さあ、万年筆を買って手紙を書こう。
この日記を読む頃には皆さんの手元に年賀状が届いていると思われます。その中に手書きの年賀状は何枚ありましたか?そういう自分だってCanonさんにしっかり手伝ってもらって、クリスマスカードを送っているんですが、ただどんな事があっても手書きのコメントを入れるようにしています。もし自分が機械が印刷しただけの年賀状をもらったら、何だがっくり来るだろうなあって思うからです。こんな時代だからこそ、プリンターで印刷された何百字の感謝の言葉よりたった一言手書きで書かれた「ありがとう。」の方が心に来るなって思うのです。もちろんビジネスは別ですよ、手書きよりもプリントアウトされたレターの方が良い気がします。字が汚くて読めなかったりしては意味がないですから・・・手書きの手紙はどうも捨てられない。私は学生の頃から社会人になってからも、ある女性と手紙を交換していました。でも文通ではありません、だって友達だから。(笑)遊びにも行っていたし、飲みに行ったりもしていたのに、なぜか62円の切手を貼って手書きの手紙を交換していたんです。数にすると100通を超えるのではないかと思われます。その手紙達はどうしても捨てる事が出来ない。なぜだろう、理由は手書きだったからではないかと思うのです。こうやってインターネットを介して日記を書いている人が書くコメントではないのですが、今の時代は手書きって言う筆記手段が貴重になっている気がします。それこそ自分等の世代はラブレターなんて物も手書きで書いちゃてた世代だから、今時のe-mailで告白しちゃうなんてオシャレな方法に少々困惑していたりします。最近の若い人達は下手すると好きな人の文字を知らないで付き合って、知らないうちに別れちゃったりするんだろうなあって思うと、ちょっと寂しい気がするんです。好きな人はどんな字を書くんだろう?なんて乙女チックな事を思っていた自分が恥ずかしくなります。好きな人が奇麗な字だったりすると何だか安心したり、すごくかわいいのにビックリする様な字を書いていたり、字が奇麗な人を好きになったり、自分にとってその人が書く字は結構重要なポイントだった気がします。今はそんな事はまったく気にも留めないのかも知れないし、ある意味恋人に自分の字を披露するのはカミングアウトに近い行為かもしれない。私はある方から来る年賀状がとても好きです。もう2年も前に引退した上司なのですが、未だに年賀状を頂いています。会社に在籍中は良く文章で叱咤激励をして頂いたものです。(汗)そんな彼の年賀状は決まってオール手書き、しかも万年筆で書いたと思われるインクの香りが相手に届いてからも残っている物です。まあお世辞にも表彰される様な奇麗な字ではないのですが、とても好感がもてる、素敵な字です。そんな風になりたいなって思える字なのです。昔、ある先生が言っていたのを思い出します。「字には奇麗、汚いはない、あるのは丁寧か、そうでないかだ。」って・・・確かに字は個性です。だからこそ欧米ではそのパーソナリティーを出す為にサインは決まって直筆なのかも知れません。PCで文章を作れば字体をを選ぶ事は出来ても、その字から気持ちや感情を感じ取る事は出来ない。だから(^^)(**)なんていう顔文字を入れて微妙な感情の表現する必要があるのではないでしょうか?でも手書きの文字からは何かを感じる事が出来る気がするのです、何かを。さあ!、そこで提案です。みなさん、お年玉で万年筆を買いましょう!(笑)冗談はさて置き、皆さんは万年筆をお持ちでしょうか?40代以上の読者がそうはいると思わないのですが、その方々が若かった頃までは入学や就職のお祝としてポピュラーだった万年筆も、今ではモンブランを始めとするオシャレアイテムとしてしか世に出る事はほとんどなくなってしまいました。本当に残念でなりません。ご存知の方もいると思いますので、私の場合はきっと参考にならないでしょうが、就職する際にサークル?の女の子からプレゼントして頂いた物も含め、現在5本の万年筆を持っています。その中でも唯一人に語る事が出来るアイテムは、馬鹿みたいに高い商品でも何でもないのですが、自分の生まれた年1971年に発売された万年筆を持っていると言う事です。ワインなんかでは良くある話だと思うんです、「生まれた年の赤ワインを飲みました。」みたいな感じで・・・でも万年筆を持っているって言うのは特殊でしょ?もちろん現役ですよ、たまにブルーブラックのインクを入れて、気合を入れなければならない手紙を書いたりします。万年筆ってどこか時計や革靴に共通する部分があると思うんです。なんかパーソナリティーがあるっていうか、その製造過程にも色々なうんちくがあったりして・・・ただ時間が知りたいのなら、デジタル時計で問題ないのにただ足を痛めないで歩きたいだけなら、紐靴なんていらないのにただ物を書きたいなら、ボールペンで十分なのに物が好きな人達は自分のする時計にこだわりを持ったり、生産地別に革靴の用途を変えたり、ブランドに縛られず万年筆を集めたりする。そういう性格のある物なんですね、かといって手を出し難い物ではない。ちょっとしたデパートに行けば簡単に手に入るのです。皆さんも万年筆でインクの香りの乗った手紙を、大切な方に書いてみませんか?きっと何か新しい物を発見出来ると思います。