「ゲリラ戦争-キューバ革命軍の戦略・戦術-」
題名:「ゲリラ戦争-キューバ革命軍の戦略・戦術-」著者:チェ・ゲバラ(甲斐美都里 訳)発行:中公文庫頁数:197読みやすさ:2/5おすすめ度:4/5 久しぶりのチェ・ゲバラです。 内容はゲリラの戦い方の基本から、装備、武器、日常の過ごし方、戦闘の手順など、ゲリラ兵士としての基礎技術を細かくマニュアル化したものです。中には火炎瓶や落とし罠、ハンモックの作り方など、細かい記述もあってなかなか興味深いものでした。 もちろん技術的なことだけでなく、ゲリラ兵士としての心構え、組織の一員としての振る舞いなど、公私全般にわたってのマニュアルで、24時間ゲリラ兵士であることを規定しています。 特に、ゲリラ戦術の中で、何のために戦うのか、その先に何があるかを提示しながら地元住民をいかに味方につけ、戦いを有利に進めていくことの重要性を説いているところに共感を覚えました。この考え方はゲリラ戦だけでなく、現代のいろんな仕事に通じる内容ではないかと思います。 ところで“ゲリラ”といえばすぐに“テロリスト”と結びつけてイメージされます。しかしこの本を読むかぎり、チェ・ゲバラのめざすゲリラ革命は、「武装」という手法そのものは議論のあるところだとは思いますが、無差別に人を傷つけるテロ行為とは全く別のもののような気がします。 今、チェ・ゲバラが生きていれば、テロとの戦いが深刻化した現代をどう思うのでしょうか。