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テーマ:映画館で観た映画(8563)
カテゴリ:Movie 映画
アメリカ側から見た硫黄島。
★主な登場人物 衛生下士官"ドク"、ジョン=ライアン・フィリップ 21歳で硫黄島参戦。星条旗を掲げる海兵隊員たちに手を貸したところを写真に収められる。帰国後、硫黄島の"6人の英雄"として、戦費調達のツアーに参加。国のために命を落としていった多くの仲間たち。再び多くの若者たちが命を落とすという疑問に駆られながらも、戦争資金調達のためのツアーの任務を遂行。 海兵隊アイラ=アダム・ビーチ インディアン出身の最後まで"6人の英雄"に名を連ねることを拒んできたが、レイニーによって名が明かされ、ツアーに参加。多くの仲間たちが、戦場で命を落としてきたにも関わらず、自分だけが英雄扱いされること、事実を隠して嘘ばかりの上層部やツアーに参加し、やり切れないその気持ちは、その後も自滅の道を選んだ。 (同じく第二次大戦下の映画『ウィンド・トーカーズ』で、ナバホ族を演じた) 海兵隊レイニー=ジェシー・ブラッドフォード わずか19歳で硫黄島戦へ。戦地では伝令役を務め、星条旗を山頂まで運ぶ役目だったことより"6人の英雄"に名を連ねることに。ジョンやアイラと違い、賞賛を受け入れ、英雄として各界の大物が声を掛けてくるのを間に受け、ツアー後彼らが約束してくれた将来を期待するが、一時の有名人に対する"チヤホヤ"であった。 第二次大戦、硫黄島はアメリカ側は軍隊の中継地として手に入れたかった。日本は、是が非でも死守しなければならなかった。 ★ストーリー クリント・イーストウッドが、日米双方の見解を描いた、アメリカ側から見た硫黄島が、この映画。 硫黄島での戦闘で苦戦を強いられるアメリカ。 国民もアメリカ軍から次第に心が離れていきそうだった、ちょうどその時。 山頂で、星条旗を掲げる"6人の英雄"たちの写真。 雑誌、新聞などを飾ったたった1枚のこの写真が、アメリカ人の心を1つに。 "6人の英雄"たちが戦費を賄うための、真実を隠し軍事金を国民から徴収するためのツアー。 そのツアーでの3人の心情、真実、葛藤に戦時下の記憶を織り交ぜた構成。 ちなみに、その後ジョンは戦争やツアーのことに関して、全く口を開かなかったそう。 ★感想 戦争は、勝ち負け双方に莫大な犠牲がある。「命」を重んじない戦争は、多くの若者に敵の命を奪うことを強い、そして自らの命ではなく、一人一人が足がかりとなり、勝利が優先される。 殺人は道徳的、人道的、法律的に不可、良くないことを教えられても・・・数学のように繰り返し問題をやらなくとも、やってはならないことと、わかっているのに、いざ戦時下になると、対戦国の兵士を殺すことが任務になる。明らかな矛盾。 戦争映画や、書籍はいくつもあり、制作側の国や作者の意図も含まれるものがあるし、グロいというだけで、ホラー映画と同じ感覚で見ようとしない人もいる。それは、「映画」というジャンル・カテゴリーで考えた時のみ、好き嫌いの問題でも片付きますが。 けど、けど、命を落としていったのは、戦地に赴いた兵士たちであり、苦しい生活を強いられた国民であり、家族を奪われた、もしくは空襲などの被害で戦地ではなくとも国内で命を落とした国民であることは、唯一の事実です。 そして、その惨事の後に生きているのが今です。 どの映画も書籍も、それだけを頼って「これが戦争だ!」ということにならないし、実際戦地で戦った兵士の気持ちにもなれないけど、議論だけの「戦争はダメだ!」というのには、うんざりです。が、人間その惨事の中に足を踏み入れないと、そう簡単にわかろうとしない、できないのも人間だなとつくづく思いました。 何もできないとしても、意識だけは持っていたい。 でないと、ブレーキがないと、憲法9条があるさぁ~とタカをくくっているうちに、瞬く間に戦時下となり得ます。9条も人が作ったものであれば、変えるのも人間であることを忘れないでおきたいです。それが変わってしまった時、今の「戦争は悪」の感覚は「非国民」。 余談ですが、先週ブライアンと映画の話をした時に、この映画を見たと言った時、お互いアメリカ人と日本人であるので、一瞬沈黙の時間がありました。なんとなく、お互い「敵国同士だったよね」って言うのに詰ったと思います。あの戦争の時、お互い戦地で会えば、両者がお互いに襲い掛かって、どちらかが命を落とす距離だと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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