昇華されない気持ち~その3-1
そうこうしているうちに私も大きくなり、小学生になりました。今でもあまり人付き合いが得意ではない私は、小学校で仲間作り(?)に失敗してしまいいじめられることになりました。 ‥‥まだ「いじめ」ということが今ほど大きい事件に発展することはなく、先生方や親を含む世間の認識も「よくある仲違い」だった頃です。「いじめ」自体も、暴力を振るわれたりパシリにされたりカツアゲされたりするわけではなく何かをすると、どこからかクスクス忍び笑いが起きたり無視されたり‥‥といった程度のものでした。(その程度でも当事者は辛かったんですけどね。)塞ぎこんだ様子の私に気付いた父と母は理由を聞いてきました。私は、漠然と‥‥ですが親に事情を伝えることが事態の好転にはつながらないと感じていたので「何でもない」で押し通そうとしましたが、そんな手がいつまでも通用するわけはなく、結局は事情を説明せざるを得なくなりました。しかし、話をするに当たって「学校(≒担任の先生)には絶対に話をしない」ということを約束してもらいました。上(=学校側・担任の先生等)からの注意で事態が悪い方向に行くことはあっても、良い方向へは絶対に行かないと確信していたからです。父も母も「元気がない理由が知りたいだけだから、お前が『言わないで』と言うんだったら約束する」と言ってくれたので、それを信じて話をしました。‥‥ご丁寧に、いじめの先頭に立っている子の名前まで。‥‥そして数日後。いじめっ子の「先生に告げ口しただろ!」という言葉で、私は両親が約束を破ってくれたことを知りました。