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カテゴリ:舞台/コンサート
涙の憂き瀬にも 乱るゝ恋の 淵はありけり 先日、いく年かぶりに、 靖国神社の「夜桜能」を観にいってきました (むちゃくちゃ寒かったので、まったく集中できなかった) 薪能の火入れは、何度見ても好き! 自然の中で見る火は格別です わたしが行った第2夜の曲目は、 舞囃子「放下僧」 狂言「茶壷」 能「松風」 これは奇遇・・・ というのも、 5年ほど前に、同・靖国神社の夜桜能で観た「松風」が、 わたしにとって最高の「松風」だったから 「松風」のストーリーを現代風にざっくりと説明すると・・・ 在原行平は、 須磨に左遷されているときに、とある姉妹を愛しました。 姉と妹の、どちらもを。 もちろん身分違いの恋、左遷がとかれると、行平は都に帰ります。 須磨に残された2人の姉妹は、 かなわぬ恋ゴコロにがんじがらめになり、 死んでも成仏できません。 そして、 霊となって登場した2人は、 ありし日の行平の衣を身にまとい、恋情にまかせて激しく舞い狂います。 ・・・という、 女性ならばグッとくる内容。 これは切なすぎます (わたしは、数年前にこれを観て泣いてしまいました 彼女たちは、 心の限りにこう叫びます。 "三瀬河絶えぬ 涙の憂き瀬にも 乱るゝ恋の 淵はありけり" わたしなりに訳すと、 (間違ってたらゴメンなさい) この辛い浮き世・・・ 川には、いつも人の涙が流れている浅瀬と、 乱れる恋の想いが沈んでゆく深い淵のどちらもがあるのよ という感じでしょーか。 恋や愛情関係には、誰もが簡単に落ちてしまう 「淵」があるのよねぇ・・・。 どんな冷静な人でも、 なかなか「恋の淵」からは逃げられないものかと・・。 しかしわたしは、 この「恋の淵」という言葉がとても好きだったりします。 生きることの醍醐味のひとつだとも、思うから(^^) 能は優雅でスローにみえますが、 実はとことん情念の世界 謡曲は難しいけれど、 慣れるとすごくおもしろいので、 ご興味のない方も機会があればゼヒご覧になってください< 桜のすきまから、美しい月が見えましたっ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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