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テーマ:お勧めの本(7394)
カテゴリ:今日読み終えた本
題名:「広島にカープはいらないのか-カープ主砲論を語る-」 著者:迫勝則 発行:南々社 頁数:270 読みやすさ:4/5 おすすめ度:3/5 2005年に発行されたこの本ですが、2009年も終わろうかという今、 これを読むと時代の流れを感じざるを得ません。 ミスター赤ヘル山本浩二と中学の同級生だったという著者が、カープ に寄せる思い、カープの主砲の役割、カープファンの夢、に関して思い の丈を語っています。 広島カープの頑張りは、原爆で廃墟となった広島の地、百年は草も生 えないと言われた広島の地を復興させようと頑張った広島市民の心の 支えとなりました。その精神は現代にも引き継がれ、ファンの思い入れ は他球団とは質の違う物であると思います。 そのカープに今まで主砲といわれた名選手が数々存在し、ファンの心 をとらえてきました。4番打者の特殊性、ファンが寄せる期待を綿々と綴 っています。特に著者と同級生の山本浩二、ミスター赤ヘルへの思いは ストレートに伝わってきます。また、ファンとしても彼に対する特別の思い は同じです。それを受け継ぐ主砲として、特に著者が期待を寄せている のが新井選手でした。 この本の原稿が書かれた2004年当時はまさに“4番新井”がこの後どう なるか、ということがテーマでした。 著者はことのほか新井選手に大きな期待を持っていたことがわかります。 入団当時からの彼の試練やつまづきも交え、ページ数的にも相当費やし ていますので、その期待のほどがうかがえます。嶋・新井・栗原というクリ ンナップに計130本(当時の背番号:嶋55+新井25+栗原50)のホー ムランを目標に掲げ、赤ヘルの夢を語っていただいてます。特に新井に 関しては将来カープを背負っていく打者としての大きな期待を持っていた ことがわかります。 しかし新井選手は2007年にFAでカープを去っていきました。著者の 迫さんはどんな思いであの会見をご覧になったのでしょうか。 執筆当時はプロ野球界の激動の年でもあり、特に各チームの主力を漁 り、巨大戦力を造り上げようとする読売グループに嫌悪感をあらわにする 記述が目立ちます。さらに言うと阪神球団には、「勝って喜び、負けて楽し む」という応援スタイルに好感さえ持たれています。たしかにこの頃までは 阪神もそんなに忌み嫌う球団ではありませんでした。我々も「共に読売に 対抗しよう!」という気持があった時代です。もし発行してすぐにこの本を 読んでいたら、同じ思いを共有し、目頭を熱くしたと思います。 今は昔、そんな阪神も見てのとおりのありさまです。逆に読売は当時の 反省があったのか(どうかはわかりませんが)、育成に成功して若手をうま く表舞台に上げてきました。 あれから数年しか経っていませんが、シーツの移籍、新井のFA、新球場 の完成など、カープにとっていろんなことがありました。著者の迫勝則さん の今の思いをぜひ聞いてみたいです。 それはそれとして、最後の方で球場に足を運ばないカープファンと、球場 に足を運ばせる努力をしないカープ球団(選手・フロントを含め)に対し、プ ロ野球の楽しみ方を説くくだりは共感します。 全国のカープファンの皆さん新球場へ行きましょうで! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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