カテゴリ:たまには素のまま
元々、私には持病があって、片目が半分見えてなかった。
キャラクターの名前自体、その病気のことを示していたので、 「碧眼」という通り名をいつしか与えられた時、面白いものだと思った。 奇妙な符牒であるかのように、片目を現す「隻眼」と韻を踏む通り名・・・ 一晩で完全に失明することもある病なのだが、 5年前にこれを患って以来、人生観が一変していた。 たった半日で左目の半分の視野を失っていたから、 この世のものはどんなにも儚いか、身を以って知る羽目になったとも言える。 明日には何もかも失うかもしれないということ。 明日が今日と同じだという保障などまるでないこと。 いま、目の前にあるものだけが確かなものだった。 そんな悟りきった気分に浸っていた私だったが、 その宣告を聞いた瞬間には、失うかもしれないものの大きさに戦慄した。 ちょうど三回忌を迎えていた親友を失ったのと同じ、癌の疑い。 淡々と大学病院への紹介状を書く医者の前で、私は呆然と座り込んでいた。 平静をいくら装おうとしても、頭の中がぐるぐると回る。 今夜はコエリスの友人が主催するイベントがあったのに・・・ 思えばその日を境に、私は「碧眼」と言う役の仮面を、 もうこの日記では被ることが出来なくなっていった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年10月26日 00時25分28秒
コメント(0) | コメントを書く
[たまには素のまま] カテゴリの最新記事
|
|