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カテゴリ:ナキメシ
テレビで「ナキメシ」って番組をやっていました。
「思い出すと泣けてくる特別な思いが詰まった料理」らしいです。 ボクにもたくさんの「ナキメシ」があります。 いや「ナキメシ」とまでいえるかどうかわかりませんが・・・。 高校の時、ボクは合唱部に在籍しておりました。 一年に一度、地区の音楽祭があり、その打ち合わせに 各高校の部長・副部長が集まる事になりました。 その年の当番校はボクの高校でして、駅前の喫茶店に集合をかけました。 参加校にはクリスチャンの学校もあり、そこの女子生徒は 「学校で喫茶店に入る事は禁じられていますから」と カタい事を言ってましたが、いやがるのを無理矢理 力ずくで連れ込んだ記憶があります。 勘違いしないでくださいね。喫茶店ですから。所詮喫茶店。 でもその感覚は、真っ白に積もった誰も踏んでいない雪の上に 大の字のまま倒れるような快感がありました。 喫茶店の名前は「ロンドン」。 勘違いしないでくださいね。喫茶店ですから。キャバレーじゃないですよ。 その「喫茶ロンドン」の店内はちょっと薄暗く、 ボックス席が通路の両側に並んでいるような造りで まるで列車の客席のような感じでした。 ただ背もたれは高く、隣のボックス席は見えないような造りでした。 しつこいですが・・・勘違いしないでくださいね。 喫茶店ですから。ピンサロじゃないですよ。 ボックス席の並んでいるその奥に 団体用の円卓があったような気がします。 そこにみんなで座りました。 無理矢理連れ込んだなんていうと、 その店にはしょっちゅう通っていたような感じですが 行ってても1~2回?ほとんど初めてだったと思います。 そこでそれぞれに飲み物と軽食を頼みました。 ボクはアイスコーヒーとスパゲティナポリタンを注文しました。 実は学校帰りはいつも別の店で「たむろ」していたもので そこで食べるのは「いなり寿司」とか 「のり巻き」「天ぷらそば」等々だったもので、 スパゲティナポリタンを店で頼んだのは 初めてだったのかもしれません。 それぞれの注文がテーブルに置かれ、ボクのスパゲティナポリタンも 到着しました。皿の横に緑の筒と、小さな瓶が置かれました。 緑の筒は「粉チーズ」だということはわかりました。 キライだったし、チーズと書いていたから。 でも小さな瓶は初めて見るものでした。 ボクはそれを「一人前のケチャップ」と信じて疑わなかったのです。 ボクはその「出にくいケチャップ」を必死になって スパゲティナポリタンにかけました。 瓶半分くらいまでかけたところで面倒になり、あきらめました。 なんとなく場の空気がシーンとしていました。 (ま。初対面の人間ばっかりだからしょうがない)なんて 暢気な事を考えていると、隣に座っていたクリスちゃん(略)が 「それタバスコじゃないんですか?」 初めて聞く名前「タバスコ」・・・何じゃそら。 でも知らないのもカッコ悪いので、しったかぶって平静を装いながら 「そうですよ」とフォークに不器用にクルクル巻きながら 一口食べると「ん?げ!!!辛!!!なんで?」 あわてて水を飲みましたが、どうやらさらに辛さが増幅するようです。 汗が噴き出し、今起こっている事の意味がわかりません。 原因が「タバスコ」のせいだって事を理解するのに ずいぶん時間がかかりました。 知ってて「タバスコ」を半分ほどかけた事になっているので ボクは極めて平静を装いながら、もうマヒしている口の中に スパゲティを運び続け、平らげました。 あまりの辛さにボクは薄暗い店で泣きました。 それにしてもあのクリスちゃん。 喫茶店入っちゃダメなくせに「タバスコ」を知っていたとは・・・ 初めてのくせに腰を使うみたいな・・・そんな驚きを覚えました。 嗚呼。ごんどうごんぞう17の夏。 え?「ナキメシ」の意味が違う?そうでっか? グッドラック。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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