天外レポート No.56 (2011/11/17)
2005年から天外塾を開き、「フロー経営」を教えてきましたが、今年になって新たな発見がありました。 「フロー」に入ると奇跡が起きるということは、CD,NEWS,AIBOなどの技術開発や、岡田武史監督のサッカー南アW杯などの例を挙げ、今まで本に書いてきました。 今年発見したのは、「フロー」に入った出来事だけではなく、それ以外のことでも奇跡が起きることです。 6月30日付けのメルマガ(「フロー」事始め)に書いたように、札幌天外塾では、若い塾生が毎朝小樽運河の清掃に取組む、という課題に挑戦しました。 彼の家と職場がある江別市と小樽は60Kmも離れており、単純に考えれば毎朝の清掃は不可能なのですが、宿舎や車を提供する人が現われて、たちまち清掃が可能な条件が整いました。 このように、一見不可能なことに思いきって飛びこむと、いろいろなサポートがあり、うまくいってしまうのが「フロー」の特徴です。 雨にも負けず風にも負けず、約束の一ヶ月を一日も欠かさず清掃を続け、全塾生から祝福を受けましたが、本人はこれでやめるのはもったいないと、その後も週一で続けました。 驚いたことに、毎日清掃していた一ヶ月間は本業の営業成績が3倍になり、週一に減らしたとたんにまた元の成績に戻ってしまったということです。 どうしてそんなことが起きたのかは、とても不思議です。 毎朝4時に起きて5時~6時まで清掃し、会社までの往復を運転するのですから、清掃期間中は大きな負荷がかかっており、会社の業務を妨げることはあったとしても、促進する要素はまったくありません。 これは、運河の清掃で「フロー」に入ったことにより、それとは直接関係のない本業で奇跡が起きた、ということでしょう。 このことから私は、52年前の自分の体験が「フロー」で説明できることに気づきました。 1959年の伊勢湾台風では、5千人以上が亡くなりましたが、私は名古屋で高3でした。 校舎の屋根が飛んでしまったため3か月間休校になり、毎日土嚢作りをしていましたが、学校が再開したとたんに私はチャリテイー・コンサートを企画しました。 受験が迫っている中で毎日練習に明け暮れたので、受験担当の教師からこっぴどく怒られたし、仲間の半分はやはり受験が心配なので、演奏会には出ずに勉強に専念しました。 ところが蓋を開けてみると、演奏会に出た仲間は全員大学に合格し、勉強に専念した人は全員浪人しました。 あまりにも結果が極端で、しかも予想とは逆だったため、あっけにとられましたが、私は「ああそうか、人生は遊んでいればいいのだ」と悟り、69歳の現在までそれを信条に生きてきました。 小樽運河の一件から、これも演奏会で「フロー」に入ったことにより、大学受験で奇跡が起きたのだ、ということがようやくわかりました。 もっとも、「フロー」に入るためのひとつの入口がワクワクした遊び心ですから、「人生遊ぶが勝ち」という私の解釈も、あながち間違っていた訳ではありません(ただし「フロー」に入れない遊びでは何も起きません)。 「フロー経営」を教えて6年になる私が、いまごろになって52年前の「フロー体験」に気づく訳ですから、皆さまも自分史を点検されると思わぬところに「フロー体験」が転がっているかもしれませんよ。 子どもに「勉強しろ!」と強制するより、少しでも「フロー体験」を味わせたほうが、はるかにいい人生になることは、『「生きる力」の強い子を育てる』(飛鳥新社)に書きました。 さて、以下はお知らせです。1.大好評をいただいているネッツトヨタ南国の横田英毅さんの特別セミナーの4期生を募集します(2012年1月開講の3期生はキャンセル待ち受付中)。日程は、2012年7月27日、8月31日、9月28日の全3回(いずれも金曜日)。2.同じく、未来工業の山田昭男さんの特別セミナーの2期生を募集中です。日程は、2012年4月13日、5月18日、6月15日の全3回(いずれも金曜日)。3.瞑想のワークを中心とした「運力強化特別セミナー」の2期生を募集中です。こちらは2009年以降の天外塾卒業生のみが対象です。日程は、2012年10月12日、11月9日、12月14日の全3回(いずれも金曜日)。4.通常の天外塾は、2012年度前期は満席、現在は後期生を募集中です。日程は、2012年10月5日、11月2日、12月7日、2013年1月11日、2月8日、3月8日の全6回(いずれも金曜日)。 上記セミナーの「お申込みフォーム」です。 http://www.officejk.jp/category/1327009.html 天外伺朗(どうぞご自由に転送して下さい)