンカメ 「帝国」 の行く末はいかに?
もう一つ、日興コーディアルは今回売却対象外となっていましたが、これは「プロセス」が既に始まっている証左なのでしょうか? シティに残ったブローカレッジ部門ですが、その役割り期待が益々不明瞭です。かなりリストラしましたから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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