私が守っていること
早いもので今年も20日足らず。2年前の今ごろ、さくらが受験を控えていた頃のことをふと思い出した。今となってはいい思い出だけど、あの頃、まだ受験する学校を決めかねていた。最後の土壇場で候補に上がってきた学校は説明会にも参加していなかった。その内の1校の説明会なんてもう終わっちゃってたんだよね。寝ても覚めても「どこの学校を受けようか」「もう少し偏差値はアップする可能性があるのか」「どこなら合格できるのか」そんなことばっかり考えていたような気がする。もちろん仕事も家事もしてるんだけど、心ここにあらずだった。あの時にしかなり得ない、でも受験生の母なら皆同じだったあの心境。さくらの顔も徐々にひきつりつつあったけれど、多分、私のそんな心境は顔に出さないようにしていたつもりだけど、ビシビシと伝わっちゃってたような気がする。そんな落ち着かない私が、一つだけ、心がけていたことがある。受験期だからということではなくて、ずっと前からそして今も続けていることなんだけど、あの頃は自分に言い聞かせてた。それは…たいしたことじゃないんだけど、朝、登校前に怒らない、叱らない、ガミガミ注意しない、そしてあの頃の特別バージョンは「プラス、勉強と受験の話をしない」さくらがまだ幼稚園の頃だったかな、どこかで耳にした。朝は1日の始まり。親に叱られて、注意されて、気落ちしたり、イライラした気分で登校すると、気持ちを立てなおすのにエネルギーを使って、その日1日がすごく無駄な時間になるって。親が子どもに注意するのも、叱るのも当たり前のことなんだけど、なぜか私の心に響く言葉だった。そして考えたくはないけれど、無事に帰宅するという保証は、絶対の保証はないのだから、朝は笑顔で見送りたいと思ってた。寝起きの悪いさくら、朝はかなり不機嫌。加えて寝不足。いつまでも朝食を食べない、着替えない…イライラしたけれど、「早く」とか「食べなさい」とか言わないで我慢した。言われたくないだろうなと思ったし、何か言い始めたら関係ないことまで言ってしまうような気もしたから。それでもさくらはプレッシャーに押されて、12月の模試は全て体調を崩しちゃったんだけどね。いろんな思いが最高潮にふくらんでくる、出願前の12月。母親がするべきことは多く、目がまわりそうだったけど、1日のスタートはちゃんと朝ご飯を作って、笑顔で過ごす、せめてそれだけはと、大雑把な私が守っていたこと。自分で自分に約束しないと守れなかったあの頃。何か意味があったのかと言われれば…なかったかもしれない。それでも「よし、今日も送り出した」ってなんとなくほっとしてコーヒーを一人で飲めるのは大切で好きな時間だったな。娘達が生まれて今日まで、朝、怒ったこと、叱ったことは・・ありません、と言いたいけれど、実はさくら1回、かえで1回、合計2回あるんだな。これが。それでもこれからも、ずっと続けていきたいと思う私の約束。受験前のあの頃も守ってよかったと思う約束だ。