「問題な日本語」
題名:「問題な日本語」編者:北原保雄発行:大修館書店読みやすさ:2/5おすすめ度:4/5 今若者を中心に新しい言葉(?)がどんどん生まれています。中には大変違和感を持つような言葉もあり、これから日本語はどうなってしまうのだろう?と思うことしばしばです。 本書は明鏡国語事典の編集スタッフが、高校の先生などから寄せられた「気になる言葉・言い回し」などに答える形で世間にはびこる違和感のある言葉を徹底的に分析しています。 私らおっさん世代までもが巻き込まれている話し言葉や言い回しから、若者特有の言語など、多数取り上げてあり興味深い内容でした。 「全然いい」「よろしかったでしょうか」「っていうか」「なにげに」「わたし的には・・」などなど、違和感のある言葉が世間にあふれています。 これら多くの言葉について、ただただ「嘆かわしい」というのではなく、国語の文法的な分析から、このような言葉が使われるようになった背景などを織り交ぜて、客観的に分析しています。 その上で「誤用です」とか「誤用とまではいえません」とか「将来的に定着する可能性がある」などの決断がされていて、「言葉の裁判官」のような感じが良かったです。 しかし、まさに裁判官の判決文にも似て、文法を解説した下りなどは高校時代に現代国語を苦手としていた者としてはとても苦痛でした。 また、「使うのはどっち?」というコラムが、全編を通じて下段に配してあり、並行して読むのがちょっとしんどかったです。 今は変な感じがする言葉でも、そのうち広く定着してしまえば正しい言葉になっていく。「言葉は生き物」ということを感じました。