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元・経営コンサルタントの投資日記

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2010/09/25
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カテゴリ:ボクシング
 

結果は亀田大毅の3-0の判定勝ち。

116-112
117-112
118-110

判定は妥当な気がしましたが、スコアの差が最大8ポイントはつきすぎじゃないか?

それでも試合後の両者の顔を見たら、誰が勝利したかは一目瞭然。

 

しかし、大毅君(現WBA世界チャンピオン)、強くなったなあ。坂田選手はキャリアやこれまでの対戦相手などを考えると大毅より力は上だと思っていました。

坂田(元WBA世界チャンピオン)のキャリアは世界タイトルマッチも確か10回ぐらい戦っているはず。過去日本タイトルマッチでは内藤大助とも接戦だった。

また2人共、もともと協栄ジムの門下生で手の内もよく知っている。

 

ただし、最近は反射神経が少し衰え気味で、早い回にダウンをもらう試合が多く、世界チャンピオンから陥落した試合も、初回にダウンを奪われてノックアウトされている。

その坂田からチャンピオンを奪ったタイ人に大毅は勝利して世界チャンピオンになった。

 

つまりここ3年程度の2人の力関係は、

 

坂田   < タイ人

亀田大毅 > タイ人

ということは

亀田大毅 > 坂田

 

という三段論法が成立します。

 

ただし、大毅と坂田をよく知るボクシングファンは「坂田が勝つべき」という先入観も少しはあったかもしれない。この坂田選手、寡黙で、ひたすら手数を出して、後半追い上げ、相手にギャフンと言わせるタイプで、コツコツ型の選手である。

 

また、世界チャンピオンになったのも4回目の挑戦でやっとかなうなど苦労人。

さらに、フライ級で、同じ協栄ジムに後から入ってきて、一目スターになった亀田興毅と比較した場合、陰と陽のような感じとなって、「割を食った」ボクシング人生を歩んできていた。

 

そのひたむきさには、「頑張れよ」と声をかけるのに十分だった。

 

一方、亀田は亀田でも大毅となれば、試合後に歌を歌うなどの派手さでデビューし、結局内藤大助に叩きのめされ、試合態度が悪いといって、1年間謹慎処分を食らうなど、ボクシングファンの間では嫌われ者だった。

 

その彼が謹慎処分明けに世界タイトルを行ったら、全く見違える選手になっていたのは驚いた。その試合では僅差判定負けでタイトル奪取ならなかったが、再戦では見事勝利して、今日の坂田との防衛戦だった。

それでも、「あの大毅」というのはあったかもしれない。

 

試合は予想通り、坂田が前進し、亀田がカウンターで坂田の前進を食い止めるという展開でした。私は3ラウンドに大毅の左フックがカウンターでヒットした時、坂田がダウンするのでは、と思ったぐらいでしたが、そのピンチをはねのけ、中盤は良くて数も出て、坂田のラウンドが続いたように思いました。

 

ターニングポイントは9ラウンドでしたか? また大毅の連打が決まって、坂田の前進がやや止まった。その後、今度はパンチで出血して、左右両目を出血してしまった。ここからパンチが見えなかったのか、前半から飛ばしすぎたのか、やや失速し、逆に大毅の連打が決まり始めた。9R以降の4Rは明らかに大毅のラウンド。

 

坂田は出血が痛かったのと得意の後半やや勢いが落ちたのが誤算。

 

大毅はかなりきつい減量を行い、後半勝負型の坂田に後半打ち勝ったのは素晴らしい。

また、試合ではやや挑発気味でフットワークを駆使していたが、亀の子ガードで突進するだけで、非常にぎこちなかった過去の試合とは見違えるパンチの強弱がついていた。

1戦1戦強くなるとはよく言いますが、さらによくなっている。ジャブが早くてよかったんじゃないか。

試合後本人のコメントはスコアの内容ほどスカッとしていなかった。これは連打が出ずに、逆に相手の連打を浴びるシーンがあったことを反省しているのだろう。この反省があればまだ強くなれるように思った。ただ、最近KO勝ちが少ないのが気になる。坂田は打たれ弱い方なので、階級を上げるのならKO勝ちがほしかった。

 

もっとも厳しいことを言えば、長谷川や西岡といったワールドレベルの世界チャンピオンと比較した場合、まだ技術やキャリアは落ちる(たぶん本人も自覚があるだろう)ので、対戦相手がワールドクラスの選手の場合、今の技術やパンチ力では勝てない可能性がある。KO勝ちできるというのはパンチ力以外にも試合コントロールや技術も必要になる。

 

「男子三日会わざれば刮目して見よ。」という中国の言い伝えがあります。

三国志の呉の国、呂蒙(りょもう)という勇猛な武将がいました。君子の孫権は、呂蒙に先輩の周瑜(しゅうゆ)のような知勇兼備の武将になってほしいと願い、「武道だけでなく、勉強もしろ」とアドバイスしたようです。

その後呂蒙は、兵法を学び、あの関羽を負かし、一躍有名となりました。

その時呂蒙は「男子三日会わざれば刮目して見よ。」と言ったそうです。男子は3日合わないだけで成長するのだ、という意味です。

 

亀田、特に大毅を見ているとそんな感じがしました。3兄弟で一番ボクシングが下手だった彼が、結局一番地に足付いた階段を上っていますね。

 

一方、敗れた坂田選手はおそらく引退するでしょう。試合を見た限りでは、今坂田の持てる力はすべて発揮されたように思います。

もうちょっといい思いをさせてあげたい、そんな気にさせる 「いい男」 なのですが、今は過去の試合も含めてお疲れ様でした、と声をかけるだけにしておきましょう。

 






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Last updated  2010/09/26 03:54:14 AM
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