梅は咲いたか~京都歴史逍遥・その30
「東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花 主(あるじ)なしとて春を忘るな」2月7日から、北野天満宮では「梅苑」が公開されています。天満宮の約2万坪の境内に50種約2,000本(門内・梅苑各1,000本づつ)の縁の梅があります。早咲きの梅は12月中句頃からつぼみがふくらみ始め、1月初旬には冬至梅・照水梅・寒紅梅等が寒さの中、咲き始めます。この梅苑が開かれる頃になると、漸く春だなあという気がしますね。見ごろはやはり2月中旬から3月初旬というところですね。そして、2月25日は「梅花祭」です。北野天満宮の祭神である菅原道真が亡くなったのが延喜3年(908)2月25日なので、この日に梅花御供と野点が行われています。毎年、15万人の人出で賑わうそうです。野点の拝服は有料ですが、年に一度のことですし、上七軒の芸妓総出で御奉仕をするという日なので、ぜひ機会がありましたら訪れてみられてはいかがでしょうか。さて、この梅が咲いたあとの実はどうなるかというと。正月の縁起物、新年の招福息災を祈る物として12月13日の事始めから授与される「大福梅」となります。梅の実は、6月中旬ころから神職・巫女・崇敬奉仕者が総がかりで採取するんですよ。収穫量は、例年約2.5~3トンあるというので、かなりの量ですね。北川本家「はんなり京梅酒」和歌山の完熟【南高梅】を厳選し、2年貯蔵の「本格純米・米焼酎 はんなり」にじっくりと漬け込んだ本格派の梅酒です。はんなりは、京都弁で「華やかで上品な」という意味です。元は「花なり」と書いて、美しき花が最後にかかりつつある時季、落ち着いた美しさを誇る様を指しているともいいます。いまでは、「ほのぼのと、ゆったりと」という意味でも使われています。皆様、梅の咲き誇る姿を見て、京梅酒を飲んではんなり気分になってみましょう。