勿体無いはエコの原点。
我がサロンのスタッフルームの棚には使い捨てのスプーンフォークナイフセットやら紙皿紙コップなんかの業務用サイズのデカイ箱が置いてある。権造は弁当持参のときは必ずマイスプーンやマイ箸を持っていっている。他にもサロンに臨時用マイスプーンマイフォークは完備していて、テイクアウトしてもそれを使ったりしている。なんだか一度使っただけでポイってのはすごく無駄だし勿体無いと思うのだ。それなのに。同僚達はちゃんと別に普通のスプーンフォークナイフが完備されてるにも関わらず、わざわざ毎回使い捨ての方を使い、キィーーっとなってる権造の横で使ってはポイを繰り返す。中でも女王は使い捨て部門でも最高の地位に君臨しており、サロン完備のスプーンなんかは『夜中のうちにゴキブリとか近くを歩いたりしてると思ったらそれだけで使おうって気にはならなくってよ。』と平気にのたまったりするのだ。全部密閉容器に入ってるので上をゴキが歩いたりとかする訳でもないのに、と言ってみたら、『アラ、でも誰がどれだけ綺麗に洗っているかも分からないような食器ではお食事しててもまずくって食べてる気がしなくってよ。』と来たもんだ。だったら自分で使う前に洗ったりとかすればいいのに~とまだ引き下がらない権造に、使い捨てフォーク類から紙皿紙コップ全部を指差して『コレは全部わたくしがわたくしのお金で買ってきてサロンのみなさんに自由に使ってよろしくってよ、と言ってるものばかりだから、ゴンゾウにそんな言いがかりを付けられるいわれは無くってよ。』とお話にならない。だ~か~ら~、お金がどうこうじゃなくって無駄だと思わない?と権造は益々食い下がるのだが、セレブ女王は聞く耳を持たず。そして洗うのが面倒だと言うことで同僚も同じく聞く耳を持たず。元来根が真面目な権造は、一応エコをうたっているAVEDAの従業員としては我慢ならない気がするんだが、使い捨てカルチャーのアメリカに住む人達にとって『便利さ』こそが最重要懸念であり、勿体無いとかいう気持ちは全く無いんだろうか。そもそも『勿体無い』という言葉。英語には存在しないようでこの言い回しは日本語独特のものらしい。辞書で引いてみると、『wasteful』という単語が出てくるが、逆にコレを日本語に引きなおしてみた場合、こんな和訳が出てくるわけだ。Wasteful【形】〈物・暮らし方などが〉むだの多い, 浪費的な, ひどくぜいたくな, 金食い虫の;浪費[むだ使い]するコレは主に『浪費しまくり』という意味合いであり、『勿体無い』という意味合いとは対極なものだと思うんだが。要は当てはまる言葉が無いので強いてコレを当てはめてみました、という事であり、結局のところ勿体無いという感情を表す英単語は無いという事であり、よっては勿体無いという感情も英語圏には無いという事につながる。例えば、お客さんに飲み物を出す場合、コレは紙コップだったりする。これは衛生法に定められている事で、サロンのようなビジネスで食べ物飲み物を提供する場合は使い捨てのものを使いなさいというわけだ。なので以前は可愛いコップやマグをたくさんサロンに置いていたのだが、今ではほとんど紙コップであり使ったらポイである。場所によってはコップやマグを使っているサロンも多くあり、綺麗にしていればそれほど目くじらたてるもんじゃないと思うので、どっちでもいいと思うんだが、基本的には瀬戸物やガラスのマグやコップを使う場合、ちゃんと何度って定められた以上の高熱殺菌の出来る洗浄機(ま、ディッシュウォッシャーになるが)が法律上は必要なようだ。この紙コップだって、AVEDAのハーブティを出すときはAVEDAから購入してるAVEDA紙コップを使っていて、このAVEDA紙コップはもちろん再生紙を元に作られているわけで、まだなんとか勿体無い気分はレベルダウンする気がする。が、水やコーヒー用の紙コップは業務用サイズのデカイのを買ってきてそれを使っているのでやっぱりポイポイである。再び言わせて貰うとお客さんに出す場合、それでもいいんだが、従業員がちょこっと水飲んだりするのにも『近くに置いてあるから』という理由でお客さん用紙コップをバンバン使いポイポイするので、またしても権造はキィーっとなってしまう訳だ。薬飲んだりするのに従業員が一口二口飲むくらいだったら、スタッフルームまであと7歩歩いてスタッフ用のコップがあるからそれに水入れて飲めばいいのに、と思うのだが、やっぱり面倒な事はやってらんね~カルチャーの人達には中々受け入れてもらえない。こんな事を言ってる権造ってエコ馬鹿に映るかもしれない。が、所詮はなんちゃってエコであり、たとえばチビの遠足だとかは使い捨ての容器に入れて使い捨てのフォークを持ち出かけている始末であるが、普段の生活の無駄は省きたい。チビ学校でもそうである。今ここ造のクラスでは水曜日が『ヘルシースナックデー』となっており、お菓子とジュースを持っていく日になっている。学年が始まるときに貰った冊子には『毎回使い捨ての紙袋に入れてもたせるように』と書いてある。毎週毎週ポイポイってのがこれまた権造の癇に障り、そしてチビのうちからポイポイ習慣を親が率先して培うのもどうかと思い、反抗して小さめのバッグをスナックバックとして、それに毎週小さめのプラスチックのタッパにお菓子を入れて、ジュースはさすがに常温でも飲めるパック入りのを用意して、それらをスナックバッグに入れて持たすようにもも造の時からしている。今のここ造の先生はもも造の時と同じ先生なんだが、もも造のスナックデーが始まった頃、紙バッグにして欲しいと言われたのではっきり言った。『毎週毎週紙バッグをポイポイ捨てるのは権造が育ってきたカルチャーで言うとwasting(無駄使い)な事であり、自分は反対してるので学校で問題にならない限りはこのまま通したい。子供のうちからポイポイ捨てるのに慣れてしまう子供にしたくない。』結局のところ、サロンと同じく衛生上の事であり、親がちゃんと綺麗にしてない容器に入れてきたりして子供が病気になったりしても責任取りかねる云々ってことや、タッパだとまだ上手に開けられない子供も多く居ていちいち先生が開けたりするのも効率悪いって事だろうが、先生は一言、そんなポリシー持ってるんだったらマイバッグで全然オッケーだよ、と笑って言ってくれてその後今のここ造に至るまでこの習慣は続いている。もも造は毎日持って行く水はマイ水筒に入れており、他の親もジムに通うときに持っていくような小型水筒を持たせる事が多いのだが、中にはやっぱり毎日小型のペットボトル持参でチビが飲んだ後ゴミ箱にポイ、という光景も良く見かける。もも造担任の先生なんかは目ざとく見つけたときには『ゴミ箱に捨てないで家に持っていってリサイクルの所にいれなさい!』と言ってくれているんだが、学校全体でゴミになるペットボトルもかなりな量になる気がする。さてそんなアツく語るなんちゃってエコの権造ハウスはどうかと言うと。権造はそんな訳でなるべくリサイクルできるものはリサイクルゴミとして出すのが望ましいと思うので、豆腐のパックなんかは豆腐を出した後に水洗いして蛇口の所に立てかけて乾かしたりしてるのだが、なんせナマックラな性格が災いして、すっかり忘れてしまって結局パックが2つも3つも重なって蛇口付近に立てかけっぱなしという事態に陥る事も多々ある。自分としてはリサイクル用だから、とキッチン下においてある普通ゴミ用のゴミ箱には入れずに置いてあるのだが、作造が帰ってきてこの蛇口付近の豆腐パック山積みを見るとキィ~~っとなるらしく、権造がリサイクル用ゴミ箱に入れる前にさっさと普通のゴミ箱に捨ててしまって、それを次の日ゴミ箱を開けたときに豆腐パックが無残に捨てられてるのを発見した権造がこれまたキィーーっとなり、の繰り返しである。リサイクルに全く興味なしの作造は権造のコレクションの豆腐パック以外にも、ジュースの空いたボトルだとかカップラーメンの容器だとか新聞だとかダンボールだとか、とにかくあのリサイクルマークの付いたブツの数々を思いっきり捨ててしまうので気付くと権造が拾ってリサイクル行きにしてるんだが、手間隙ばかりかかってしまいいい加減にちったぁ協力してくれよ、と言いたくなる。こんな事を書いてるうちにふと思い当たるのは。。。今毎週楽しみにしてるAround40に出てくる藤木直人である。ドラマの中の話であるが、『ケチじゃなくてエコです!』が口癖なこの人。マイ箸なんてのはあったりまえで、毎日夜に公園のゴミ箱からリサイクル可能なゴミを拾って歩いたり、電気代節約の為に夜は何時までに帰って寝るとか決めていたり。初回でいきなり彼女にケチくさいと振られてしまう、人から見たら空気の読めない超自己満足型究極のウザいエコ野郎なんだが、面白くって毎回ケラケラ笑っちゃうが、ハッと蒼ざめるのは権造みたいななんちゃってエコも人から見たらこんな風に見えるんだろうか、、と今気付いた事である。まぁ別にどうでもいいんだが。ちなみにこの藤木直人、随分前に見たドラマではパテシエの役かなんかで出ていたんだが結構この人もタイプなような気がしてきた。この人も、と『も』を付けてみたのは、権造のタイプってのはかなりバラつきがあり人に言わせると全く共通点の無いかなり節操の無いラインアップらしいからだ。一番今お気に入りなのはやっぱり『ハゲタカ』に出てきた華麗:鷲津であり、メガネリーマンに弱い権造のツボを全て押さえている点ではダントツトップである。オヤジにも弱い権造はもうちょっと若い頃の山崎努も好きであり故緒方拳は大好きであった。どの人をとっても全く藤木直人との類似点は無いような気がするが、ようは役柄と見た目が一致した場合におおぉぉぉ?!と来るものがあり、見た目のバラつきはそんなに気にならないという事だ。普段接している人やブラブラしてる時にすれ違う人でも、服装や性格なんかと顔がなんだかしっくりと来てると俗に言う二枚目でなくてもカッコいいと思ったりする訳である。ま、そんな事はどうでもいいとして。エコです、エコ。アメリカはエコの後進国で、リサイクルもかなりアバウトであり、州によって違うと思うが、普通のゴミ回収のときのデカイゴミ箱と同じサイズで色違いのリサイクル用のゴミ箱1種類があるのみで、それに新聞もガラスもプラスチックも全部ごちゃ混ぜに放り込むだけである。そしてリサイクルゴミ回収車もそれを全部まとめて1台でガガガーっと持って行ってしまうだけで、その後の分別は謎である。ダイオキシンに関しては、以前何かで読んだ事があるんだが、ゴミの焼却温度自体が日本と比べるとかなりな高熱処理になっており、日本の温度で焼却するよりはダイオキシンの放出量はかなり少ないらしい。が、これも何事も経済利益主義のアメリカの事。実際どうなのかは分からない。以前もコメント欄だったかに書いたが、フロリダの場合は自動車の排ガス規制も無くなっており、以前は年に一度あった排ガスチェックも10年ほど前に廃止となった。聞いた話だと『空気が綺麗になったのだし、以前ほどオンボロ車に乗る人も居ないし車自体の性能も格段良くなっているので、人件費や設備維持費のかかる排ガスチェックは以後廃止する』という事らしい。コレもなんだかな~~という感じである。今日はあまりにもポイポイ現場を仕事中に目撃したのでちょっと怒ってみた。今朝は2日前の2時間睡眠が祟って起きた時間と言うのはなんと8時15分。チビの学校が始まるのが8時半で権造の最初のアポの時間が9時である。間に合うはずも無く、学校に向かう途中で朝一のお客さんに遅れる由を連絡し、顔に枕のあとをつけたまま学校のオフィスに飛び込んで遅刻届を貰い、ダッシュで10分遅刻でサロンに着いた。こういう寝坊は2年に1度くらいの頻度でやってしまうのだが、大抵はチビを学校に送る必要の無い朝ユルユルの土曜日だったんだが。。ヤバイので念のために今日は早く寝ることにする。