のらりくらりと行きたい

ソフト整体。。。。。。


って一体何よ？？

最後の家族旅行で地元の湯ノ山温泉ってとこに泊まりに行っていたときの事である。
ラストスパートでオオキイオフロへと直行するもも造ここ造権造３名は風呂から上がってまったりとアイスクリームを食べていた。
欲情、じゃなかった、浴場の出入り口付近にアイスクリームやカキ氷の屋台があるものだからチビにしっかり捕まってしまい、屋台前の畳の場所で食べているときにすぐ後ろに小部屋があるのに気付いたのである。
そしてその入り口に立てかけてあったのがこの『ソフト整体』なる看板。

むーーーーー。

コレはものすごく興味をそそる言葉である。
かねてより一度整体に挑戦してみたいと思っていた権造。が、アメリカで、というよりマイアミで『この整体のセンセ、すっごくいいよ！』なんて評判は聞いた事も無く、そして『オラ～～！コモエスタ～～！』と妙に陽気な整体師にこの体を預けてみる勇気も無く、そして何よりも、『整体＝背骨ボキッ＋首ベキッ＋イデデデ～』的なイメージしかない権造は、すっごく体に良さそうという気持ちよりもすっごく体が痛そうという恐怖のほうが大きかった。
タイムリーに日本に居るときに目に飛び込んできたこの『ソフト整体』。
ボキッ、ベキッではなくて、ポキッ、ぺキッくらいなんだろうか、、、。そのくらいなら怖くないに違いないし、さほど痛みもないのかもしれない。なんてったって『ソフト』と書いてあるのだから。

貴重なバケーション最後の旅行。タイムイズマニーである。
すぐに小部屋を覗き込み、中に居る整体師とおぼしき女性に聞いてみる。
『あの～、夜って何時までやってもらえるんでしょうか。』
『お泊りの方ですか？　じゃあ最後は９時半になります。』
『え～と、今９時前ですね。分かりました。』
とりあえずアイス完食後に部屋に戻り、チビを見ててもらえるかどうか確認。家人は行ってこいと言ってくれて、とさま氏も行きたいというので、整体師は２人しか居ない為、長風呂してた姉造には我慢してもらい２人で行ってみた。

中に入り、とさま氏は『肩コース２０分』、権造はゴージャスに『全身コース５０分』をチョイス。
女性の整体師さんがとさま氏を、男性の整体師さんが権造を担当する事になった。
コレを履いてくださいと権造のみがジャージのパンツを渡され、全く無意識に物事考えずにその場で履こうとする権造に、『あ、あちらで着替えを、、。』と女捨ててませんか的視線を投げかけてくる男性整体師さん。アラまたやっちまったよ、、とあわててコーナーの着替えセクションでジャージを履くおっさん権造は、オンナだからジャージ履くんだろうか、それとも全身コースだからジャージ履くんだろうか、、と考えつつジャージ装着を終えた。

マッサージチェアにまっすぐ腰掛けて背骨や座り方なんかをチェックされた後、いよいようつぶせになりソフト整体開始。
いきなりグリグリとすごい力で襲ってくる整体師さん。
とさま氏はすでに『アタタタタ、、、、、。』なんてプチ悲鳴を挙げており、自称痛みにめっぽう強い権造はうつぶせになりつつフンっと鼻で失笑。
『痛いですか？』『いや～結構きますね。』という会話を片方の耳で聞き、痛いがなかなか効きそうだと満足していたのだが、毎回毎回針をやってもらう時なども、このマッサージチェアにうつぶせになると必ず顔にものすごいタオルの後が付くので、そっちの方が気になっていた。
ところがどっこい。整体師さんも一応小手調べっぽく半分ほどの力で開始したのか段々と痛くなってくる。バキッともポキッとも言わないのだがゴリゴリと容赦なく間接という間接に攻め込んできてすでに汗ばむほどの痛さである。
相変わらず隣で『アタタタ、、。』『ウーーーー、、、。』ととさま氏が苦悶する様子が伝わってくるのだが、１．今更痛いといいづらい。２．とさま氏に勝ちたい。３．痛いほうが効きそうな気がする。という以上の３点より泣き言は発しない事にする。
が、恐らくこの男性整体師さん、権造がちっともスクリームしない為、この人はおそらく痛みに強い＝もっとやっちゃってヨロシイ、と判断したようで、そんなにやっちゃって指が刺さりませんか？と言いたいくらいにゴリゴリブスブスと容赦が無い。

ボチボチちょこっとスクリームしようか～～～～と思ったところで急に手が離れた。
途端に体がスーーーーっとしたので、ふぅ。。。とさりげなく休憩したところ、間髪おかずコンコンコンコン、、、とどっかで聞いたような音が鳴り出した。
大工仕事開始である。うつぶせになってるので武器は結局目視出来なかったものの、恐らく想像してみるに木で出来たようなカナヅチとノミのような物体であろう。それで背骨に沿ってコンコンしている。多分いがんでる背骨を治しているのであろうと想定したのだが、同時に妙にオモシロイ。まるで宮大工が５００年も伝わる秘伝のカナヅチとノミで古都の寺院に挑んでいるように軽快に響く音。まさに匠の技である。
が、所詮コンコンやられてるのは権造のボディ。なわりにはいい音するよな～と思った瞬間なんだかおかしくなってきた。

思い起こせば２年前。
やはり帰国時に歯医者に行ったときのこと。最初にレントゲン撮りますね～と案内されたレントゲン室で、ここにアゴを乗せてくださいね～ハイ動かないでくださいね～と言われ緊張しつつしっかりアゴ固定していると機械が動き出した瞬間に、タリタリタリラリラ～～タリラリ～タリラリ～～と鳴り出した『エリーゼのために』に撃沈してしまい、動くなと言われてるにも関わらず思わず噴出してしまいレントゲン撮りなおしとなった時と同じツボである。

こうなってくると笑いが込み上げてきて、悠久の歴史を誇る古都の寺院の柱に匹敵する音を奏でるマイ背骨、音は良いが所詮歪んで直されてるマイ背骨がこの上なく滑稽であり、コンコン音が響いているのをいい事にクククク、、、と密かに笑い声を上げていた。
整体師さんはさすがプロである。権造の体が反応してるのを見逃さず、ここで初めて声を掛けてきた。
『痛いですか？』
い、痛いですかぁ～？？
だってコンコンしてるしグリグリブスブスより痛い訳ないでしょ～～と思いながら必死に笑いを堪えて『あ、まあ、かなりですね。』とかろうじて答える権造。
ああ、ソフト整体って素晴らしい。

笑いを堪えて鍛錬した後、無事に匠の技は終了し、その後は肩の方へと整体師さん移動。
途端に笑いは何処かへ吹っ飛んでしまい再び痛みの地獄へ堕ちていく権造。上記した３つの理由により言葉を発しない権造の横でとさま氏は終了したようである。
とさま氏が出て行った後、首の方まで整体師さんの攻撃は移動していき、ハイ力抜いてくださいと言われついに出た。
権造の頭を持った整体師さん、おもむろに首をグリっと捻る。
グキッ！！！
ひーーーー！！！
そして逆。
バキッ！！！
ひぃぃぃーーー！！！

去年、父造を針に連れて行ったときに『首を捻られてバキッゴキッとやられて殺されるかと思った。』という父造をこのビビリが、と一瞥した権造。
が、自分の意思で首をゴキバキやるのはいいとして、他人の手によりやられるのは必殺仕事人に始末されているようで実に恐怖である。
その後腕を引っくり返されて拷問ポーズでバキッ、ゴキッ。指は総ナメに見事な音を立てた。

上半身はコレで勘弁してやる、と整体師さん下半身へ移動。
脚をもってこれまたヨガを遥かに超越した拷問ポーズ。イデデデデーーーー！！の心の悲鳴は股関節から音となりボキボキっ！！この時点でジャージは女だからというよりは全身コースだからであろう、とかろうじて判断するマイ脳ミソ。
その後は何でもアリなポーズ各種の後、足の指もオールボキボキで、人の体というものはこんなに音が出るものなのかと嫌～な汗をかいていた。
『結構痛みに強いようですね。』
『んぁ？？痛いですよ？？？』
思わずホンネトークになってしまった権造。ああ～そうでしたか～随分力入れてるんですけどね、と笑う整体師さん。折角の我慢が水の泡になりそうな気がした権造はやめときゃいいのに『イヤ、大丈夫ですよ。そのままで力抜かなくっていいですよ。』と言ってしまい、その後すっかり張り切っていただいた整体師さんにより、マイ脳ミソ内ではすっかり骨という骨をバラバラにされてしまった。

やっと仰向けになる事が出来て、顔に線が一杯ついてないだろうか、、と心配しながら残りのボキボキをやってもらった。
そして最後は再びマッサージチェアに座って背中をチェックしながらゴリゴリ押してもらう。
やっと話が出来る状態になり、どうですか？と聞かれて『いや～～、なんだか体中のネジを全部外してバラバラにされてる感じですね。』と言うと、あ、そんな感じですと返ってきた。正解なようだ。
調子に乗った権造は『あ、それと体中の隙間と言う隙間にテコでも突っ込まれてバラされてる感じってのもありますね。』と言うと、あ、それは言い過ぎですと笑われてしまった。調子に乗りすぎなようだ。

その後終了までに講義してもらったところによると、ソフト整体というのは、骨に直接働きかける整体とはちょっと違い、それに中国式マッサージを加える事により最初に筋肉を充分にほぐしてから骨に働きかけるそうだ。よって体にかかる負担や万が一の事故が限りなく減るらしい。そして骨と骨の間には隙間を作りいわば骨格のリセットをするらしい。
この整体師さんたちは元々所属してる整体院があり、地元ではこの温泉内の他に２箇所あるそうだ。
いいよなぁ～～、こんなのが近くにある恵まれた環境って。

その後遅くまで残って頂いた事と体を充分バラバラにして頂いた事のお礼をたっぷりと述べ部屋に戻った。
やっぱり顔に線をつけながらビールを飲み部屋の外のウッドデッキに座り込んで足を眺めてみる。
骨と骨の間に隙間、、と思って見てみると足もこころなしか隙間分デカくなったように見える。
『近くにあったら絶対にしげしげと通う。』と整体師さんをベタ誉めする権造に母造は『アンタ毎年そんなことばっかり言うとるやんか～。』とチャチャを入れていた。
そうだ、去年は父造を無理やり連れて行った鍼灸院の先生に惚れたのであった。
実際、地元に居たのならこの２箇所は絶対に通いたい。
興味があるかないかによって全く抱く感想って違うのだろうが、体のメンテという部分から考えると権造の中でのプライオリティ上この２箇所はトップである。
いいよなぁ～～、日本。

こうして権造のソフト整体デビュー終了。
あの整体師さん、名前を聞いておけばよかった、、、。
来年も行ってみたい。年に一度じゃダメなんだろうが。
気分的なものだけでも充分すぎるくらい効果アリだ。




全く関係無い話なのだが、今日見た衛星放送のNHKニュースで画面に映ったビルに書いてあった会社名は『SMFG』なのに、会社名を読む時は『三井住友フィナンシャルグループ』とSとMの順番が変わっているのは一体どういう事だろう。NHKはMを先に読む理由でもあるのだろうかと深読みする権造を人間小さいと思う人も、理由を知ってるという人も、そんなの全く気にならないと言う人もクリックよろしくお願いします。
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