今日の株式見通し=米雇用統計前に10000円トライも
東京市場は上値を試す展開が想定される。昨日と物色動向に変わりはないと思われるが、朝方から主力の国際優良株の買いが加わり、昨日以上に力強い相場展開か。週末に米雇用統計の発表があることから、週後半にかけては手控え要因があることや、足元の上昇で過熱感も出てくることで目先的には調整もありえるが、その前に心理的節目10000円をトライする動きもありそうな雰囲気だ。 3月安値以降の上昇過程で信用買い残や裁定残高などの仮需残高が大幅に積み上がっている状況とは言えず、相場の下落局面でも売りは限定されよう。そういったなかでの投資マインドの改善や、反転基調にある日米中などの経済指標を横目に当面は堅調な地合いが想定される。9000円から11000円処までは比較的に過去の累積売買代金が少なく、意外高の局面に入ってくる可能性もあろう。 1日のNY株式市場でダウ平均は221ドル高と3日続伸。1月8日以来の8700ドル台で終了した。GMのチャプター11の適用申請による材料出尽くし感が漂うなか、発表された4月の個人消費の結果を好感した。さらに、5月のISM製造業景気指数が市場予想を上回ると、ダウ平均は一気に200ドル超の上昇。その後はもみ合いが続いたが、終盤は260ドル高まで上昇する場面もあった。 一方、NASDAQはダウ構成銘柄に選出されたシスコなどがけん引し、3.0%上昇と年初来高値を更新して終了。S&P500も2.5%程度上昇した。業種別では資本財や一般消費財、エネルギーなどの上昇が目立った。ドル建てのCME225先物は昨日の大証日中終値と比べ135円高の9825円。円建ての清算値は9815円となった。 昨日の日経平均は連日で年初来高値を更新。TOPIXは6日続伸となり、5月11日につけた年初来高値を更新した。東証1部の値上がり銘柄数は1204と全体の70.8%に達し、年初来高値を更新した銘柄数は220と今年最多を記録。昨年5月15日(245)以来の水準となった。商品市況の上昇を手掛かりに海運、商社、非鉄などの上昇が目立ったほか、前場軟調だった国際優良株や金融株なども後場上昇に転じた。 日経平均の週足ではトレンド指標の好転は続く。一目均衡表では雲に入り込む動きとなり、徐々に上値が重くなってくることが想定されるが、転換線が先週の8803円から今週は大幅に上昇する(1日現在、9092円)ため、株価が押し上げられる可能性がある。また、移動平均線では5月前半あたりにゴールデンクロスとなった13週線と26週線の上昇が強くなる。株価の一段高の動きが予想され、目先的には52週線(1日現在、9967円)をやや超えるあたりまでの動きが考えられよう。 当面の上値メドは、3月10日安値から3月26日高値までの上昇幅のN計算値9690円処や10000円処、また、3月10日安値から3月26日高値までの上昇幅のE計算値となる10217円処など。一方、下値メドは、基準線の9092円や4月28日安値8493円などが考えられる。変化しやすい日柄は、6月9日、19日、24日などがある